4月27日に発表された日米共同文書に関するポイント、「日米安全保障協議委員会(「2+2」)共同発表のポイント」と題する文書が、防衛省・外務省の両HMで公表された。ところが普天間飛行場の辺野古移設案について、共同文書では「これまでに特定された唯一の有効な解決策であるとの認識を再確認した。」と記載されているのに対して、HMに掲載された文書では、「現行の移設案が唯一の有効な解決策であることを再確認。」と記載されている。
日本政府は、共同文書の記載と異なる認識を持っていることを示した。すなわち、現行辺野古案の変更はありえないという意思表示だ。
共同文書に記載した内容さえも否定しようとする日本政府にはあきれるばかりだ。
沖縄に基地があって当たり前という沖縄差別の思想を日本政府が改めない限り、普天間飛行場の県外・国外移設及び沖縄の基地負担軽減を求める等の沖縄の民意を納得させることはできない。
日米安全保障協議委員会(「2+2」)共同発表のポイント 平成24 年4 月27 日 前文 (1)2006 年5 月の「再編のロードマップ」に定められた計画の調整を決定。 (2)海兵隊の沖縄からグアムへの移転及びその結果として生ずる嘉手納以南の土地の返還の双方を、普天間飛行場の代替施設に関する進展から切り離すことを決定。 (3)米海兵隊の新しい態勢に加え、日本の防衛態勢の強化及び日米間の動的防衛協力の推進により、日米同盟全体の抑止力が強化される旨確認。 1.グアムと沖縄における部隊構成(人数は定員) (1)米国は、海兵空地任務部隊(MAGTF)を沖縄、グアム、ハワイに置くとともに、豪州へのローテーション展開を構築する。 (2)約9000 人の海兵隊員が沖縄から日本国外に移転。 (3)沖縄における海兵隊の最終的なプレゼンスは「再編ロードマップ」の水準と一致。 (4)グアムにおける海兵隊は約5000 人となる。 (5)海兵隊のグアム移転に係る米国政府による暫定的な費用見積りは、86 億ドル。日本側の財政的コミットメントは、2009 年のグアム協定の真水(2008 米会計年度ドルで28億ドルが限度)となる。他の形態での財政支援(出融資)は利用しない。次項2.(2)の協力で貢献する場合もこのコミットメントの内数。 2.地域の平和、安定及び繁栄を促進するための新たなイニシアティブ (1)アジア太平洋地域の平和、安定及び繁栄を促進する重要性を確認。日本政府はODA の戦略的な活用を含む様々な措置をとる。 (2)日米両政府は、グアム及び北マリアナ諸島連邦において日米が共同使用する訓練場の整備に向けた協力を検討し、2012 年末までに協力分野を特定。 3.沖縄における土地返還 (1)①手続後の速やかな返還が可能な区域:キャンプ瑞慶覧の一部(西普天間住宅地区、及び施設技術部地区内の倉庫地区の一部)、牧港補給地区の一部(北側進入路、第5ゲート付近) ②県内移設後に返還が可能な区域:牧港補給地区の一部(倉庫地区の大半を含む)、キャンプ瑞慶覧の一部(インダストリアル・コリドー等)、キャンプ桑江、那覇港湾施設、陸軍貯油施設第1桑江タンク・ファーム ③海兵隊の国外移転後に返還が可能な区域:キャンプ瑞慶覧の一部、牧港補給地区の残余 (2)沖縄に残る施設・区域の統合計画を日米が共同で2012 年末までに作成。 4.普天間代替施設と普天間飛行場 (1)現行の移設案が唯一の有効な解決策であることを再確認。 (2)代替施設が完全に運用可能となるまでの間、普天間飛行場を安全に運用し、環境を保全するために必要となる補修事業について、日米が相互に貢献。 (以上) |