八重山地区の教科書採択問題で、文科省が育鵬社版公民教科書不採択協議が整っていないとする理由について報道された(9.19琉球新報よりクリックで同紙HMへ)。
・・「協議整わず」(13日、中川正春文科相)と判断した理由として(1)9月8日の全教育委員による協議は3教育委員会の合意のないまま行われている(2)同全委員協議について玉津博克石垣市教育長、崎原用能与那国町教育長から「無効」とする異議を申し立てる文書が出ている―の2点を挙げていることが18日までに分かった。 |
(1)については、9月8日の全教育委員による協議は、全教育委員が参加・協議のうえ議事が進行されたことは明らかであり、手続きのどこに瑕疵があるというのか理解できない。
義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律第13条4項は「・・・、採択地区が二以上の市町村の区域をあわせた地域・・・の市町村立の小学校及び中学校において使用する教科用図書については、当該採択地区内の市町村の教育委員会は、協議して種目ごとに同一の教科用図書を採択しなければならない。」と規定し、「市町村の教育委員会」の「協議」を求めている。9月8日の全教育委員による協議について「3教育委員会の合意のない」と結論づけているのは極めて疑問である。
(2)の「異議を申し立てる文書」については、各教育委員会の議決を経ずに出されていると報道されている。教育長の職務権限について次のように規定されている。
地方教育行政の組織及び運営に関する法律 第十七条 教育長は、教育委員会の指揮監督の下に、教育委員会の権限に属するすべての事務をつかさどる。 |
教育長の職務権限は教育委員会の指導監督の下に行われなければならず、報道が真実ならば、「無効」とする異議を申し立てる文書の発出についてはその責任が問われる可能性もある。9月8日の全教育委員による協議による協議結果に対して、教育長名義で異議文書を発出する根拠が、そもそも疑わしいと言わなければならない。
以上から9月8日の全教育委員による協議は正当に成立していると考えるべきである。