宮城篤実嘉手納町長の勇退に伴う町長選挙は、明日(25日)に告示され、30日に投開票される。
町長選挙には前町役場総務部長の當山ひろし氏と現町議の金城トシユキ氏が立候補を予定している。
両候補者の基本政策にはほとんど差がない。これまで配置されていなかった副町長制の導入や子育支援・給食費完全無料化などは両候補が公約として掲げている。
基地問題についても、爆音被害の解消や更なる基地機能強化への反対など基本的な部分での差異はない。
しかし、基地問題に関して言えば、これまでと異なるのは住民の意識である。第3次嘉手納基地爆音訴訟の原告団数が2万人を超す大規模なものとなることはすでに報道されているが、嘉手納町内の原告団数も第2次訴訟の10倍近くに達すると言われている。
鳩山前首相の「最低でも県外」発言に端を発した沖縄の基地問題への関心は、単に普天間飛行場移設問題にとどまらず、嘉手納基地の爆音被害等にも及んでいる。普天間飛行場は世界一危険だと言われているが、爆音・排気ガス等の被害からすれば、嘉手納基地こそが世界一危険な基地なのだとの声が聞こえてくるのである。
新町長はこのような住民の声を反映した町政運営を求められることになり、これまでとは明らかに立ち位置が異なる。日本政府のみならず、米国政府とも対等に交渉する気概と迫力が要求されることになる。
新町長への期待は高い。