第三次嘉手納基地爆音差止訴訟原告団嘉手納支部は、今年8月の要請に続き、昨日11月21日當山宏嘉手納町長に対し、嘉手納基地の機能強化に反対等を求める町民大会の開催を求める要請を行いました。
當山町長は、8月の要請の際には海軍駐機場問題に特化して「時期尚早」と回答したが、海軍駐機場問題については国も問題意識を持っており、現在も交渉中で、その点について認識の変更はないとした。F35A配備後の爆音の状況については問題だとしながらも、関係機関への要請などを行っており、「町民大会の開催については総合的に判断する」とした。
要請に参加した嘉手納爆音嘉手納支部のメンバーは、町長はやる気がない、との思いを持った。
嘉手納町民の爆音被害、基地被害の状況は悪化し続けている。この認識は一致しているのにもかかわらず、町民大会の開催をという町民の思いを受け止められない當山町長の姿勢には落胆した。
今回の要請が、原告団の各種集会での原告の声を受けてのもであること、基地行政について當山町長を後押しするものであること等を指摘しても、発言には変わりはなかった。
嘉手納町においても、町政の力をあてにすることなく、住民は自力救済の途を模索する必要がある。



當山宏嘉手納町長とのやり取りの要旨はつぎのとおり
−8月の要請の際には、町民大会は時期尚早とのことだったが、現在は。 前回は海軍駐機場問題に特化して回答した。sacc合意から20年が経過し、やっと屋良地区住民が昼夜を問わない爆音から解放されたのに、旧海軍駐機場を再使用するというのは絶対に認められない。その思いは、防衛省要請の際に防衛副大臣から「海軍駐機場の騒音はゼロでなければならない」と発言があったように国も同様と認識している。現在も交渉中と認識しており、その部分については見解の変更はない。 −要請書記載の沖縄の現状を受けての見解は。 F35Aの6カ月配備による爆音の激化は測定データからも明らかだ。町当局、議会、三連協等の関係機関への抗議要請を行っている。その状況を見ながら町民大会の開催については総合的に判断していきたい。 −総合的判断の中身は何か。 町民感情はもちろん、行政を預かる者としての判断もある。 −爆音による学校現場の授業中断の被害も出ているようだが。 嘉手納高校についてはその報告があったようだ。爆音発生時に窓を開けていたことがあったようだが、クーラーの使用については冬場でも認められているとのことで窓を閉めてクーラーを使うことで対応可能とのことだ。町内小中学校については、町教育委員会では確認していないとのことだった。 −教育委員会に対して町内小中学校での爆音被害について確認していただきたい。 確認する。 |
【要請書の内容は以下のとおり】
嘉手納町長 當山宏 様 2017年11月21日 嘉手納基地へのF35×12機、F18×8機の配備に抗議し、同機の撤去を求め、旧海軍駐機場使用を含むすべての嘉手納基地の機能強化に反対し、合意違反のパラシュート降下訓練・演習等の中止を求める町民大会、の開催を求める緊急要請書 第三次嘉手納基地爆音差止訴訟原告団 嘉手納支部長 福 地 勉 貴職におかれましては、平素から、嘉手納基地被害の除去に向けてご尽力されていることに敬意を表します。さて今年8月当嘉手納支部から町民大会の開催を要請いたしました。そのさい、町長からは政府や当局の動きをみたいとのことで時期尚早とご回答されました。 ところが要請後の嘉手納町及び沖縄の状況は更に酷く正に米国の植民地です。 9月27日には、嘉手納飛行場において、私たち嘉手納町住民の反対を無視してパラシュート降下訓練が強行されました。4月,5月,6月(中止)に続き今年4回目となります。海軍駐機場問題も棚上げされたままです。 さらに外来機の飛来も後をたちません。激化する爆音に加えて、今月11月にはF35A 12機の6カ月間配備、加えてF18も飛来し、連日凄まじい爆音と排気ガスを撒き散らし、とりわけ早朝6時過ぎからの100db超の爆音は、嘉手納町民の生活環境を破壊し、生命をも脅かしています。 嘉手納基地周辺の小中高の学校現場では、訓練初日から爆音により授業が中断されています。連日の爆音禍の中、子どもたちへの影響は計り知れません。子どもたちの学習環境保全は私たち大人の責任です。 8月5日の豪沖での普天間基地所属オスプレイ墜落後も何事もなかったかのように訓練が再開され、翌9月には大分空港、新石垣空港に緊急着陸する事態が発生。オスプレイの事故率は3.27倍。危険機材オスプレイの実態があらためて明らかになったにもかかわらず、今日も私たちの上空を飛び交っています。 さらに、10月11日には東村高江民間牧草地にCH53大型ヘリが不時着炎上しました。その後の国の対応もお粗末極まりない。県警による事故処理はおろか、米軍は現場のトラック5台分もの土砂を地主の許可なく強奪する状況についても黙って見ているしかありませんでした。CH53大型ヘリは日常的に嘉手納町住民地域上空を飛び交い、町民を不安に陥れています。 以上の観点から、嘉手納基地被害除去に向けて貴職及び町当局が一体となった町民大会を開催するよう重ねて強く要請いたします。爆音差止訴訟原告団としても今の状況を断じて許す事は出来ません、共に頑張りましょう。 |