日本最西端の島、与那国島。陸上自衛隊配備で島が二分され、その余波は保革同数になった町議会の議長が決められない事態となっている。以下は2012年に与那国と台湾との交流に関する記事だ。島の発展のためには、いったいに何が必要なのか。あらためて考えなければならない。
【2012年05月08日本HM記事】
2012年5月6日付琉球新報に興味深い記事を見つけた。4月29日に与那国町と姉妹都市を締結している台湾花蓮市から交流団72人が水上バイク35台と帆走船1艇で与那国町を訪問したという。「八重山毎日新聞提供」との説明書きがあったので、早速同HM及び与那国町HMへアクセスした。和やかな歓迎セレモニーが行われた。
(2012年04月25日付八重山毎日新聞より転載) 交流団は29日午前9時に台湾花蓮港を出発し、同日午後1時ごろに久部良港に到着する予定で、3日間にわたって町民との交流や島内観光などを楽しむ。 23日には「花蓮・与那国間水上摩托車(水上バイク)太平洋横断2012」の実行委員会(委員長・外間守吉町長)が開かれ、職員らが受け入れ態勢などを確認した。 外間町長は「新しい取り組みなので、ぜひ成功させ、友好関係をさらに深めていきたい」と話した。 姉妹都市は与那国町と花蓮市の経済や産業、教育文化などの交流を推し進めることで、双方の発展を図るのを目的に1982年10月8日に締結された。 与那国町ではこれまでに花蓮市への小中学生派遣や職員研修、相互訪問、ヨットレースなどで交流を深めている。 |
(2012年04月30日付け八重山毎日新聞より転載) これは与那国町と花蓮市姉妹都市締結30周年記念事業の一環。5年前の25周年プレイベントとして計画されていたが、準備不足で中止されていた。 5年越しの横断成功に交流団総リーダーの魏聖峰(ギ・セイホウ)氏は「花蓮市と与那国町の親交を深めるためにも成功させたかった。海から見る与那国島は美しかった」と話した。 交流団は29日午前9時に水上バイク37台で花蓮港を出発したが、途中で2台がエンジントラブルで引き返したため、到着予定時間の午後1時から大幅に遅れて、ナーマ浜に到着した。 大きな水しぶきを上げて浜に向かってくる水上バイクを出迎えた町民らは手を振りながら「ようこそ与那国へ」「ニーハオ(こんにちは)」と声をかけていた。 外間守吉町長は「トラブルが多少あったものの、けが人もなく、横断が成功してよかった。滞在中は与那国の魅力を楽しんでほしい」と喜んだ。 交流団を迎えた町民の一人は「こんなにたくさんの水上バイクを見るのは初めて」、島を訪れていた観光客は「まるで大きな魚が跳ねているようだった」と迫力ある水上バイクに興奮気味だった。 交流団は5月1日まで滞在し、島内観光などを楽しむ。 姉妹都市は経済や産業、教育文化などの交流を通し、双方の発展を図るのを目的に1982年10月8日に締結された。 与那国町ではこれまでに花蓮市への小中学生派遣や職員研修、相互訪問、ヨットレースなどで交流を深めている。 |
尖閣問題や自衛隊配備等でニュースになることが多い八重山だが、このような民間交流は地道に進めていくことが必要だ。地域の安全保障を考えるうえで、人材・文化交流を通じての相互理解こそが最も重要だ。
与那国町の地道な活動に拍手を送るとともに、更なる交流促進を期待したい。