昨日(9日)の新聞報道によれば、沖縄県教育長は2011年度採用の県内小学校の本務教員を現在の2.2〜2.3倍に、中学校を3.4倍に増やすことを明らかにしたという。以下は沖縄タイムス紙(HMはこちらをクリック)からの抜粋である。
1. 採用数の変化
2009年度 | 2011年度予定数 | |
小学校 | 108人 | 約 240~250人 |
中学校 | 41人 | 約 140人 |
2. 2010.5.1現在の状況
教員総数 | 臨時教員数 | 臨時教員数の割合 | |
小学校 | 5263人 | 1076人 | 20.4% |
中学校 | 3352人 | 652人 | 19.5% |
3. 全国との比較
①臨時教員の割合は全国1位
②本務教員の割合 全国平均 93.7%
沖縄県 83.1%
現在の臨時教員数の割合は小中ともに約20%、5人に1人が臨時教員ということになるが、教員総数の中には校長・教頭等のクラス・教科を担当しない管理職も含まれており、現場で児童・生徒の指導に当たる職員数に占める割合はもっと高くなることはたやすく予想できる。メンタル不全による休職者の数が増加していると指摘される現状においては当然の措置といえる。
臨時教員の身分は極めて不安定である。単年度契約であること。夏季休業期間中は業務とはならず、給与が支給されない雇用状況の契約形態もあると聞く。当然に、次の採用試験を目指して日中は学校、夜は受験勉強に励む人も多い。
このような状況が、全国学力テストにおける毎年最下位の一因ではないかとの指摘もある。
確かに、十分な知識・能力を有していなければ教員として採用できず、そのために採用試験があるのだが、教員採用数の減少が教員の資質の問題ではなく、予算の削減等の行政の思惑によるものであるとするならば、真っ先に改善されなければならない。
その意味において、今回の本務教員数の増加は児童・生徒へのより適切な指導へとつながるものと期待する。
教育は社会資本形成の極めて基本的な部分を担う。十分な予算確保は行政の責務であると思う。