憲法違反の恐れも、大義なき安倍の未苦守(未成熟な、苦し紛れの、守りのための)解散
2012年12月の衆議院選挙の無効を争った裁判で、昨年11月、最高裁は一票の格差は「違憲状態」であると判決をくだした。これを受けて国会は「0増5減」を決めたが、NHKの試算によれば、一票の格差は2倍を超える格差があるという。つまり、「違憲状態」が解消されないままに、衆議院選挙が実施されようとしている。報道によれば、東京の弁護士グループは選挙実施後に違憲訴訟を提起するという。
選挙無効の裁判は2審制となっているが、最高裁判決の前に高等裁判所が判断する。昨年3月に出された16高裁・高裁支部の判決のうち、「違憲」判断を下した高裁・高裁支部は14、「違憲状態」としたのは2支部だった。
「違憲」判断を下した裁判所のうち、広島高裁及び広島高裁松江支部は「選挙無効」の判断を下している。しかも「選挙無効」の判断理由の中で、「最高裁判所の違憲審査権も軽視されていると言わざるを得ない。(広島高裁)」「司法の判断に対する甚だしい軽視というほかない(同松江支部)」と国会の怠慢を厳しく指摘している。
このような司法判断が是正されないままに実施される衆議院選挙は違憲・選挙無効の厳しい判断が下される可能性がある。
【参考】 2013:3:27 1票の格差訴訟②〜広島高裁、広島高裁松江支部で選挙無効判決要旨から〜
NHK NWESWEB 2014.11.27より転載 去年7月の参議院選挙で、選挙区ごとの1票の価値の格差について、最高裁判所大法廷は「憲法に違反する不平等な状態だ」という判決を言い渡しました。 衆議院選挙は、おととし行われた前回の選挙で、1票の価値に最大で2.43倍の格差があり、去年、最高裁から「憲法違反の状態」と判断されました。 |