日米関係についての民主党の立場は首相が代わる毎に変質している。
政権奪取を果たした民主党の2009年マニフェスト
日本外交の基盤として緊密で対等な日米同盟関係をつくるため、主体的な外交戦略を構築した上で、米国と役割を分担しながら日本の責任を積極的に果たす。 |
鳩山首相から首相の座を引き継いだ菅首相の時代に訂正された民主党の2010年マニフェスト
総合安全保障、経済、文化などの分野における関係を強化することで、日米同盟を深化させます。普天間基地移設問題に関しては、日米合意に基づいて、沖縄の負担軽減に全力を尽くします。 緊密で対等な日米関係を構築するため、日米地位協定の改定を提起します。 |
そして、民主党3代目の野田首相の所信表明演説。
特に、日米同盟は、わが国の外交・安全保障の基軸にとどまらず、アジア太平洋地域、そして世界の安定と繁栄のための公共財です。 |
民主党への国民の期待は、米国一辺倒の日本外交の変革にあった。特に長い基地負担にあえぐ沖縄の期待は大きい。しかし、首相が代わる度にそのトーンは落ち、そして、野田首相は、日米同盟について、アジア太平洋地域のみならず、「世界の安定と繁栄のための公共財」と持ち上げ、最高級の賛辞を送った。果たして、誰に、何のために賛辞を送ったのか。そして、その賛辞は誰かに届いたのだろうか。
対等でない日米関係を対等なものにすると言っていたはずが、その公約をいつか忘れ去り、今では「世界の安定と繁栄のための公共財」として自画自賛する。
だから、基地は沖縄へ。米軍基地被害に苦しむ沖縄の声などおかまいなしだ。
「沖縄の負担軽減を図るために全力で取り組みます」とは述べているものの、「世界の公共財」としての日米同盟の前では極めて小さなものでしかない。
だからと言って、沖縄はあきらめるわけにはいかない。
沖縄の声を米国に届ける会は訪米し沖縄の現状を訴えている。
高江、辺野古では、多くの住民が地域を守るために座り込みを続けている。
第3次嘉手納基地爆音差止訴訟は22058名の原告団で提訴し、既に第2回裁判期日を終えた。
普天間爆音訴訟団は、3000名超の原告団で3月にも提訴する予定だ。
与儀君の遺族を支える会は日米地位協定改定を求めて、運動を展開している。
その他にも沖縄の各地で沖縄の民意実現に向けた運動が展開されている。
沖縄は一歩も引くことはない。前に進むのみである。