昨年2月24日の県民投票、辺野古埋立反対の沖縄の民意が示された。その数は、反対43万票、総投票数の71.7%だった。(以下①参照)ところが政府は、県民の反対運動を無視し、反対運動の市民・県民を排除し工事を強行している。
そんな中新たな事実が判明した。辺野古沖の軟弱地盤の存在である。これまでも指摘されながら沖縄防衛局が事実を隠蔽し続けてきたのだが、今回その存在が明らかになった。いや、正確に言えば軟弱地盤の存在を根拠づける調査結果の存在が明らかになった。(②参照)しかも、その調査は防衛省発注事業だ。
今月7日の記者会見。河野防相はその調査結果の存在を認めた。しかし、軟弱地盤の存在については否定した。回答は次のとおりだ。「(調査は)船上で行う簡易的なもので、試験結果の信頼性が低い試料を用いた試験ということから、これが設計に使われることはないと認識しております。」
つまり、「試験結果の信頼性が低い試料を用いた試験」だから、「設計に使われることはない」。したがって軟弱地盤は存在しないと。
どう考えても矛盾だらけの回答だ。
米国の飛行場建設基準を満たさないとされる軟弱地盤が存在するとの調査結果が出たのである。本来なら詳細な調査が必要だ、と考えるのが通常の判断だ。
防衛省自ら調査を発注しておきながら、都合の悪い結果は「試験結果の信頼性が低い試料を用いた試験」と称して調査結果を否定する。防相の姿勢は隠ぺい体質そのものだ。まさに現安倍政権の隠ぺい体質そのものを体現するもだと言わなければならない。その矛盾を世論をあげて厳しく指摘しなければならない。
安倍首相は「辺野古新基地建設は普天間返還のための唯一の解決策である」と言い続けてきた。しかし、普天間基地の返還8条件(③参照)の一つに「(新基地における)施設の完全な運用上の能力の取得」というのがある。沈下が想定される飛行場は「完全な運用上の能力の取得」という条件を満たすのか。甚だ疑問である。
1兆円を超えるとも言われる税金を投じて建設が強行される辺野古新基地建設。しかも、その根拠である普天間返還をも実現するのか不明だ。壮大な無駄な公共事業、これも世論をあげて厳しく指摘しなければならない。
河野防相は、辺野古埋立工事を中止し、軟弱地盤の存在についての詳細な調査を実施し、公表すべきだ。
そして、壮大な無駄な公共事業である辺野古新基地建設を直ちに断念すべきである。
参照本HM記事)
①2.24県民投票 辺野古埋立反対の沖縄の民意が示された。反対43万票(総投票数の71.7%、全有権者の37.6%)
②辺野古軟弱地盤の存在を否定する河野防相〜「試験結果の信頼性が低い試料を用いた試験」って何?〜
③仲井真前知事をして「これでは普天間の固定化と同じだ」と言わしめた「沖縄における在日米軍施設・区域に関する統合計画」の欺瞞