来年2018年12月で任期満了を迎える現衆議院の総選挙は何時か?についての研究
自民党総裁3選を可能にした安倍氏は、安倍1強と称される状況の中で盤石の態勢で選挙に臨む機会を伺っていた。ところが、森友学園・加計学園問題で揺らぎ始めた政権基盤は、稲田前防相の報告書隠蔽問題、都議選での自衛隊員に選挙応援を呼び掛けた問題や豊田議員をはじめとするスキャンダルまみれの実態により、安倍首相の政権基盤は地に落ち、支持率は急降下し、そして、東京都議選では歴史的敗北を喫した。
1.年内解散説
今年末の衆議院総選挙の可能性について肯定する論調はまだ小さい。来月下旬には臨時国会が開会されるが、森友学園・加計学園問題や稲田前防相の報告書隠蔽問題等々、議論されるべき課題は山積している。これらを無視しての解散総選挙は、国民の理解を得られないのは火を見るよりも明らかだ。ただ解散権を握っているのは安倍首相、批判覚悟で解散総選挙に踏み切る可能性はある。
月刊誌選択7号では、年内解散の可能性について述べられている。来年度の社会状況、天皇退位・結婚等の皇室行事、そして安倍首相が目論む憲法改正発議と国民投票等を考えると来年総選挙は困難と指摘し、「衆院解散総選挙と憲法の改正の発議と国民投票を同時並行で行えるのか。常識的にはほぼ不可能な状況にある。そこで浮上するのが「年内解散」だ。「消去法解散」と言っていいかもしれない。」と結論付ける。
2.来年解散説
東京都議選で大敗を喫した安倍政権の支持率低下を考えれば、年内解散は議席と失う可能性が高い。支持率の回復を待って、来年早々の解散総選挙も選択肢かもしれない。しかし、それまでに支持率の回復が見込めるかは不透明だ。時期を失すれば任期満了解散に追い込まれる。
3.辺野古新基地阻止と衆議院総選挙
下表にもあるように、衆議院総選挙を前に、8月19日、社民党は単に海兵隊撤退だけではなく沖縄の米軍基地の県外・国外への移転(基地の引き受け)について議論を開始することを決議した。また同日、日本維新の会県総支部は辺野古新基地建設を「容認しない」とした上で司法ではなく政治的な話し合いで解決すべきだとする方針を確認した。
次期衆院総選挙を前に、各党が辺野古新基地建設阻止に向けて方針を確立したことは、辺野古新基地建設問題を選挙の争点となる可能性が出てきた。
今後は、辺野古のみならず沖縄の基地問題を選挙の争点とするように沖縄が声を挙げることが重要だ。
(報道等から下表を作成)
政治日程等 | 国政・外交 | 沖 縄 |
2017年7月22日 | (クリックで同HMへ) | 辺野古新基地阻止。キャンプシュワーブ閉鎖、人間の鎖行動。2000名が参加。(クリックで同記事へ) |
7月24日 | (辺野古)岩礁破砕等行為の差止請求差止訴訟に関する訴え提起及び仮処分命令申立て | |
8月3日 | 内閣改造自民党役員人事 | |
8月12日 | 4万5千人が結集。翁長知事を支え、辺野古に新基地を作らせない8.12県民大会(クリックで同記事へ) | |
8月16日 | 「オール沖縄会議」が辺野古反対を訴えるため米国へ出発 | |
8月17日 | 日米2(small)プラス2(large)) | 沖縄と日米2(small)プラス2(large)〜沖縄の基地問題、進展なし〜)(クリックで同記事へ) |
8月19日 | 社民党:在沖海兵隊の撤退を要求し,県外・国外移転について議論を始めることを盛り込んだ決議を可決 | |
同日 | 日本維新の会県総支部:辺野古新基地建設を「容認しない」とした上で司法ではなく政治的な話し合いで解決すべきだとする方針を確認 | |
8月21日 | 辺野古新基地建設は米文化財保護法(NHPA)違反として、日米の自然保護団体などが米国防総省に同法を順守するまでの工事停止を求めた。 「沖縄ジュゴン訴訟」の控訴審判決。米サンフランシスコ第9巡回区控訴裁判所は「原告には訴訟を起こす資格(原告適格)があり、主張は政治的ではない」と指摘。一審判決を破棄し、審理を地裁に差し戻した。 | |
8月25日 | 学校法人「加計学園」の獣医学部新設問題。文部科学省の大学設置・学校法人審議会は、(理由は明らかにしないまま)認可判断を保留。10月末に改めて結論を出すとした (10月22日衆議院青森4区、愛媛3区補欠選挙への配慮?) | |
8月内 | 自民党憲法改正推進本部会合で9条論議 | |
9月1日 | 民主党代表選 前原氏を代表に選出①共産党との選挙協力を否定②辺野古推進を表明 | 枝野候補:(辺野古新基地について)プロセスを含めて、現状、そして背景についての検証を始めなければいけない。その検証の中からリアルな、現実的な、そして沖縄の皆さんも、日本政府としても、あるいは米国としても納得できる答えを見いだしていく。 |
9月6,7日 | ロシア極東での東方経済フォーラムに首相出席、日ロ首脳会談 | |
9月中下旬 | 国連総会に首相出席 | |
9月下旬頃 | 臨時国会召集 | |
10月22日 | 衆議院青森4区、愛媛3区補欠選挙 | |
11月19日 | 北谷町長選挙 | |
11月ごろ | 米国トランプ大統領来日 | |
年内 | 自民党改憲案を臨時国会に提出 | |
2018年1月 | 通常国会召集 | |
2月4日 | 名護市長選挙 | |
6月 | 通常国会中に憲法改正の発議 | |
9月 | 自民党総裁選挙 | |
秋ごろ | 憲法改正の国民投票 | |
11月 | 沖縄県知事選挙 | |
12月13日 | 衆議院議員任期満了 | |
12月中? | 天皇退位 新天皇即位 |