会談要旨(琉球新報紙から抜粋 【】見出しは当方で記載)) 北沢防相 2プラス2の中身について事前に話したい。 【普天間飛行場移設について】 ・・滑走路形状について・・騒音などを勘案し、V字型で調整したい。(移設期限の)2014年は現実的に困難。固定化に直結する危険性もあり、早い実現を図ることで合意を得たい。 【オスプレイ配備について】 オスプレイは米側から(配備)見解が示された。正式な通知ではないが、詳細なデータが調整できれば答えたい。 仲井真知事 【普天間飛行場移設について】 ・・一日も早い移設が大前提で、他府県への移設にぜひ取り組んでもらいたい。そのほうが早い。・・両政府で決めても県民・住民の納得がないと進行できない。・・合意を見直しを(議論に)乗せていないことは誠に残念で遺憾だ。 【オスプレイ配備について】 ・・オスプレイがしょっちゅう事故を起こした履歴の記憶は鮮明だ。・・県民代表としてとても分かりましたとは言えない。データもないままでは反対・・。政府として安全性、騒音を含めどんな見解と判断を持っているかもお知らせいただきたい。 北沢防相 県外移設となれば普天間基地だけでなくハンセンとシュワブも一緒に移動しなければならない。 仲井真知事 われわれは、かならずしもそうは思っていない。航続距離の長いスプレイが使われるならば、海兵隊のありようがもっと断続的に拡大できるのではないか。 北沢防相 【普天間飛行場移設について】 オスプレイは速度は2倍、航続距離は4倍で広範囲に使える。それに期待して辺野古(への代替施設)をもっと遠くにというところまでは、まだ直結する話ではない。 【オスプレイ配備について】 オスプレイは改良し、米国大統領も乗っていて、危険度について技術的にクリアしている。データも差し上げるので客観的に判断してもらいたい。 仲井真知事 ぜひ公表してほしい。政府の判断はどこらへんにあるのかも。町の真ん中で、東京でいえば日比谷公園の中でやっているようなもの。そういう状況に合うのか、危険性はどうなのかお知らせいただきたい。 北沢防相 米側のデータから、騒音がより高い、危険性が除去されていないのであれば、事前協議の対象でなくても米側に意見をする。そういう状況にないと判断したから説明に来た。 仲井真知事 判断の根拠も教えてもらいたい。 |
普天間飛行場移設についての仲井真知事の見解は明快だ。沖縄県、名護市とも移設反対の状況で、移設期限が撤回がされたことは計画が瓦解したことになる。当然現行案の「合意を見直しを」図るのが筋である。これに対して北沢防相は「固定化に直結する危険性」を指摘し、「早い実現を図ることで合意を得たい」として、あくまでも現行案に拘っている。6月21日にワシントンで開催される予定の2プラス2での合意を目指しているようだ。そして菅首相の辞任のシナリオか。
昨年5月28日の2プラス2日米合意を記憶しているだろうか。現行案回帰を当時の鳩山首相が表明した後、6月2日鳩山首相は突然辞任を表明した。誰が作ったシナリオだろうか。
今回も、6月21日の2プラス2後に菅首相が辞任して、次期首相は必然的に6.21の2プラス2に縛られる形を作ろうとしている。沖縄の民意を無視した態度は許されない。
オスプレイ配備に関する仲井真知事の態度も明快だ。極めて危険で、爆音の激しい機種配備は認められない。「東京でいえば日比谷公園の中」に配備するようなものとの指摘は正にそのとおりである。日本防衛の被害は辺境の地沖縄へという差別意識への痛烈な非難である。
これを北沢防相はどう受け止めたのか。「データも差し上げるので客観的に判断してもらいたい」との対応は正にお粗末としかいいようがない。予想される質問に対して何の準備もせずに来沖した姿は痛々しいくらいだ。
会談後の北沢防相のコメントである。「官民両方に(2プラス2の内容を)事前に話したことで、政府の誠意はくみ取ってもらえたのではないか」と述べた(6.14付沖縄タイムス紙より)。マスコミ報道のどれを取っても「政府の誠意」が沖縄に届いたことを伝えるものはない。北沢防相が本気でそう思っているとしたら、正に裸の王様である。
日米両政府は、沖縄の民意である、普天間飛行場の県外移設、基地負担の軽減(オスプレイ配備は論外)を認識しなければ、沖縄の基地問題の根本的解決はない。