先月16日、福岡高裁那覇支部は、第2次普天間基地爆音差止訴訟控訴審判決において、普天間飛行場の爆音について「・・・本件飛行場(普天間飛行場)における合衆国軍隊の活動は、その周辺住民という一部少数者に各種の軽視することのできな被害を及ぼしている。そうすると、国民全体が利益を受ける一方で、第1審原告らを含む一部少数者に特別の犠牲が強いられていると言わざるを得ず、ここには看過することのできない不公平が存する」と指摘した。
この指摘は第三次嘉手納基地爆音差止訴訟でも同様だ。2017年2月23日、第三次嘉手納基地爆音差止訴訟第1審判決(那覇地裁沖縄支部)は「 ・・・日本の防衛政策及び外交政策上の利益は,国民全体が等しく享受するものである一方で, 本件飛行場(嘉手納飛行場)における合衆国軍隊の活動は,その周辺住民という一部少数者に各種の軽視することのできない被害を及ぼしている。そうすると,国民全体が利益を受ける一方で,原告らを含む一部少数者に特別の犠牲が強いられているといわざるを得ず, ここには,看過することのできない不公平が存すると指摘した(なお、第三次嘉手納基地爆音差止訴訟控訴審判決は2019年9月11日に言い渡される)。
沖縄の中心部に位置する嘉手納・普天間両飛行場の爆音は「看過することのできない不公平」をもたらしている深刻な被害だというこになる。
ところで、嘉手納・普天間両飛行場の距離はどれくらいがご存知だろうか。その距離10㎞弱。目と鼻の先である。以下の写真をみていただきたい。
両基地周辺住民は、連日爆音被害に見舞われ、排気ガス被害に曝されているのである。この状況を裁判所は「看過することのできない不公平が存する」と指摘したのである。
これらの被害実態を放置する政府の姿勢は憲法の基本原則である、基本的人権尊重、法の下の平等にも反すると言わなければならない。
政府はこの状況を改善する義務を負い、国会も同様である。
ところが、このような状況下においても、沖縄の基地反対の民意を無視して、政府は辺野古に新たな基地を作ろうと目論見、さらには与那国、石垣、宮古島に新たな自衛隊基地を配備しようとしている。
黙って見過ごすわけにはいかない。沖縄は、自力救済の途を模索すると同時に、沖縄の声を挙げなければならない。