菅首相のあいさつに先立ち、仲井真知事の平和宣言が行われた。
仲井真知事は、沖縄が今なお過重な基地負担を強いられ、事件・事故・騒音等に悩まされて、安心・安全な生活が実現していないことを指摘し、基地負担の大幅軽減、普天間基地の県外移設、日米地位協定の見直しを日米両政府に訴えていくことをあらためて表明した。沖縄の民意を代表しての意思表明であり、これまでの立場をあらためて示したかたちだ。
一方、菅首相は、政治の使命は人間の尊厳と生命を守ることであると指摘し、しかしながら、沖縄には、今なお米軍基地が集中し、負担をかけ、負担軽減が遅れていることについて慙愧に耐えないとした。そして、今後、負担軽減に最大限の努力をしたいと述べた。
6.21 2プラス2後の菅首相の沖縄へのメッセージがどのようなものになるのか期待したが、完全に裏切られた。沖縄の基地負担は去る大戦以降継続してきたものであり、戦没者の犠牲の延長線上にある。戦前・戦中の沖縄の犠牲が、今なお継続しているのである。菅首相は昨年の沖縄全戦没者追悼式でも次のように述べていた。
今後、米軍基地にかかわる沖縄の負担の軽減と、危険性の除去に、一層、真剣に取り組んで参りますことをお約束させていただきます。 |
昨年と何が変わったのか。普天間・嘉手納両基地の爆音は激化し、米軍関係者による事件・事故は後を絶たない。日米地位協定の改定も一向に進まない。
沖縄の基地負担の軽減について、昨年は「真剣に取り組(む)」と言い、今年は「最大限の努力(をする)」と言う。極めて軽い首相の発言。沖縄の民意が、まだまだ、政府には届いていないことの証だ。
沖縄は、これからも継続して、沖縄の民意を発信し続けなければならない。