4月10日付け琉球新報に、佐藤優氏の特別評論「メア氏国務省退職」が掲載された。私が気になったのは「メア発言に対する防衛官僚の反応について、月刊誌『エルネオス』4月号に興味深い記事が掲載されていた」のくだりである。以下は同誌掲載内容として紹介されている。
・・当初、防衛省内では多くの官僚が『メア発言は真実だ』と喝采を叫んでいた。『沖縄県庁も普天間移設先の名護市も、こちら(防衛省)が移設の条件を提示すると拒否し、ではそちらから条件を出してほしいと依頼して出してきた条件をこちらが検討して、それを受託する旨通知すると、さらに追加条件を出してくる。メアが言ったことは本当ですよ」と苦々しく語るのは、沖縄防衛局で米軍基地対策や連絡調整業務にあたった現役官僚・・ |
佐藤氏はメア氏発言について、「『メアが言ったことは本当ですよ』というよりも、防衛官僚の説明をメア氏がうのみにしたというのが真実と筆者は見ている。」と指摘している。この指摘は重要である。鳩山氏の「抑止力発言」にも通じることろがある。鳩山氏は「防衛省も外務省も沖縄の米軍基地に対する存在の当然視があり、数十年の彼らの発想の中で、かなり凝り固まっている。」と発言した。
普天間飛行場移設問題をはじめとする沖縄の基地負担軽減問題の解決には、日本政府の側の意識が変わらなければならない。米国の言う「普天間問題は日本の国内問題である」との指摘は、その意味において正しい。日本政府の意識を変えるにはどうすればいいのか。沖縄が、喫緊に、自ら、解決しなければならない課題である。