3 住民被害
(1)嘉手納基地周辺住民の訴え
前述の爆音に対して、原告からは「爆音は我慢できない。爆弾が手元にあれば抱えて基地に突っ込みたくなる衝動に駆られる」とか「屋上から基地に向かってゴルフボールを打ちたくなる」などの怒りの声が上がっています。私も同感です。
爆音被害に喘ぐ嘉手納基地周辺住民の間には、無力感に満ちた、悲そうで自暴自棄な閉塞感が満ちています。
(2)放置され続ける爆音被害
このような爆音の状況は第1次提訴(1982年)から37年間も放置されてきました。
2014年4月3日衆議院安全保障委員会、原告でもある照屋寛徳議員の質問に小野寺防相は「嘉手納飛行場の航空機騒音につきましては、周辺住民の方々に多大な御負担をおかけし、大変深刻な問題であると認識をしております。」と答弁しました。
ところがその後日本政府は何ら手を打つことなく、それどころか嘉手納基地周辺騒音コンターの縮小を目論み、爆音被害の除去とは裏腹の基地被害の矮小化を図ろうとする始末です。爆音被害を解決するなどとは大よそ考えてはいない、としか言いようがありません。
(3)原告団による爆音被害除去を求める行動
原告団も爆音被害を除去するために様々な運動を展開しています。防衛省、外務省、環境省、国交省などへの要請行動や県や地元自治体、沖縄防衛局等への抗議要請行動を行っています。先に小野寺防相が述べたように爆音被害の深刻さへは理解を示すかのような発言はあります。省庁要請の際には、爆音状況のUP動画を見てもらいたい旨話していますが、外務省では担当官から前任者から引継ぎを受けているので時々見ていますとの返事を受けたこともあります。
沖縄防衛局での交渉でも、町内に居住する職員から夜間深夜の爆音被害の状況は肌に感じている、解決されなければならないとの発言がありました。それじゃどうするのか、との問うと、米軍にお願いすると繰り返すだけで具体的な解決策は何も示されない、これが現状です。
(5)直近の爆音被害、基地被害状況
最終弁論に向けて陳述書の準備を続けてきましたが、その間にも、新たな爆音被害、基地被害が発生しています。
1月23日には住民地域間近でのパラシュート降下訓練が強行されました。直ぐ近くには保育園幼稚園他、屋良小学校、嘉手納高校などもあります。危険極まりない訓練が繰り返されています。
1月28日(月)未明午前5時48分には、70.4dBの異常なエンジン調整、さらに米軍機が離陸し、凄まじい異常爆音が撒き散らされました。私自身も叩き起こされました。嘉手納基地周辺は、毎日が人権侵害の連続です。
①パラシュート降下訓練