ビッグニュースである。普天間基地爆音訴訟控訴審判決について、国が上告を断念したのである。これにより飛行差し止めを求めて上告した一部の原告を除いて、判決が確定することになる。
控訴審判決では、これまで認められなかった低周波音による損害が認定され、賠償額が2倍に増額された。また、裁判所は、これまで「司法判断が3度も示されているのに、抜本的な対策を講じていない上、自ら定めた環境基準も達成していない」と、これまでの国の姿勢を厳しく非難している。
通常、国の主張が認められない場合、最高裁まで争って判断を求めるのが通例であるが、今回は上告を断念し、判決を受け入れた。
慰霊の日に行われた沖縄全戦没者追悼式では、菅首相は、あいさつの中であ沖縄に対して謝罪と感謝の言葉を述べたが、今回の上告断念もその延長線上にあるのだろう。
判決の中でも「危険な基地」と指摘された普天間飛行場。それを更に名護市辺野古に移設しようとしている。総理が沖縄への謝罪と感謝の言葉を述べ、国は普天間基地爆音訴訟の上告を断念し、しかも、地元は明確に基地の受入れを拒否しているのにである。
それでも、政府は辺野古への移設を強行しようとするのか。仲井真知事が表現するように「移設は極めて厳しい」のである。辺野古移設は断念すべきである。