6月4日付琉球新報に掲載された佐藤優氏のウチナー評論「原口前総務相の発言〜基地の差別性に理解を示す〜」は極めて興味深い。以下はその引用(抜粋)である。
5月31日、・・原口一博氏が代表を務める政策集団「日本維新・Vデモクラッツ」の設立総会・・。原口氏は演説の中で、鳩山由紀夫前首相が米国との関係を見直したことは正しかったとした上で普天間問題に関し、「沖縄の人々はこれを差別と受け止めている。それを踏まえて問題解決をしなくてはならない」と述べた。・・原口氏は沖縄米軍基地問題と構造的差別の問題について、真剣に研究し始めている。・・菅首相が・・辞意を示唆し・・、民主党に関しては・・若い世代の政治家に・・権力が移行する・・。いまのうちに沖縄が総力をあげて、これら若い世代の政治家への働きかけを強めることが重要だ。 |
民主党の閣僚経験者の中から、沖縄差別の認識が示されたことは重要だ。
戦前、戦後、そして現在に至るまで、沖縄への基地負担の押し付けが、沖縄への差別意識に根ざしていることは明らかであり、ことあるごとに仲井真知事も説明しているとおりである。米軍人や軍属による事件・事故・犯罪等についての対応や騒音防止協定があるにもかかわらず地域住民の生活環境を無視した演習が繰り返される実態(米本国や諸外国の米軍基地では夜間・深夜の演習は行われていない)は、この差別意識に基づくものとしかいいようがない。
沖縄の基地問題の深層に巣くう沖縄差別について、原口前総務相自らが認め、「それを踏まえて問題解決をしなくてはならない」と指摘していることは極めて重要だ。
また、佐藤氏は同評論で、「辺野古移設の強硬に歯止めをかけている」政治家として原口氏と前原誠司前外相をあげているが、前原氏は政権奪取前には米国との交渉を示唆していたが、現在は辺野古移設論者としての立場を堅持しているかのように見える。
いずれにしても、沖縄の基地問題の解決には佐藤氏が指摘するように、沖縄からの積極的な行動が必要である。これまでの運動の成果で、辺野古移設期限が撤回され、辺野古移設は頓挫することになる。
今後は、これまで以上に沖縄の声を発信することはもとより、佐藤氏ご指摘のとおり、沖縄応援団を築き、拡大していくことが重要だ。