普天間飛行場の県外移設、基地負担軽減の民意が大きく主張されている沖縄で、あらたな基地被害の問題が指摘されている。沖縄の米軍基地内で、過去に枯れ葉剤が貯蔵され、実際に使用されていたというのである。
枯れ葉剤はベトナム戦争で使用されたが、その被害の状況はすざまじい。その散布による被害はベトナムのみならず、米国のベトナム戦争帰還兵にも及んでいるという。
その枯れ葉剤が沖縄の米軍基地に貯蔵されていたのみならず、除草剤等として使用されていたというのである。
ジャーナリスト・ジョン・ミッチェル氏は、沖縄の米軍基地に勤務した元兵士がダイオキシン被害の代表的な症状とされる病気で苦しんでいるが、米国退役軍人省は沖縄での枯れ葉剤使用を認めず、補償も受けられずにいる状況があると説明した(11.QAB記事より)。
県内での枯れ葉剤の使用実態について、外務省は「今般,米国国防省から,今回改めて過去の記録の確認作業を行った結果として,米軍が返還前の沖縄で枯葉剤を保管し若しくは使用した,又は沖縄へ持ち込んだことを示す資料は何ら確認できなかった旨の回答がありました。」(詳細は外務省HM クリックを)として、沖縄での枯れ葉剤の貯蔵・使用を認めていない。
しかし、数々の証言は沖縄で枯れ葉剤が貯蔵・使用されていたことを明らかにしている。更に心配なのはそのような状況があるにもかかわらず、米国防省はそのような資料はないとしている点である。沖縄に貯蔵されていた枯れ葉剤がどのように処分されたかが明らかにされない状況は極めて不安である。進められている米軍基地返還事業にも悪影響を及ぼす恐れがある。日本政府は、米国の報告を求めるだけでなく、独自に調査を進め、真相の解明に努める必要がある。
枯れ葉剤問題で英ジャーナリストが報告 「退役軍人がシュワブで使用を証言」(QAB)