9月14日にエネルギー・環境会議で決定、発表された「革新的・エネルギー・環境戦略」は脱原発を宣言した。その内容は第一の柱「原発に依存しない社会の一日も早い実現」、第二の柱「グリーンエネルギー革命の実現」、第三の柱「エネルギーの安定供給」を掲げ、脱原発を目指すとした。

 ところが9月19日閣議決定は、「革新的・エネルギー・環境戦略」について、以下のとおり決定した。

 今後のエネル ギー・環境政策については、「革新的エネルギー・環境戦略」(平成 24 年9月14日)を踏まえて、関係自治体や国際社会等と責任ある議論を行い、国民の理解を得つつ、柔軟性を持って不断の検証と見直しを行いながら遂行する。

 エネルギー・環境会議は昨年10月28日に設置されたが、その構成は議長は国家戦略担当大臣、副議長に経産大臣及び環境大臣、構成員に外務大臣、文科大臣、農水大臣、国交大臣等が加わっている。閣議構成員が参加して決定した内容が閣議決定されなかったの前代未聞ではないか。

 脱原発のエネルギー・環境会議決定の発表後、「ドイツのメルケル首相は17日の記者会見で、日本政府が「2030年代に原発稼働ゼロを可能とする」との新エネルギー戦略を決めたことについて、脱原発実現に向け「協力を強化し、経験を共有していきたい」と述べた。(9.17付け産経ニュース)」。海外からの賞賛の声に反して、国内では経済界から反発の声が上がった。今回の閣議決定はその影響だろうか。それともさらに外圧があったのだろうか。

 ドイツの脱原発を決定付けたメルケル首相諮問の「倫理委員会〜安全なエネルギー供給報告書」には福島原発事故について、「日本の様な高度なハイテク国家」においても無力であったと結論付け次のように記載されている。以下は同報告書からの抜粋である。 

4.1.リスク及びリスク認識

・・核エネルギーのリスクは、フクシマよって変わったわけではないが、だがリスク認識が変わったのである。・・大事故によるリスクは、仮想上だけにあるものではなく、・・具体的に起きるものだという事を自覚させた・・。これにより社会の(原発は危険という)かかる重要な部分の認識が、リスクの現実性となった・・。かかる現実の認識となったことにとって重要な事は以下の3点である。 

第1点は、日本の様な高度なハイテク国家においても原子炉事故が起きたことである。こうした事実を前にして、かかる大事故はドイツにおいて起こらないであろうとの確信が揺らいできたことである。こうした事は、今回のような大事故にも、また事故をどう収拾させるかということで、全く無力であった事にも該当しよう。
第2点は、事後が発生してから数週間経っても災害の終結の見通しもたてられず、その最終的な被害額の算定、或いは明確な放射線汚染地域からの避難、撤退といったこともなされなかったことである。これまでの広く行き渡っていた考え方、即ち、それは大規模な事故の、そうした損害度合いは、充分に把握、規定でき得るし、その被害も限定できるとし、かつ科学的な情報に裏付けられた討議・検討過程において、(核エネルギーの有利さは)他のエネルギー源の不利益さと比較し得るとの考え方であったが、その説得力を大幅に失った。
第3点は、かかる大事故が原子炉を安全な見通しを持たずして“設計”されたという過程を経ての大事故である、という事実である。かかる事態は、技術的なリスク評価の限界を明示している。フクシマにおける災害によって、これまでの判断は特定した思い込み、例えば地震安全対策や津波の最高の高さなどに関して、かかる思い込みが現実によって誤っている事が証明されたのである。

 「革新的・エネルギー・環境戦略」発表後の政府の対応は迷走している。枝野経産大臣は同戦略の3原則の一つである「原発の新設・増設は行わない」に反して、「枝野経産相、原発の新増設の可能性を示唆(21日付読売新聞)」と報道されている。

 日本の取るべき途は「脱原発」しかない。決められない政治からの脱局を目指しとした野田首相、国民の民意は、「脱原発」に揺るぎない姿勢を示せ、ということだ。

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