昨日2月20日の鳩山元首相の宜野湾市での講演会。私はユーストリームの生中継で視聴した。
今回の来県については、講演後の鼎談の中でも述べていたが平成22年(2010年)5月4日の来県時の沖縄の怒りを考えると躊躇したが、県民の期待を裏切ったことへのお詫びと今でも「県外移設発言」は間違っていなかったという自身の思い、そして今後の政治活動について伝えるために来たと語った。同氏の誠実さについては十分伝わったように思う。
講演では、自身の「県外移設発言」は今でも間違っていたとは思っていないこと、県外移設が実現しなかったのは官僚に足元をすくわれたうえに、政権内、党内での反対論に抵抗することができずに、孤立させられていったこと、最後には方便と言われても仕方ない抑止力という言葉で説明せざるを得なかったこと等を述べた。これらの内容はこれまで報道等報じられた鳩山氏の発言の閾を出るものではなかった。(内容については以下の当HM記事を参照)
しかし、中でも興味深かったのは、同氏が唱える東アジア構想である。過重な対米依存から脱却し、外交の軸足を東アジアに移行させるというものだ。東アジア、特にアセアン諸国の経済発展は目覚ましく、これら諸国との交易の重要性を否定することはできない。その拠点としての位置に沖縄あると指摘する。政界を引退した鳩山氏はシンクタンクを作りその拠点を東京と沖縄に求め研究を進めていく予定だという。
そしてもう一つ、講演後の鼎談での高野氏の発言である。沖縄の基地問題解決のためには嘉手納基地を返還させ、沖縄を世界的にアジアの拠点と位置付けることが必要だというのである。詳細は聞き取れなかったが示唆に富む指摘であると思う。沖縄を軍事基地化させないための方策であり、戦前には基地など無かった沖縄を取り戻すことが、沖縄はもちろん、日本、アジアの安定化に資するのだとの指摘だ。今後の沖縄の向かうべき途を示唆した指摘であり極めて重要だ。
沖縄の基地問題解決を政治課題と位置付ける政治家は、今の日本では極めて少数派だ。沖縄の基地問題は国政選挙の争点ともなりえないのが現状だ。その打破を鳩山氏には期待したい。
【以下は当HM記事】
沖縄の基地問題と12.16総選挙⑦〜『政界引退 鳩山氏に聞く』11月30日付沖縄タイムス“金平茂紀のワジワジ通信24”より〜