嘉手納基地爆音訴訟や横田基地訴訟等の全国で確定した米軍機爆音訴訟の賠償金については、日米地位協定18条で米国がその75%を負担することになっている。
その負担分について、昨日、17日の衆議院予算委員会で、玄葉外相は、米国から支払われていないことを明らかにした。沖縄県選出の照屋寛徳議員の質問に答えた内容だ。
5 公務執行中の合衆国軍隊の構成員・・合衆国軍隊が法律上責任を有するその他の作為、不作為若しくは事故で、日本国において日本国政府以外の第三者に損害を与え・・生ずる請求権・・は、日本国が次の規定に従つて処理する。 ・・ (c) 前記の支払(合意による解決・・裁判所による裁判に従つてされたものであるとを問わない。)又は支払を認めない旨の日本国の権限のある裁判所による確定した裁判は、両当事国に対し拘束力を有する最終的のものとする。 ・・ (e) (a)から(d)まで及び2の規定に従い請求を満たすために要した費用は、両当事国が次のとおり分担する。 (i) 合衆国のみが責任を有する場合には、・・その二十五パーセントを日本国が、その七十五パーセントを合衆国が分担する。 (ii) 日本国及び合衆国が損害について責任を有する場合には、・・両当事国が均等に分担する。・・責任として特定することができない場合には、・・日本国及び合衆国が均等に分担する。 |
日本政府が支払った損害賠償額は202億円にのぼる。玄葉外相は「協議を重ねてきているが、妥結をみていないということだ。」と述べいる。しかし、地位協定18条には「・・分担する。」と規定されており、協議するとは記載されていない。
沖縄が改定を求める不平等地位協定ではあるが、その中でも日本に請求権が認められながらもそれを行使しない、若しくは行使できない状況は不可解としか言いようがない。
米軍基地から発生する爆音について、裁判所が違法性を認定し損害賠償額の支払いを命じたとしても、自分の懐が痛まなければ、誰がそれを改めようと考えるだろうか。日本政府が米国へ賠償額の負担分を請求しなければ、沖縄の爆音被害は軽減できない。
昨年4月28日に提訴された第3次嘉手納基地爆音差止訴訟の原告数は2万2058名。さらに3月には原告数3000名超の第2次普天間爆音訴訟が提訴される。
日本政府は腰を据えて米国へ請求すべきである。