5月7,8日の日程で来沖した北澤防相。「最低でも県外」から「辺野古移設」に戻った経緯の説明を求める仲井真知事に対して、北澤防相は応えずじまい。しかも、辺野古の飛行場建設案を提示するのではないかと見られていたが、これも提示されることはなかった。
報道によれば、北澤防相は「・・知事の想定外の質問に『私みたいな頭の悪い者でもしばらくやっていたら理屈は分かるんですが』と、いらだつようなそぶりも見せた」、「会談の最後には『ワープロではなくて色綴(つづ)りで持ってきました。少しお金もかけました』と辺野古移設の必要性を記したというカラーパンフレットを知事に差し出したが、最後まで『納得のいく説明がほしい』という仲井真知事の質問に答えることはなかった。」という。
結局、最後まで仲井真知事との議論はかみ合うこともなく、次の目的である宮古島視察へと向かった。宮古島でも地元の平和団体の抗議にあっている。
【報 道】
沖縄タイムス①「なぜ辺野古」「返還と移設セット」会談で応酬
琉球新報 ①普天間移設、知事「県外」譲らず 防衛相説得も平行線
ここで妙にかみ合うのが、下地氏のいう辺野古断念後の県内移設である。かつて、候補にもあがった下地島空港が候補地として頭を持ち上げてくる可能性があるのではないか、というのが私の懸念するところである。北澤防相が仲井真知事との会談の後、宮古島へ飛んだのも気になるところである。
これまでの基地受入れに関する沖縄の姿勢は「苦渋の決断」であった。それが、仮に下地島空港への移設となれば「基地誘致」ということにもなりかねない。それこそ沖縄の米軍基地の固定化へつながる極めて危険な選択である。
普天間飛行場移設問題の基本は国外・県外移設であり、これは死守すべき原則である。