来月の民主党代表選挙に小沢氏が出馬を決めた。これで、代表選は菅首相と小沢氏の一騎打ちとなる。
小沢氏の普天間飛行場移設問題についての発言は少ない。私が唯一記憶しているのは、幹事長時代の与党三党の幹事長会談での発言で、社民党の主張する県外・国外移転を党として鳩山首相に伝えるというものであった(当HMの2009:12:08 民主党の小沢幹事長が普天間飛行場移設問題について言及を参照)。
小沢氏の代表選出馬表明で、沖縄県内では辺野古移設見直しにつながるのではないかとの期待が広がっている。
菅氏は先の日米合意の踏襲を唱え、沖縄に対しては謝罪したのみで何ら説明責任を果たそうとせず、普天間問題は解決済みとの姿勢に終始している。普天間問題、ひいては沖縄の基地負担軽減の問題を、菅氏に解決を期待するのは困難である。
これに対して、小沢氏は、普天間問題に関して自らの考えを表明していない。唯一、幹事長時代の発言があるのみである。だからと言って、単純に小沢氏に期待することはできない。先の日米合意は小沢氏が幹事長時代の遺物であり、まったく関与していないとは言えないからである。
小沢氏に期待するのは、普天間問題を代表選の争点にすることである。自民党の重鎮たちが沖縄問題の解決に奔走した姿を思い出し、これ以上の負担を沖縄に求めることの是非を争点にすべきである。沖縄は、これ以上苦渋の決断をすることはないことを肝に銘じて、代表選に臨んでもらいたい。