昨日6月4日、野田改造内閣が発足した。沖縄が注視していた防衛相には森本敏氏が就任した。森本氏は拓殖大大学院教授で元自衛官である。
懸案の普天間飛行場移設問題について、同氏は「沖縄の負担軽減と(米軍による)抑止力維持は一見矛盾に満ちた要素だが、普天間返還を実現したい。日米が到達した結論が最善の方法だと確信している(本日付沖縄タイムスより抜粋 クリックで同HMへ)」と述べ、現行の辺野古移設案を推進する考えを示した。
森本氏は保守派の論客としてマスコミの露出度は極めて高い。これまでにも海兵隊は必ずしも沖縄に居る必要はないとか、海兵隊抑止論を否定したりとか、民主党政権には批判的な姿勢を示していたと感じていただけに、今回の起用は意外だ。
報道では「自衛官のせがれ」を自称する首相が、防衛大卒の同氏に親近感を持った可能性もある、と指摘する向きもあるが、親近感で国防を掌る防相を選ぶのもどうかと思うのだが。
これまでの2人の防相が「素人」との指摘に対する反省からか、今回の肝いりの人事となったのだろうか。今回の森本氏の防相起用は意図不明だ。
この選任に対する沖縄の反応は、当然に厳しい。沖縄の民意を理解することなしに、普天間問題の解決を図ることはできない。
内閣改造を受けての街頭インタビューの中で「沖縄に来て、米軍機の爆音の実態を体験してから沖縄の基地問題に対処してもらいたい」との声があった。正に沖縄の声である。