普天間飛行場移設問題は、辺野古移設が不可能なった現状だが、報道に見る両国の動きに整合性が取れず、先行き不透明である。
今月13日に来沖した北沢防相は、現行案の2014年移設期限は撤回され、できるだけ早期の実現を図る、と述べた。移設工事については、滑走路はV字案とし、飛行経路も 楕円(6.17付琉球新報)を採用するという。滑走路のV字案、飛行経路の楕円、いずれも米国の要望を飲んだものとなっている。
一方、米国レビン上院軍事委員長は、普天間飛行場を嘉手納基地への統合案を求めている(5.13付沖縄タイムス:米上院委員長ら嘉手納統合を提言)。
沖縄の現状はどうか。普天間・嘉手納両基地の爆音は増加の一途をたどっている。しかも、飛行経路が広範囲に及んでいる。これまで、爆音被害を被っていなかった中城村・北中城村等までも爆音被害に見舞われている。更に、未亡人製造機とも揶揄されたオスプレイ配備計画。爆音被害、墜落等の事故被害、これ以上どこまで被害が拡大するのかさえも見通せない状況だ。加えて、嘉手納飛行場でのパラシュート降下訓練の強硬である。感情を逆なでする米軍の行為に対して住民の怒りは頂点に達している。去る12日には嘉手納統合案粉砕をめざす住民集会(場所:道の駅嘉手納)も開催された。
ここで重要なのは日本政府の立場である。東日本大震災による被災地支援のための多大な財政負担。加えて借金財政の立て直しは急務である。新飛行場建設の財政負担が不可能であること、そして、沖縄の基地負担の軽減、の双方を満たす解決方法は、普天間飛行場の県外・国外移設しかない。
日本政府が腹をくくって政策転換を図るまで、沖縄は沖縄の声を発信し続ける。