4月12日付け沖縄タイムス紙掲載の「普天間問題に関するラムズフェルド前米国防長官のインタビュー(詳録)」の内容で、更に違和感を覚えるのは、同氏が「この問題は日本政府の責任において解決すべきものであり、沖縄県と日本政府の問題である」と指摘している点である。
沖縄が被っている基地被害の発生源はどこか。米軍である。日本政府がいかに負担軽減策を練り上げても米側が拒否すればその実現は困難になる、と思われるのが現状である。ラムズフェルド氏は「「米国政府は、沖縄県と日本政府との板挟みになりたくなかった。」と述べているが、沖縄県と日本政府が練り上げた内容を実現するのは米国である。沖縄の基地問題の解決に向けた協議において米国は当事者ではないとの米国の姿勢はあまりにも無責任だ。
ラムズフェルド氏は沖縄の米軍基地形成の歴史はご存じだろうか。戦後の米軍統治下の下、銃剣により収奪された歴史である。その後現在に至るまで、地位協定に守られた米軍の姿勢は占領政策の延長でしかない。これは昔話ではなく、戦後60年に渡り米国が沖縄で行ってきた事実である。
世界で発生する人権侵害事件について盛んにメッセージを発する民主主義を標榜する米国が沖縄で何をしているのか。ラムズフェルド氏はその矛盾に気づくべきである。