CV22オスプレイの嘉手納基地への配備計画が明らかになった。
発端は米国防総省のドンりー米空軍長官の記者会見だ。同米空軍長官は、CV22オスプレイの日本・沖縄への配備計画があると明言した。これについては、訪米中の又吉知事公室長が国防総省のジョンストン北東アジア部長と会談の際、ジョンストン氏が「アジアへの配備を検討しているが、まだ決定していない」と述べたが、又吉氏は「絶対に容認できない」と話した。
国防総省はドンりー氏の会見後「アジア太平洋地域へのCV22の配備は数年先で、配備受け入れのための建設も始まっていない。決定した計画はなく、日本政府にもCV22について伝達していない」と同氏の発言を修正した。
この報道に対して、小野寺防相は11日の記者会見で次にように述べた。以下は防衛省HM大臣会見概要(平成25年1月11日)(クリックで同HMへ)からの抜粋である。
・・ Q:一部報道でCV-22オスプレイが嘉手納基地に2年後に配備・・と、それをアメリカ政府から日本政府のほうに伝えているという情報もあるのですが、・・ A:私は聞いておりません。そういう報道があるのは分かりますが、私自身は聞いておりません。もう一つ言わせていただくと、今、オスプレイの配備をめぐって沖縄の皆さんに大変ご心配をおかけしているこのような状況の中で、さらに今度嘉手納というお話が報道に出ておりますが、私自身としては、いかがなものかなという気持ちは持っております。ただまだ何もそういう話は来ておりませんので、知らないということに尽きるのだと思います。 Q:米政府から・・アジア戦略上必要な装備品だと・・、日本政府に話あった場合、今の沖縄の現状からして難しいと・・お話しするお考えなのですか。 A:私としては、沖縄の皆さんの気持ちをよく考えて、対応していただきたいということは、その仮定でありますが、お話はしたいと思っています。あくまでも仮定の話で。ないですからこの話は。 |
小野寺防相はあくまでも知らぬ存ぜぬの対応に終始している。
「私自身としては、いかがなものかなという気持ち」と述べながらも、「ただまだ何もそういう話は来ておりませんので、知らないということに尽きる」としている。さらに「沖縄の皆さんの気持ちをよく考えて、対応していただきたいということは・・、お話はしたいと思っています。」とあくまでも米国にお願する立場を強調している。
MV22オスプレイの普天間配備に際し、野田前首相は「配備計画の問題であり、こちらからどうこう言えるものではない」と述べ、当初から配備ありきの姿勢に終始していたのに比べれば、沖縄に配慮した姿勢も伺われる。しかし、結論としてはあくまでも米国にお願する立場を示しているに過ぎず、米国防総省の示す数年後の配備計画を阻止する姿勢は示していない。
米国防総省の示すように。配備は数年先で、受け入れのための建設も始まっておらず、決定した計画はなく、日本政府にもCV22について伝達されていない、のであれば現時点においてその計画の芽を叩き潰す、二度とその芽が萌芽しないように根絶させなければならない。當山嘉手納町長の「配備可能性を芽のうちにつぶしたい」との決意は正にこのことを指している。
普天間飛行場の即時撤去、同飛行場配備のMVオスプレイ撤去、辺野古新基地建設阻止、高江ヘリパッド建設阻止そしてCV22オスプレイの嘉手納基地配備阻止等。沖縄の基地を巡る問題は何一つ解決されぬままに新たな問題が増えていく。
日米両政府による沖縄の差別的扱いが指摘され、その改善が求められてきた。しかし、その差別はさらに拡大・増強され、解決の糸口どころか、ますます酷く醜くなるばかりだ。もはや差別的ではなく、明らかな差別となっている。
この差別を子や孫の将来の世代に引き継ぐわけにはいかない。
どんなことをしてでも、この差別の流れを止めなければならない。