辺野古移設期限の撤回に至った2プラス2後の記者会見での北沢防相の発言は極めて無責任であるといわざるを得ない。その内容は以下のとおりである。(TBS newsからの引用)
・・自民党政権時代とほとんど変わらない案に戻ったことへの批判に、北澤防衛大臣は反論しました。 「これがもし時間のロスだという論評があるとすれば、それは政権交代に基づく民主主義のコストだというふうに理解しております」(北澤俊美防衛相) ・・ |
北沢防相は何を指して「民主主義のコスト」と表現しているのだろうか。
民主主義において、最後まで議論の決着がつかない場合は多数決によることになる。しかし、民主主義の理念は少数意見にも耳を傾け、全体として納得がいく結論を導くことにあり、そのための時間と労力こそが民主主義のコストである。
今回の普天間飛行場移設問題について、民主党政権が沖縄に対して行ったことは、県外・国外移設がだめになったことへの謝罪と辺野古移設容認のお願いだけである。辺野古移設回帰の理由も、その根拠についても十分な説明はない。海兵隊の沖縄駐留の理由を「抑止力」としていた鳩山氏も、首相辞任後には、それが方便だったとあっさり認めた。
このような状況を受けて、「民主主義のコスト」と強弁するのは無責任極まりない。
菅首相辞任後の組閣においては、ぜひとも、交代願いたい。