民主党の前原政調会長が訪米中であるが、その発言は、沖縄の現状を伝えていない。報道によれば、ワシントンでの講演で、普天間移設問題に関し「(2プラス2)合意を履行するため、日本としても最大限努力していく」と強調し、「沖縄とはさまざまな話し合いをしている。米国から見て全く進んでいないように見えるときでも、進んでいることがあり得ることを理解してほしい」と述べたという。
日本政府の考え方と沖縄の民意は真っ向から対立している。更に、与党民主党において本部と沖縄県連の立場はねじれ、ねじれ現象は自民党本部と沖縄県連にも生じている。
このような現状における前原政調会長の態度は、沖縄に対してはもちろん、正確な情報を伝える意味において、米国に対しても、極めて不遜な態度であると言わなければならない。
今月17日には仲井真知事が訪米する(詳細はこちらをクリック“知事「沖縄クエスチョン」へ17日訪米” 9.6沖縄タイムス)。知事は沖縄クエスチョンの討論会で沖縄現状を米国世論に訴えることを目的としているが、前原政調会長の訪米はその出鼻を挫くためのものだと指摘する議論もある。
主張の異なる日本政府と沖縄県。政府は特使を、沖縄県は地元首長が米国に出掛けて主張を展開とするというのは、宗主国に対する陳情のようで、不条理なものを感じるが、沖縄は自らの意思を曲げてはならない。
正義はどこにあるのか。答えは明白である。
沖縄は沖縄の民意を主張する。
沖縄は「苦渋の決断」などという曖昧な、甘い言葉で自らを騙してはならない。