4.検証作業の責任者は誰
騒音防止協定は日米両政府間で締結されてものであり、検証作業も、当然、日米両政府が負うべきであるが、実際はそうなっていない。
日本政府として検証作業義務はどの省庁が担うべきか。
①外務省:外務省は協定締結省庁としての責任を有する。しかし、外務省が率先して検証作業を行ったことはない。
②防衛省:防衛省は米軍への基地提供についての責任を担う。しかし、冒頭にも述べたように防衛省沖縄防衛局は検証作業はできないとしている。
③環境省:「航空機騒音に係る環境基準について」は環境省が定めた基準であるが、米軍機による爆音はその基準を超えている。爆音や排気ガス等による環境破壊は環境省の管轄だ。
④国土交通省:航空機騒音問題としての管轄は国土交通省が担う。
⑤文部省:入学式や卒業式の爆音による妨害など、爆音等が子どもたちの教育環境の破壊という深刻な問題を発生させている原状からすれば、文部省の責任も大きい。
⑥厚生労働省:爆音等による難聴、不眠、高血圧及び精神的不安定、そして排気ガスによるぜんそく、肺気腫等の疾患の発症等の観点からすれば厚生労働省にも責任がある。
いずれにしても、省庁間で責任の押し付け合いをしている間は爆音等の基地被害の問題解決を図ることはできない。騒音防止協定の効果的運用を図るためにはこの検証作業が不可欠である。