3月2日付琉球新報に掲載された佐藤優氏のウチナー評論「国際世論に訴える〜東京に頼らず沖縄の力で〜」は沖縄の進むべき途を示している。もはや、沖縄は日本本土を頼るのではなく、「沖縄の力で国際世論に訴える」ことによって、自らの途を切り開くべきであると指摘する。以下のは同記事からの抜粋である。
去年9月27日に那覇市内で行われたマスコミ倫理懇談会全国協議会での全国大会の内容が重要だ。〈富田詢一・琉球新報社社長は大会の挨拶の中で「沖縄の民意は『オスプレイも普天間の県内移設もだめ』と明らかだ。普天間の県内移設やオスプレイの配備を『第三の琉球処分』とする見方がある。琉球は日本ではないと政府に言ってもらった方がいい。そうすれば政府に頼らないで国際世論に訴える」と述べた。発言の翌日(12年9月28日)の同紙の社説は「沖縄は植民地ではない」だった。〉。 東京の政治エリートや全国紙メディア関係者の良心に頼るのではなく、沖縄の力で国際世論に訴えることによって、構造的差別を脱構築することが現実的処方箋と思う。 |
日本政府が既に思考停止に陥り、当事者能力を失い、普天間の辺野古移設を強行に推し進めようとしていることは報道されているとおりである。この点について、政権交代で職を辞した森本前防相は退任直前会見で「軍事的には沖縄でなくても良いが、政治的に考えると、沖縄がつまり最適の地域である」と述べた。つまり、米海兵隊基地が沖縄に存在すべき地政学的理由はない。あるのは政治的理由だけだと。(詳細は当HM記事普天間基地の辺野古移設「軍事的には沖縄でなくても良い・・」の真意〜退任直前(12.25)の森本防相発言参照)
前防相の言は、問題を解決すべき責任は政治にあるのだが、政治がその機能を果たし得ないことを指摘していると理解できる。ならば、沖縄はどうするのか。座して死を待つわけにはいかないのだ。
沖縄自らが立ち上がり、できることはすべてやるのである。「沖縄の力で国際世論に訴えることによって、構造的差別を脱構築すること」が必要だ。先に当HM記事でも沖縄はすでに外交特別区となっていると指摘した。(詳細は沖縄は外交特別区 沖縄の民意は日本政府を通しては米国に伝わらない参照)
今後は、どのような手法で沖縄の民意を国際世論に訴えるか、が課題となる。