昨日9月10日放映された「スクープドキュメント 沖縄と核(NHKスペシャル)」には衝撃を受けた。
同番組から明らかになった事実を拾ってみた。
①銃剣とブルドーザーによる伊江島飛行場建設は核兵器攻撃訓練場建設のためだったこと。
②沖縄は米軍の核戦略の拠点だったこと。核兵器の大半は嘉手納弾薬庫に貯蔵されていた。
③在沖米軍の7割を占める海兵隊の任務も核兵器への対応であったこと。
④沖縄は極東で最も核兵器が集中する拠点であったこと。したがってソビエト連邦(現ロシア)の爆撃機が10メガトン(広島型原爆の約700倍)の核攻撃をしかけてくる可能性があったこと。
⑤②の核兵器を守るために配備されたのが、迎撃用ミサイルハーキュリーズ。核によって核を守る体制ができ軍事基地が拡大された。誤発射事故も発生。
⑥1960年安保条約締結の際、日本国内への核持ち込みについては事前協議が行われることになったが、沖縄は事前協議の対象外とした。さらに沖縄の基地については日本政府は関与しないとし、沖縄への核持ち込みを黙認した。沖縄に持ち込まれた核兵器数は1300発。
⑦核兵器メースBの沖縄配備。琉球政府の立法院議員は配備阻止を日本政府に訴えた。ところが、日本政府はまともに日米交渉していなかった。
(番組で紹介された交渉議事録) 小坂善太郎外務大臣 −沖縄にメースなどの武器を持ち込まれる際、事前に一々発表されるため議論が起きているが、これを事前には発表しないことはできないか。 ラスク国務長官 −アメリカの手続きとして何らかの発表を行うことは必要と思われる。 小坂外務大臣 −事後に判明する場合には、今さら騒いでも仕方がないということで、議論は割合に起きない。事前に発表されると、なぜ止めないかといって、日本政府が責められる結果となる。 |
⑧沖縄の本土復帰(1972年)を前にした佐藤・ニクソン間で以下の秘密協定が結ばれた。
「緊急時には再び沖縄に核兵器を持ち込む」 「嘉手納、那覇、辺野古の核弾薬庫を使用可能な状態で維持しておく」 |
⑨本土復帰から45年の現在、沖縄の核はどうなっているのか。
米国防総省の回答 −沖縄における核兵器の有無は回答しない。 日本外務省 −”核密約”は現在無効。非核三原則を堅持し、いかなる場合も持ち込みを拒否する。 |
現日本政府は、「いかなる場合も持ち込みを拒否する」と威勢はいいが、米国は「沖縄における核兵器の有無は回答しない」のだから、日本政府は調べようもない。オスプレイ等事故と同様、米軍に追従するに違いない。
このまま、沖縄は日本政府についていくだけでいいのか?
沖縄は自力救済の道を模索し、行動しなければならない。