2020年1月25日に沖縄本島東沖で起きた米海軍所属MH60ヘリの墜落事故について、防衛省は「着水」と表現しているが、1月31日付沖縄タイムスによれば「米海軍安全センターは(同事故を)被害総額が200万ドル(約2億2千万円)以上の最も重大な事故(クラスA)に分類し、事故の概要についても事故機は日中の飛行中に外洋に「墜落(went down)」したとし、全ての乗組員は救助された」と説明しているという。
これに関して河野防相は「パイロットのコントロールの下に水に降りた」から「着水」と表現したとする。しかしコントロールを失ったから海上に降りざるを得なかった、しかもその態様はクラスAの事故。これが着水か。
防衛省の、事故態様を矮小化するための言葉遊びにはいつもあきれるばかりだ。防相は事故態様は調査中と回答している。事故を矮小化する政府の姿勢を徹底追及しなければならない。
(該当部分を抜粋) Q:25日に沖縄本島東部で発生した米海軍MH−60ヘリコプターの着水事故について、事故原因と防衛省の対応をお願いします。 A:沖縄の東側90マイルでしょうか、パイロットのコントロール下で米軍のヘリが着水をしました。搭乗員5人共に救助されたと聞いております。その着水に至った原因等は、おそらく米軍で調査中ということだろうと思いますが、同型機の飛行前の徹底した点検等は、米軍もやっているということであります。5名の容体については、必要なら後で事務方にお問い合わせください。 Q:沖縄での米軍機事故について、事故発生後、防衛省の報道については「着水した」という表現でしたが、米軍側の発表では事故機は「went down」というふうになっておりまして、これは「着水」の他にも「墜落」という表現もできるかと思いますが、「墜落」と「着水」では日本語としての受け止めがだいぶ異なってくると思うのですが、大臣としては防衛省の報道の「着水」という表現は適切な表現だったと思いますでしょうか。 A:パイロットのコントロールの下に水に降りた。そこに陸があれば、「着陸」ということができたのだろうと思いますが、沖縄から90マイル離れた、90マイルということは100数十キロですから、コントロール下にあったが、水の上に降りざるを得なかったということで、「着水」という表現をしたのだと思います。私も聞いて、特に違和感はありませんでした。 Q:事故そのものを過小評価しているという指摘は当たらないということでしょうか。「墜落」と「着水」の違いについて。 A:墜落というと、どちらかというとコントロールを失って落ちるというイメージなのではないでしょうか。 Q:米軍では調査中ということですが、コントロール下にあったという説明は、防衛省としては受けているということでしょうか。 A:はい。 Q:そこに落ちてしまった理由についてはまだでしょうか。 A:調査をしていると理解しております。 |