4月12日付け沖縄タイムスに、普天間問題に関するラムズフェルド前米国防長官のインタビュー(詳録)が掲載された。ラムズフェルド氏といえば、普天間飛行場移設問題の交渉当事者である。インタビューの要旨は①この問題は日本政府の責任において解決すべきものであり、沖縄県と日本政府の問題である②沖縄の一般の人々と米軍の関係は良好であったが、政治家が集票のために米軍に関する問題を提起したことにより関係がこじれたの2点にまとめることができる。氏のインタビューから何が見えてくるのか。検討が必要だ。(続く)
以下、インタビューの内容(抜粋)を紹介する。
【15年前に普天間問題等を手掛けたことについての質問の中で】 「・・2005年、米軍再編について日米協議があり、・・その際、沖縄の政治家が抱いている懸案事項についても配慮していた。私自身は、沖縄の一般の人々と米軍の関係は良好だと感じていた。でも、政治家は米軍について頻繁に問題提起する」 「米国政府は、沖縄県と日本政府との板挟みになりたくなかった。諸問題の検討は日本政府と沖縄県の間で行われるものであって、合意は内容通りに日本政府が遂行するものだと認識していた」 【合意の狙いは】 「・・沖縄にとっての案件は三つ。普天間基地の返還と南部にある施設を最大限返還すること、在沖海兵隊を削減すること、そして、これらが日米安全保障条約を損なうことなく行われることだった。・・海兵隊兵力1万8000人を1万人に削減しても米軍の抑止力は損なわれないことを日米両政府は確認した」 【返還が実現しないままだ長い時間が過ぎた】 「・・仮に何か問題があるとしても、沖縄県と米国政府の問題ではなく、沖縄県と日本政府の問題だ」 【2003年の沖縄訪問の際、海外への移設を考えたことは】 「・・国外移設について当時どのような考えがあったのかということについては、推察することさえはばかられると思っている」 【当時、国外移設は提案すらなかったということか】 「そうだ。なかった。」 【日本本土への移設はどうか】 「そういう流れについては話せない。・・ただ、沖縄については長い時間を費やし、細かい配慮の行き渡った合意をなしえたと思っている。合意以外の内容については、私にではなく別の人に聞くべきだ。」 【質問は日本政府に向けるべきということか】 「そうだ。これは日本政府と沖縄の問題だ。米国政府は沖縄県と協議の場を持つことはできない。沖縄県が話すべき相手は日本政府だ」 【日本政府が沖縄の声を代弁すべきだと思うか】 「米国政府は日本政府に指示をする立場にない。日本政府がすべきことは日本政府が決めるべきだ・・」 【2003年の沖縄訪問の際、当時の稲嶺知事から県民の負担軽減を求められ時どう思ったか】 「あの時は、先方から会談を要請してきた。彼は日本政府の代表ではないし、私もそもそも交渉しようというつもりはなかった。表敬の目的で面談に応じた。・・・」 【沖縄滞在中、空から辺野古沖も視察した。意見は】 「日本の政治に干渉するつもりはない。これは沖縄県と日本政府との問題。彼らの間で問題を解決すべき、・・・」 【あなたは著書で、「米軍は、・・望まれていない所に置くべきでない」と指摘し、例として「沖縄では摩擦がある」とあげている】 「沖縄住民との摩擦ではない。住民は米軍を親切に受入れ、米軍の駐留による経済的なメリットを得ていることは確かだ。・・政治家はトラブルを見つけ出しては物事をあおろうとする。・・票集めになるような問題を探して回る。私が知る得る限り、沖縄県民は米軍に対して親切だった」 |