2017年12月18日、宮崎県新富町、西都市住民122名が新田原自衛隊基地から発生する爆音の差し止めを求めて、宮崎地裁へ提訴した。請求の概要は以下のとおり。
新田原自衛隊基地については、2017年5月に、防衛協が騒音コンターを縮小すると発表し、地元が猛反発。結局計画の白紙撤回に追い込まれた経緯がある。
昼夜を問わない軍用機爆音による生活環境破壊は、正に人権侵害だ。第三次嘉手納基地爆音差止訴訟一審は判決はこの状況を「・・一部少数者に軽視できない被害を及ぼし・・国民全体が(国防上の)利益を受ける一方で、原告らを含む一部少数者に特別の犠牲が強いられていると言わざるを得ず、ここには看過することのできない不公平が存する。」と厳しく指摘している(但し、差し止めは認められず)。
普天間爆音訴訟原告団の島田団長は「もの言わぬ民は滅びる。」と指摘。被害を受けている住民自らが声を上げ続けなければ何も解決しない。
静かな夜を、静かな空を、静かな生活を取り戻すために闘い続ける。
請求の概要 1.自衛隊機の飛行差し止め(行政訴訟) ①午後5時から午前8時までの夜間飛行差止 ②午前8時から午後5時までのW75以上の騒音を発生させる飛行差止 2.損害賠償(民事訴訟) |
(=2017/12/18付 西日本新聞朝刊=より転載) 新田原爆音18日提訴 宮崎地裁 住民122人 飛行差し止め求め 航空自衛隊新田原(にゅうたばる)基地(宮崎県新富町)の戦闘機騒音で睡眠妨害や耳鳴りなどの健康被害を受けたとして、基地周辺住民122人が18日、自衛隊機の夜間と朝の飛行差し止めなどに加え、過去3年分計約1億8千万円と状況が改善するまでの将来分も含めて損害賠償を求める「爆音訴訟」を、宮崎地裁に起こす。基地騒音を巡る集団訴訟は九州では初めて。 原告は、航空機騒音の指標で、国の住宅防音工事の助成対象となる「うるささ指数(W値)」75以上の区域に住む新富町と同県西都市の2〜88歳の男女。訴状によると、原告側は騒音で生活環境を破壊され、練習機の墜落や戦闘機部品の落下なども頻発していると主張。午後5時〜午前8時の飛行差し止めと、日中のW値75以上の飛行差し止めに加え、原告1人当たり月額3万8500円(弁護士費用を含む)を求めている。今回の提訴を第1次とし来年6月にも2次提訴する方針。 弁護団などによると、基地では平日午前8時〜午後5時前後と、週2回夜間訓練を実施。同基地には全国の空自基地で唯一、主力戦闘機F15戦闘機の基本ライセンスが取得できる飛行教育航空隊があり、複数機での離陸や、着陸してすぐ離陸する「タッチ・アンド・ゴー」の回数が多い。 米軍機や自衛隊機の騒音被害を巡っては、1975年に小松基地(石川)の周辺住民が起こして以降、横田(東京)、厚木(神奈川)、岩国(山口)、嘉手納(沖縄)、普天間(同)で集団訴訟が相次いでいる。いずれも過去分の損害賠償は認められているが、飛行差し止め命令が確定した判決はない。弁護団によると、米軍機や民間機が常駐しない自衛隊専用基地の集団訴訟は新田原が全国初。 |