2017年早々の衆議院総選挙の可能性についての研究
自民党の総裁任期延長が決まった。10月20日付日本経済新聞は「自民党の党・政治制度改革実行本部は19日の役員会で、党総裁任期を「連続2期6年」から延長すると決め・・「連続3期9年」で最終調整・・」と報じた。
これで、次期総裁選挙で勝てば安倍政権継続の可能性が出てきた。そのためには、まず、安倍支持率が高水準にあるうちに衆議院選挙を行い、勝つ必要がある。
年明けの総選挙は間違いないだろうが、その時期はいつか。
1月1日付各社報道(共同通信社配信記事)によれば、衆院解散・総選挙の時期について「今秋も選択肢に浮上」とした。「自民党が総裁任期延長を3月に決定するのを踏まえ、首相は長期政権に向けて18年9月の総裁選での3選を視野に」入れ、安倍首相の長期政権を目指す考えのようだ。
さらに「政府は1月召集の通常国会で天皇陛下の退位に関する法案の早期成立を目指す。召集は20日が軸。外交日程次第で23日にずれ込む可能性がある。」とし、1月早々の解散を否定した。
沖縄に関していえば、不作為の違法確認訴訟で最高裁判決で勝訴したものの、沖縄のみならず全国で違法飛行を繰り返し、さらに自衛隊が購入を決めている危険機材オスプレイの墜落事故。事故原因の究明もないままに米軍の訓練再開を追認した安倍政権への批判は免れず、選挙への影響は未知数だ。オスプレイ墜落事故のほとぼりが冷めるまでの時間稼ぎか、そのあたりだろう。
2.これまでの安倍政権の実情
①起死回生を狙った12月26,27日のオバマ大統領とのハワイでの日米首脳会談。
NHKなどの一部報道はお祭り騒ぎだった、クリスマス休暇中のオバマ大統領との面会。「歴代首相初めての真珠湾訪問」の政府の触れ込みも嘘がばれた。そもそも送別会会談にどんな意義があったのか。極めて疑問だ。
(当HM記事:12/30)「悪魔の同盟」安倍首相演説批判〜沖縄と12.27真珠湾訪問〜
1)安倍首相、クリスマス休暇中のオバマ大統領へ、ハワイに会いに行く。
オバマ大統領はクリスマス休暇中。それでも日米首脳会談?
(12月17日付NHKWEBニュースより転載) オバマ大統領 任期中最後の冬休みでハワイへ 来月任期を終えるアメリカのオバマ大統領は、任期中最後となる冬休みを生まれ故郷のハワイで過ごすため首都ワシントンを発ち、休暇の期間中、ホノルルを訪れる安倍総理大臣との首脳会談に臨むとともに、75年前の真珠湾攻撃の犠牲者を慰霊し、日米同盟の重要性を発信したい考えです。 オバマ大統領は、クリスマスと年末年始にあわせた冬休みを2009年の大統領就任以来、毎年、生まれ故郷のハワイで家族とともに過ごしています。 来月に2期8年の任期を終えるオバマ大統領は、16日(日本時間の17日午前)、家族とともに首都ワシントンを発ち、ホノルルに向かいました。 オバマ大統領は、ハワイで年明けまで2週間余りを過ごすことにしており、27日には、ホノルルを訪れる安倍総理大臣との日米首脳会談に臨むとともに、両首脳は真珠湾のアリゾナ記念館を訪れ、75年前の1941年に太平洋戦争の発端となった旧日本軍による真珠湾攻撃の犠牲者を慰霊することにしています。 ホワイトハウスは、オバマ大統領と安倍総理大臣の記念館への訪問によって、かつての敵どうしがもっとも緊密な同盟国へと変貌を遂げた和解の力を示す機会にしたいとしており、大統領は任期中最後となる冬休みを過ごすハワイから日米同盟の重要性を発信したい考えです。 |
②12月15,16日の日露首脳会談 成果なし
12月16日付朝日新聞は「「新しいアプローチ」を旗印に、北方領土問題に突破口を開こうとした安倍晋三首相の取り組みは、大きな成果を生むことなく肩すかしに終わった。共同会見で安倍首相は「解決にはまだまだ困難な道が続く」と認めた。」と報道した。
日本の3000億円の経済協力がロシアに提供されただけで、安倍首相は成果を得られなかった。
12月19日付産経新聞は「自民党の二階俊博幹事長は19日、・・・会談について「物足りない」と不満を表明した。「昔(の日本外交)に比べれば評価すべきだが、突っ込んだ話が必要だった。もっとましなことができると思った」と語った。」と報道。
下馬評とは裏腹の結果に、安倍首相外交力不足がここでも表出したかたちだ。国民の失望と不満は大きい。
NHKNEWSWEBによれば、安倍首相が北方領土問題が解決を願う元島民に成果として設営できたのは、元島民らの手紙をプーチン大統領に手渡したこと、そして北方領土内の墓参り交渉をこれから進める合意。墓参りが何時実現されるかは今後の交渉次第ということになる。
(12月22日付NHK NEWSWEBより転載) 首相が北方領土の元島民と面会 領土問題解決へ決意 安倍総理大臣は、先週の日ロ首脳会談の内容を説明するため、22日に北方領土の元島民らと面会し、要望すべてに応えることはできなかったが、北方領土問題の解決に向け、新しいアプローチで結果を出して平和条約を締結したいという考えを伝えました。 安倍総理大臣は先週、山口県などで行われた日ロ首脳会談の内容を説明するため、22日午後、総理大臣官邸で、北方領土の元島民らで作る「千島歯舞諸島居住者連盟」の脇紀美夫理事長ら3人と面会しました。 この中で安倍総理大臣は、元島民らがプーチン大統領に宛てて書いた手紙を首脳会談の際に直接手渡したことを紹介したうえで、「元島民の皆さんが要望していた北方領土での墓参りは合意できたので、早速交渉を進めたい」と述べ、北方四島への元島民の自由な往来の実現に向けて交渉を急ぐ考えを示しました。 そして、安倍総理大臣は「要望すべてにお応えできたわけではないが、大きく重要な一歩を記すことができたのではないか。新しいアプローチによって結果を出し、平和条約を締結していきたい」と述べ、北方領土問題の解決に向けた決意を示しました。 これに対し、脇理事長は「強い思いを持って交渉に臨んで頂き、元島民の思いを訴えてもらい大変ありがたく思っている。引き続きお願いしたい」と述べました。 面会のあと、脇氏は「われわれ島民の思いをくんでくれていると思った。ちかぢか、千島連盟の役員に集まってもらい、今回の領土交渉の結果を踏まえて何をすべきなのか検討したい」と述べました。 元島民「生きているうちに決着を」 歯舞群島志発島の元島民の児玉泰子さんは記者団に対し、「今回の日ロ首脳会談で決まったことを加速していただきたいと要望し、安倍総理大臣も『加速する』とおっしゃってくれた。今回の日ロ首脳会談で新しい時代に入ったと思う。平和条約の締結に向けて、まさにここから始まったと期待しているので、できれば私たちの生きているうちに決着していだたきたい」と述べました。 |
③11月17日 トランプ氏との会談 TPPで、大統領就任前から裏切られた
11月17日のトランプ氏との会談を終えた安倍首相は「トランプ次期大統領は正に信頼できる指導者であると、このように確信しました。」とトランプ氏を持ち上げた。
ところが、それから4日後の21日、トランプ氏はTPPからの脱退を表明した。11月23日付朝日新聞は「トランプ次期米大統領は21日、来年1月20日の就任日に環太平洋経済連携協定(TPP)からの離脱を通告すると明言した。」と報じた。
米国のTPP参加の重要性について
「(11月23日付朝日新聞より)・・・TPPを成長戦略の柱とし、日米主導で中国への牽制(けんせい)を狙う安倍晋三首相は17日に直接、トランプ氏と会談してTPPへの理解を求めたとみられる。さらに、訪問先のブエノスアイレスでの記者会見でも「TPPは米国抜きでは意味がない」と訴えた。・・・また、前日の20日に閉幕した南米ペルーでのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議でも、TPP離脱を訴えるトランプ氏を念頭に「あらゆる形態の保護主義に対抗する」とする首脳宣言を採択したばかりだった。」
国会ではTPP審議が行われている最中のトランプ氏の脱退表明。同氏は「信頼できる指導者」?
12月9日、TPPは、自民・公明等の賛成多数で可決・承認され、関連法も可決・成立した。12月9日付日経新聞は「貿易と投資の自由化をめざすTPPの承認案は、安倍政権が今国会の最重要テーマに掲げてきた。米国はトランプ次期大統領が離脱方針を示しており、TPPの発効のメドはたっていない。日本政府は今回のTPP承認をテコに、米国へ早期批准を働きかける方針だ。」と報じた。
脱退を表明した米国の批准を得ることは困難を極め、安倍政権の最重要テーマTPP(環太平洋経済連携協定)発行の目途は立たない。
ここでも安倍政権の大失態が露出した形だ。
④過去分です)7月衆参同日選挙の可能性についての研究(青色を追加)本HM記事
7月衆参同日選挙。安倍首相は回避した。やれば、勝てる見込みがあったのに回避した。何故か。盤石な体制が整い、絶対に勝つ体制が整うのを待つことにしたに違いない。しかし、ここに来て、①②に示すとおり、安倍首相の思惑とは外れた結果が相次ぐ。
しかし、①②の失態つづきなのに、世論調査は安倍内閣の支持率は50%を超えている。高支持率の背景は不明だが結果はそうなっている。
ところが、英国のEU離脱やトランプ氏の大統領選勝利は世論調査の危うさを浮き彫りにした。
⑤高江・辺野古(沖縄の基地問題)沖縄の民意を無視した強行策が続く。許されない!!!
3月 4日:和解成立。沖縄県を、国が訴えた代執行訴訟 9月16日:不作為の違法確認訴訟判決(福岡高裁那覇支部) 11月17日:第2次普天間爆音訴訟1審判決(那覇地裁沖縄支部) 11月25日:「政府・沖縄県協議会」の第4回作業部会、県はキャンプ・シュワブ陸上部分の工事のうち、隊舎2棟について再開を認めた。防衛省は年内にも工事を再開したい考え。(11.26付沖縄タイムスより) 12月 6日 :高江ヘリパッド工事差し止め仮処分却下(那覇地裁) 12月 8日 :厚木爆音訴訟最高裁判決 12月13日:オスプレイ墜落事故(名護市安部) その6日後にはオスプレイ飛行再開 12月20日:①不作為の違法確認訴訟最高裁判決 12月22日:北部訓練場返還記念式典 |