なんだこりゃ! 判断示さず、県と国に協議を促す?〜6月17日辺野古埋立に関する国地方係争処理委員会判断〜
翁長知事の埋立承認取消に対する、井上国交相からの取消是正指示の適否審査申出について、国地方係争処理委員会は「判断を示さない」と判断を出した。
判断について、小早川委員長は、6月17日の記者会見で次のように述べた(新聞報道等からの抜粋)。
「国と県が議論を深める共通の基盤づくりが不十分なまま、(是正指示を含む)一連の手続きが行われたことが紛争の本質的な要因。国と地方のあるべき姿から乖離している」 (適法か違法かを判断しても)「対立を適正に解決し、状況を改善する役に立たない」 「国と県は米軍普天間飛行場の返還という共通の目標の実現に向けて真摯(しんし)に協議し、双方がそれぞれ納得できる結果を導き出す努力することが問題解決に向けての最善の道である」 |
今年3月25日の記者会見。小早川委員長は実質審議に入ると宣言した。「(翁長知事の)審査申し出が適法な申し出であることを前提とし、国交相の是正指示が違法かどうかの審査手続きに入ることにした 」と表明したのだ。その言に従えば、当然に井上国交相の是正指示の是非に対する判断が下されるべきである。それが判断回避となったのは、極めて残念であり、裏切られたとしかいいようがない。今後、国地方係争処理委員会の存在意義が問われなければならない。
(03/25)国地方係争処理委員会の小早川委員長、国交相の是正指示が違法かどうかについて実質審理に入る〜同委員会初会合後記者会見より〜参照
報道ベースで見る限り、その判断は福岡高裁那覇支部の和解勧告内容を前提としているかのようだ。和解勧告文において、高裁支部は次のように指摘した。
今後も裁判で争うとすると、仮に本件訴訟で国が勝っ・・ても、・・今後、埋立承認の撤回・・、設計変更に伴う変更承認が必要にな・・ることが予想され、延々と法廷闘争が続く可能性があり、それでも勝ち続ける保証はない。むしろ、後者については、知事の広範な裁量が認められ敗訴するリスクは高い。仮に国が勝ち続けるにしても、工事が相当程度遅延するであろう。他方、県が勝ったとしても、辺野古移設が唯一の解決策だと主張する国がそれ以外の方法はありえないとして、普天間飛行場の返還を求めないとしたら、沖縄だけで米国と交渉して普天間飛行場の返還を実現できるとは思えない。 |
今後、国地方係争処理委員会決定の内容が公開されることになるが、そこに何が書いてあるのか注目したい。