2018年4月27日板門店で行われた、韓国文在寅(ムンジェイン)大統領と朝鮮民主主義人民共和国の金正恩(キムジョンウン)国務委員長の首脳会談。その際に発せれらた板門店宣言は、1)南北の統一を実現するために、2)南北の軍事的緊張状態を緩和し、3)朝鮮半島の恒久的平和体制の構築を図ることを約束した(項目ごとに以下のようにまとめた)。
正に歴史的瞬間だ。気の早い話だが、今年度のノーベル平和賞について『英国の「3大ブックメーカー」のひとつ、コーラルではウェブ上で、2018年のノーベル平和賞を予想する賭けを実施している。日本時間28日15時現在、その1番人気となっているのが、「金正恩氏と文在寅氏」で、オッズはなんと1.7倍(4/6)、ガチガチの大本命だ。(2018/4/28付Jcastニュースより)』とされている。
北朝鮮からの亡命兵士が撃たれ、瀕死の状態で韓国の病院に保護された事件が起こったのと同じ場所、板門店での歴史的会談だ。不安はあるものの、朝鮮半島の平和実現への期待が高まる。
さて、在沖米軍の存在意義は、朝鮮半島有事への対応である、と言われてきた。したがって、朝鮮半島が平和になれば在沖米軍の存在意義は失われる。沖縄の悲願である在沖米軍の撤退、米軍基地の全面返還が実現することになる。
ところで、朝鮮半島の平和構築に向けた工程を進めていく面々について、今会談で指名されたのは韓国、北朝鮮に加え、米国、中国である。日本は蚊帳の外に置かれた。したがって、日本の意向に関係なく、在沖米軍の撤退が進められる可能性もある。
沖縄は在沖米軍の撤退の声を、これまで以上に挙げるべきだ。地域での抗議行動はもちろん、辺野古新基地建設阻止に向けた訴訟の提起、爆音訴訟等、できる限りの手段を駆使していくべきだ。
行政にも、司法にも見放された沖縄は、今できる限りの自力救済の途を模索しなければならない。
1)南北の統一 ①民族の運命は我々自らが決定するという民族自主の原則を確認。既に採択された南北宣言と全ての合意を徹底的に履行することで、関係改善と発展の転換的局面を開いていく ②高位級会談を始めとする各分野の対話・交渉を開催 ③民間交流と協力を円満に保障するため南北共同連絡事務所を開城(ケソン)地域に設置 ④各界各層の多方面での協力と交流・往来と接触を活性化。各界各層が参加する民族共同行事を積極推進。2018年アジア競技大会等の国際競技などに共同で参加。民族の知恵と才能、団結した姿を全世界に誇示 ⑤民族分断で発生した人道的問題の至急解決。南北赤十字会談の開催、離散家族、親戚の対面を始めとする諸般の問題などを協議・解決。当面、来たる8月15日を契機に離散家族、親戚の対面を進める。 ⑥民族経済の均衡ある発展と共同繁栄を成し遂げるため、10・4宣言で合意された事業を積極的に推進し、一次的に東海線及び京義線の鉄道と道路を連結し、現代化し、活用するため、実践的な対策などをとる 2)南北の軍事的緊張状態の緩和 ①地上と海上、空中を始めとする全ての空間での一切の敵対行為を全面中止。当面、5月1日から軍事境界線一帯で、拡声機放送(軍事宣伝)とビラ散布を始めとする全ての敵対行為などを中止し、その手段を撤廃し、今後、非武装地帯を実質的な平和地帯にしていく。 ②西海(黄海)の北方限界線一帯を平和水域とし、偶発的な軍事的衝突を防止し、安全な漁業活動を保障するため、実際的な対策を立てる ③相互協力と交流、往来と接触が活性化されることによる様々な軍事的な保障対策をとる。双方の間に提起される軍事的問題を遅滞なく協議、解決するため国防部長官(国防相)会談を始めとする軍事当局者会談を頻繁に開催し、5月中にまず、将官級軍事会談を開く。 3)朝鮮半島の恒久的平和体制の構築 ①いかなる形態の武力も、お互いに使用しないとする不可侵合意を再確認し、厳格に順守していく ②軍事的緊張が解消され、お互いの軍事的信頼が実質的に構築されるのに従い、段階的に軍縮を実現 ③休戦協定締結65年になる今年に終戦を宣言し、休戦協定を平和協定に転換し、恒久的で強固な平和体制構築のため南・北・米3者または南・北・米・中4者会談の開催を積極的に推進 ④南と北は完全な非核化を通じて、核のない朝鮮半島を実現するという共同の目標を確認。南と北は北側の主導的な措置が朝鮮半島の非核化のために、非常に意義があり、重大なものであるという認識をともにし、今後、それぞれ自らの責任と役割を全て果たす。南と北は朝鮮半島の非核化のための国際社会の支持と協力のために積極的に努力する。 両首脳は定期的な会談と直通電話を通じ、民族の重大事項を随時、真摯(しんし)に論議し、信頼を堅固にし、南北関係の持続的な発展と朝鮮半島の平和と繁栄、統一に向けた良い流れをさらに拡大していくために、共に努力する。 |