11月29日に更迭された田中元沖縄防衛局長の問題発言。発言は、沖縄防衛局が主催した、居酒屋でのオフレコ記者懇談会でのもので、その内容については発言要旨が報道された。しかし、オフレコ発言が報じられた経緯については知らされていなかったこともあって、報道の信憑性について疑問をなげかける向きもあった。
しかし、昨日(12.8)琉球新報「第25回本紙読者と新聞委員会」で今回報道の経緯について触れた発言をみつけたので、当該部分を抜粋して掲載する。発言は報道内容に誇張がなかったのかという質問に対して、松元政治部長が応えた内容である。
「犯す」という言葉は問題の核心だ。11月28日の発言は記者との懇談が始まって1時間半ほどたった午後9時半ごろ出た。問題だと感じた本紙記者は10時前に携帯電話のメールで報告していたが、デスク業務中だった私はメールに気付かず、11時前の「記事にすべきか」という電話を受けて知った。「本当にそんなことを言ったのか」と2度確認した。記者によると、テーブルが二つあり、真ん中付近の局長を9社9人の記者が囲んだ。遅れた参加した本紙記者は離れた席にいたので、大きな声で「一川防相が、評価書を年内に提出すると明言しないのはなぜか」と質問した。局長は大きな声で「これから犯す前に犯しますよと言いますか」と返答した。記者の記憶は鮮明で揺るがない。 「犯す」か、それとも侵略、侵害の「侵す」かを確認するため、文脈、場の雰囲気などを詳細に報告させた。(少女乱暴事件後、「レンタカーを借りる金があったら女が買えた」との)マッキー元米太平洋軍司令官の発言について局長は自ら持ち出し肯定していた。性的暴行に例えた「犯す」と確信した。 出向責任があるデスクとして、日本新聞協会の見解、新聞労連の新聞人の良心宣言、鉢呂吉雄経産相が辞任に追い込まれた際の識者論評などを踏まえ、オフレコ発言を報じる論拠を固め、編集局幹部に報告し、朝刊で報じる了承を得た。 |
上記の説明を読めば、田中前局長の発言は疑うべきもない事実だったことが判る。
同局長発言の深層にはメア氏の沖縄蔑視発言に共通する沖縄蔑視の思想が横たわる。沖縄の基地問題の解決にはこの思想の根絶が必要である。