5月19日に掲載した嘉手納基地の騒音被害の実態(平成22年4月沖縄防衛局測定資料から)では、爆音被害の現状について示したが、今回は、年度毎の推移を示したい。基本資料は嘉手納町役場基地渉外課騒音測定資料である。
1 航空機騒音発生回数の推移
(1)嘉手納地域
種別 /年度 | H5 | H10 | H15 | H18 | H19 | H20 | H21 |
年間発生回数 | 19,069 | 20,393 | 23,463 | 21,315 | 18,786 | 23,074 | 25,170 |
1日平均発生回数 | 55 | 56 | 66 | 60 | 53 | 65 | 70 |
年平均WECPNL | 76.3 | 75.7 | 77.5 | 77.8 | 76.4 | 77.5 | 78.3 |
年間最高値(dB) | 107 | 101.9 | 101.7 | 102.9 | 103.3 | 100.7 | 101.5 |
(2)屋良地域(滑走路進入路地域/道の駅かでながあるところ)
種別 /年度 | H12 | H15 | H18 | H19 | H20 | H21 | |
年間発生回数 | 34,153 | 41,425 | 38,731 | 32,549 | 39,357 | 39,785 | |
1日平均発生回数 | 98 | 116 | 109 | 91 | 110 | 113 | |
年平均WECPNL | 81.2 | 83.8 | 84.4 | 81.4 | 82.3 | 83.1 | |
年間最高値(dB) | 104.9 | 107.4 | 107.0 | 105.7 | 106.7 | 108.0 |
(3)兼久地域(西海岸埋立地域/国道58号線沿)
種別 /年度 | H10 | H15 | H18 | H19 | H20 | H21 | |
年間発生回数 | 16,794 | 19,595 | 18,204 | 16,779 | 16,605 | 17,484 | |
1日平均発生回数 | 47 | 56 | 51 | 47 | 46 | 49 | |
年平均WECPNL | 73.8 | 75.1 | 75.2 | 73.4 | 73.1 | 74.2 | |
年間最高値(dB) | 101.0 | 101.0 | 101.3 | 102.5 | 99.9 | 102.5 |
過去10年間の騒音に関する資料である。嘉手納町では町内のどこにいても、嘉手納基地の爆音被害に晒されている。表に示されているとおりである。
WECPNLは国の定める航空機騒音に係る環境基準(詳細はこちらをクリック)である。専ら住居の用に供される地域では70以下、住居以外の地域であつて通常の生活を保全する必要がある地域では75以下となるように規定されている。
嘉手納町はすべてが住居用地域であり、国の環境基準を満たしている地域はない。それどころか屋良地域にあっては、年平均WECPNLが80を超えており、しかも、年間騒音最高値(dB)は、兼久地域平成20年度を除いて、100dBを越えている。国の騒音に係る環境基準(詳細はこちらをクリック)では主として住居の用に供される地域では昼間55dB以下、相当数の住居と併せて商業、工業等の用に供される地域でも昼間60dB以下とされている。健康被害等の発生も懸念される状況になっている。
100dB:列車が通過する時の高架下地下鉄車内、電車の駅 80dB(会話困難) :交差点、マーケット、国道 |
沖縄の民意が、何故あらたな基地建設を許さないのか、この状況を見ていただければ理解できるのでないだろか。