沖縄県、山口県及び岩国市へのオスプ配備の説明を終え、帰京した森本防相の記者会見が7月6日に行われた。大臣会見概要は防衛省HMに掲載されている(クリックで同HMへ)。末尾は同概要からの抜粋である。

 森本防相は、地元のオスプ配備反対の声を「重く受け止める」としながらも、オスプ配備は「予定どおり運行計画が進む」と発言し、オスプ反対の地元の声に一向に耳を傾けようとはせず、責任逃れの発言に終始している。

 また、米国には2件の事故調査の報告を強く求め、さらに安全性について「アメリカが単に飛行の安全性を確認するだけではなく、日本としてどのような措置をもって、我が方として独自に飛行の安全性を確認」する手立てを検討していると述べながらも、「安全性を確認」する具体的方法を問われると「主管ではありませんので、細かくは知りません。」と逃げの発言に終始している。恐らくは合同委員会を開催するにしても外務省が窓口になって米国と交渉するという趣旨なのだろうが、玄葉外相のこれまでの米国への低姿勢ぶりからすれば、ほとんど期待はできない。日本政府が「独自に飛行の安全性を確認」するとは言っても、どこまで独自性を発揮できるのか、全く期待できない。

 防相は、「あらゆるシステムというのは、そのような人間の科学技術を乗り越えようとして、試行錯誤を繰り返して、完成に近づいていく」とも発言している。一般論としてはその通りである。しかし、今回のオスプレイ配備は、墜落事故を繰り返している機材が我々の上空を昼夜深夜未明の別なく飛び交い、爆音と共に墜落の危険をも甘受せよということに他ならない。オスプのシステム開発のために我々の生命財産を捧げろというのか。

 来沖前に、森本防相自らが吐露した「(オスプレイの安全性に確信を持ってもらうことは)私が一国民の立場になってみてもそれは無理だ。」の言葉がすべてを語っている。

 8月5日のオスプレイ配備阻止県民大会では、全県民が結集し、体を張ってでも配備を阻止するといの沖繩の民意を示さなければならない。

 大臣会見概要

Q:オスプレイの配備の関係・・、先週末、沖縄県、山口県を訪問・・、・・今週、民主党や自民党の幹部からも、「より地元に配慮した対応を求める」という声が出・・、・・こうした主要政党の声をどのように受け止めて、どのように対応していく・・か、・・。

A:・・、沖縄及び山口県、岩国市を含めて訪問し、・・地元には大変ご心配だとか懸念というのがあるということを、身をもって感じ・・た。総理、官房長官にも報告・・し、政府としては、このことを大変重く受け止めております。現在アメリカが、2つの事故について事故調査を進めていると承知しますが、・・今月下旬には岩国に陸揚げするという予定について、・・予定どおり運行計画が進むものと考えています。その後は、お話をしているとおり、「2つの事故の事故調査結果が日本側に通報され、飛行の安全が確認されるまでは、飛行運用をしない」ということについては、日米間で約束をして、この約束をアメリカ側がきちんと守ると・・。このことに現時点で変更はありません。

・・・

Q:・・大臣ご自身が今後国会答弁で、沖縄の理解を得るためにどのような姿勢で答弁に臨まれるかということをお願いします。

A・・地元にも反対もあるし、ご心配もあるということは、私たちを通して受け止め、どのようにすれば我々として、アメリカ側の装備の変更というものを説明できるのか・・考え、今のところは2つのことを考えています。ひとつは、2つの事故についての調査報告書をできるだけ早期に日本側に通報すること、並びにその際、事故調査の報告の中には、同種の事故の再発を防止する措置が含まれていること・・を、アメリカ側に強く申し入れ、要求もしています。これが第一です。第二は、他方において、飛行の安全性・・は、アメリカが単に飛行の安全性を確認するだけではなく、日本としてどのような措置をもって、我が方として独自に飛行の安全性を確認し、これを国民の皆様に説明できるのかということについては、いろいろな考え方、いろいろな措置、いろいろなアプローチがあり得るのだろうと思います。今、まだそれを検討しているところ・・、これはおそらく政府全体として取り組むということになり・・、防衛省だけでできるとは限らないので、関係省庁と共有しながら、どのようにすれば飛行の安全を日本として確認できるかというための措置について、現在鋭意検討しているところです。

・・

Q:先ほどの安全性の確認、「米側が確認するだけではなく、日本でもいろいろなアプローチ、考え方の措置」と仰っていたのですが、この件に関して、日米の合同委員会の設置についてはどうお考えですか。・・

A:・・安全性の確認というのは、我が国政府として取り組むと申し上げ、防衛省だけで確認するということではなく、関係省庁とも協議をしてこの問題を進めたいと申し上げた理由は、つまり防衛省だけではなくて、もちろん外務省その他の省庁、内閣府も含めて、全体として日本政府として安全性を確認し、国民に説明する手段を執りたいと思って検討しているわけです。今のご指摘の点も、その検討の一つのオプションと考えていただければよいと思います。

Q:すでに米側にはそういったオプションの一つを。

A:私は防衛省なので、これの主管ではありませんので、細かくは知りません。かつて私が外務省のときに、米軍事故があったときに、当時はこういうアメリカの事故、今回の事故のように日本の国外で起こった事故ではなく、日本の国内で起こった事故の事故調査委員会のメンバーに入っていたことはありますが、これは今回のとは少し違って、直接、日米地位協定に基づいて、在日米軍機が日本の領域の中で起こした場合の事故調査委員会で、今回は性格が全く違うと思いますが、いろいろな考え方があり、いろいろな措置を検討しているということは申し上げてよいと思います。繰り返しになりますが、主管の官庁でもありませんので、細かく承知しておりません。

Q:沖縄県では現在、県民大会を開催するのを決定しているのですが、・・2年前から沖縄県ではオスプレイの配備について、様々な質問や疑問を政府に投げかけてきた・・が、・・誠意をもって応えてこなかった・・ことが、現在のこういった信頼を失う関係になってきたと思っているのですが、今回8月には全県的な大会も開かれることについて、大臣として今どのように思われているかご所感をお願いします。

A:どういうタイミングで、どこの主催で、どのような大会が行われているか、私はまだ報告を受けていませんけれども、いずれにしても県民の方々がそのような大会を経て、県民としてのご意見を集約されると言いますか、皆様でご意見を出されるということは、これは県民の皆様が自主的におやりになることであり、その内容については、政府として真摯に受け止めようと考えています。

・・

Q:オスプレイに関して、大臣は・・最近は、「ヘリと飛行機の揚力を一つの羽の上で機能させるという意味で画期的だ」というご主旨で発言されている・・、この点について、・・技術的に2つの揚力を一つの羽で機能させるということが技術的に確立されているというようにお感じになられているか、そう考えるか。それと運用面で問題点があるとお感じになられているか。この認識をご専門ということを踏まえて、お話をお聞かせ下さい。

A:・・画期的だと申し上げたのは、・・実際のシステムとして世界の中で初めてアメリカが実用機の中で成功したという意味・・。たくさん他の国がやっていてアメリカがやったというのではなく、アメリカが最初にこの技術を実際のシステムの中に実現しようとして、開発を繰り返して、実用試験を行い、実際に量産をするという決定のところまでいった。この技術革新が画期的だという意味で画期的だと申し上げた・・。運用の面ではどうかということですけれども、そのような画期的なシステムなので、開発の途上でいくつもの困難に直面したと言えると思います。あらゆるシステムというのは、そのような人間の科学技術を乗り越えようとして、試行錯誤を繰り返して、完成に近づいていくということを人間はやってきたわけで、何もこの航空機だけではなく、これは我々日常生活の中であらゆるものに見ることができます。・・私はオスプレイという飛行機の開発は、アメリカの中できちんと開発が行われ、実用試験も行われ、量産に踏み切った時点で開発そのもののプロセスが終わっていると考えています。それでは何で事故が起こるのかということが当然そこで問として出てくると思いますが、実際にシステムそのものに、例えば油圧のラインだとかいろいろなマイナーな問題で、その後に事故があったことは、それは確かだと思います。しかし、今年起きた2つの事故は、少なくても事故があった直後から、引き続き運用されているということなので、この航空機のシステムそのものに、機械的なというか、システムとして開発途上に考えていたような根本的な欠陥がないという結論に至っているのではないかと考えているわけです。

・・、少なくとも設計上の根本的なミスによって今回の2つの事故が起きたのではないということについては、アメリカが説明しているとおりなのではないかと思いますし、そのような結果が、いずれアメリカで事故報告の中に示されるのではないかと、私は推定しているわけです。・・。

Q:今月2日付で広島県知事から防衛大臣に宛てて、「オスプレイの安全性が確認されない中で、政府が先行搬入に向けて手続を進めることに反対」ということで、岩国の先行搬入を当面中止するようにという要請文が出ているのですけれども、これについて、県境を越えて広島県知事からこういう意見が出ていることについてどう受け止められるかということと、今後どう対応されるか、お考えをお聞かせ下さい。

A:文書はまだ受け取っていません。・・県知事から、恐らく要望書をお持ちの上、要望においでになるのだろうと・・。・・できるだけ直接お会いして、県知事の要望を受け止めたいと考えております。

・・

Q:・・1か月、大臣就任から経ちましたけれども、1か月振り返られて率直な御感想を一言だけ。

A:1か月ちょうど経って、やはり、防衛大臣というのは自衛隊法にいう自衛隊の隊務を統括するという任務であると書いていますが、しかし隊務を統括するためには、例えば今、オスプレイのように、これは自衛隊の装備でもないし、我々の基地の中に持ってくるわけではないのですが、しかし、日米安全保障体制を万全の状態にして、在日米軍の抑止力をきちんと持たせるというためには、どうしても防衛大臣が汗をかかなければならない重要な仕事の一つで、国会であれ地方の方々のいろいろな声を聞くという仕事であれ、そのようないわば、どちらかというと内政上の仕事が、自衛隊を統括するための仕事としてついて回り、その比重が非常に大きいのかなということを、この1か月を通してつくづく痛感したということでございます。

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