北沢防衛大臣から届いた回答から明らかになったのは、沖縄無視の態度そのものである。
オスプレイ配備の見直しについては、「機種の更新であり、政府としては、米国政府に配備計画の修正を申し入れる立場にない」とし、危険機種であることを認識しながらも、受入れを前提とした態度に終始している。
騒音激化への懸念、安全管理、市街地飛行への懸念、強力下降気流や高温排気ガスによる事故発生の懸念等についても、すべて「(問題はない)旨米側から説明を受けている」との回答に終始している。
国防総省が2000年から9年間実施した環境評価(米西海岸の海兵隊基地を対象にMV-22配備に向けたもの)の内容と結果について説明を求めたが、15頁にわたる原文コピーを添付しただけ。できの悪い学生の見学レポートのようだ。
オスプレイ配備に関して、日本政府独自の環境調査等の実施について質問に対しても米側の資料、調査の結果を待って判断するとしている。
すべては、米国任せの受身姿勢に終始し、沖縄の懸念には一切答えていない。
さらに、「嘉手納飛行場及び普天間飛行場における航空機騒音規制措置に関する合同委員会合意(平成8年3月28日外務省)」以降も、騒音測定値は環境基準を超過している、この状況についてどうするのかの問には、
「これまでも日米合同委員会において、航空機騒音規制措置について合意し、米軍に対して同規制措置の遵守はもとより、可能な限り周辺住民の方々への影響が最小限になるよう累次の機会に申入れを行っているところであり、引き続き努力してまいりたい。」 と回答している。
結論としてはこれまで通りということである。つまり、爆音が激化する場合であっても、米軍の「運用上の必要とされるもの」については、日本政府は何もしない、何もできないという回答に終始している。
決定的なのは、開発段階を含めた事故率の比較を示していただきたいとの問いに対し、
「事故率に関する有意なデータを入手し得る段階にない。
また、軍用航空機は、その機種ごとに運用構想や開発形態、開発期間等がさまざまであり、このような開発過程の事故を教訓として、必要な安全基準を満足するよう改良が重ねられることによって航空機は開発されるものであるため、いわば未完成の段階である開発段階の事故率を一概に比較したとしても、むしろ誤解を招くことになり、安全性に係る有意な情報が得られるものではないのではないかと考えている」と回答している、ことだ。
事故率データを示すと、沖縄がいらぬ心配を抱くことになるから見せられない、というのである。心配だからデータを示せとの指摘に対し、いらぬ心配を抱かせることになるから見せられないというのは本末転倒である。この問17に対する回答については米国からの説明という記載がないことから、防衛大臣の見解と思われる。データが示されているのであれば明らかにすべきである。それが「事故率に関する有意なデータ」ではなくても届いているデータがあれば明らかにすべきである。
これ以上の沖縄の基地負担は認められない。オスプレイ配備は認められない。