月刊文芸春秋4月号には“これが私たちが望んだ日本なのか”の特集が掲載された。変革の期待を一身に背負った民主党の体たらくへの辛辣な言葉が並ぶ。と同時に選んだ私たち自身の、そして日本の体たらくのあり様も指摘されている。このまま落ちることろまで行くしかないという自虐的言葉から、見通しはないががんばるしかないという展望まで様々だ。そして、これら指摘の中で間違いなく言えるのは、このままではいけないということ。そして、菅政権、民主党政権ではだめだということ。
そんな状況の中で東日本大震災が発生した。日本のすべての機能が停止したかと思うほどの大災害である。当然、震災への手当が優先された。駄目だしされた感のある菅首相、民主党政権にがんばってもらうしかなかった。ところが、被災者支援、震災復旧の遅れ、原発事故対応等、更に菅政権は追い込まれることになった。
だから、菅政権、民主党政権の体たらくは決して今に始まったことではない。震災前から指摘されていたことであり、震災によって更に浮き彫りになったということ。
“これが私たちが望んだ日本なのか”の特集の中では、日本人が自ら考えることが必要だとの指摘がある。自ら考え、自ら行動し、自ら責任を取る、ということ。だから、政権を替えて、まつりごと(政)を誰かに委ねるのではなく、私たち自身がこの国の形を決めると腹をくくることが大事だ。そしてその責任は私たち自身が負う。つまり、覚悟が必要なのだ、と思う。
そして、次にどうするかを考える。民主党なきあとの政権をどうするのかを考える。しかし、残念ながらどこにもあてになりそうなグループは見当たらない。それもまた、私たち日本の姿なのだと自覚することが必要だ。