10.18琉球新報朝刊のワシントン報告「国防費減で軍依存脱却」は興味深い内容だ。以下は新聞記事からの抜粋である。
ゲーツ米国防長官の国防費削減の指示により、今後3年間ワシントンの軍事契約を10%
ずつ減らしていくことが決まった。これにより、米国の防衛産業界は素早い対応を見せた。
①ロッキード・マーチン社:幹部職員の勧奨退職を募り、対象の25%に当たる600人以
上が殺到した。
②ボーイング社:6の軍用機分野を4にまとめ、1割の幹部を含む社員削減。
③BAEシステムズ社:10の系列会社を半分に再編。
④ITT社:7分野を3に統合し、1000人を解雇。
記事は『ゲーツ長官は「この不況時に、納税者の意見を尊重すべき」だと(国防費削減を)断行する構えだ。企業も迅速に対応している。』とし、『軍への依存度を減らしていく今のワシントンの試みは、未来の沖縄の参考になるかもしれない。』と指摘している。
普天間飛行場を辺野古に移設することが、沖縄の基地負担軽減につながると主張しているのは菅政権だ。移設と引き換えに嘉手納基地以南の米軍基地が返還されるというのである。
沖縄に基地負担を押し付けて日本全体が恩恵を受けるという構図と同じような、辺野古に基地を押しつけ、嘉手納以南が恩恵を受けるという構図は、沖縄は望まない。それがこれまでの沖縄の行動、県民大会等の数々の集会や選挙行動に現れているのである。
米国が嘉手納以南の基地返還に応ずるのは、基地が不要だからであり、決して、沖縄のことを考えてのことではない。日本が金をかけて辺野古に飛行場を造るというのである。何も自分から断る理由はないし、ましては、本国では軍事費削減が必須となっているのだから、尚更である。
県の「沖縄21世紀ビジョン」に描かれている「基地のない沖縄」を創るためには、『軍への依存度を減らしていく今のワシントンの試みは、未来の沖縄の参考になるかもしれない。』との同記事の指摘は正しい。
米国が沖縄の基地は不要だと判断すれば、米軍は沖縄から出ていく。その時に備えて、沖縄は何をすべきか。今から、準備しておくことが必要だ。