井上国交相の執行停止決定は違法だ②〜沖縄防衛局(国)主張の執行停止要件は存在しない〜

2015-10-31

 10月27日、井上国交相は、「翁長知事の埋立承認取消し」の効力を停止した。

 沖縄防衛局(国)は「重大な損害を避ける緊急の必要性」があるとするが、必要性はない。それどころか、埋立事業執行により、自然環境に回復できない損害が発生すること、さらに新基地建設は名護市辺野古周辺はもちろん、やんばる地域に基地被害を発生させることになる。国交相の効力停止の判断は間違っている。理由は以下のとおりだ。

 国は、執行停止の必要性について、埋立承認取消しにより、以下の2点について不利益が生じると主張する。

①埋立事業停止により普天間飛行場周辺に居住する住民等が被る航空機による事故等に対する危険性及び騒音等の被害が継続すること。

②米国との信頼関係や日米同盟に悪影響を及ぼす可能性があるという外交・防衛上の不利益が生じること。

 国交相はこの主張を認めて、執行停止を決定したのだが、あまりにも稚拙で閣内の出来レースであったことが分かる。

 ①については、埋立事業の継続により普天間飛行場周辺住民の基地被害が無くなることはない。米軍は辺野古新基地建設が終了した後に普天間を移設すると明言しており、その時期も日米合意では2022年以降とされているだけで、明確な移設時期も示されていない。この状況下で辺野古埋立事業の停止が、普天間飛行場周辺住民の基地被害除去を妨げている判断することはできないはずだ。

 ②については、この主張はまったく成り立たない。辺野古埋立停止が「米国との信頼関係や日米同盟に悪影響を及ぼす可能性がある」とする。しかし、米国は「辺野古は日本の国内問題だ」と再三再四指摘している。辺野古埋立停止が日米関係に影響を及ぼすことはない。その証左に国交相決定書にも「可能性がある」と記載するのみで、悪影響を及ぼすとは書いていない。

 さらに、「悪影響を及ぼす可能性があるという外交・防衛上の不利益が生じる」としているが、「可能性がある」というだけで「悪影響」は発生していない。にもかかわらず、「外交・防衛上の不利益が生じる」と断じることができるのか。可能性があるという仮説をもって生じるのはやはり仮説である。正しくは、悪影響を及ぼす可能性があるという外交・防衛上の不利益が生じる可能性がある、とすべきだ。

 結局、国の②の主張は成り立たない。

 他方、処分庁である県は、本件事業実施区域の環境が回復不可能な被害を被るとして、「公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれがあるとき」という要件に該当し、埋立承認取消しは正当なものだと主張している。

 これに対して国交相は、この要件は、国が取消処分によって被る損害と比較考量して判断すべきとし、国の①の主張は損害が普天間基地周辺住民の生命・身体に危険を及ぼすものを含むこと等を踏まえると、これと比べて県の主張する環境への影響の防止が優先するものとは認められないとして、この主張を退けた。

 しかし前記「①については」で指摘したとおり、辺野古埋立事業継続が普天間基地周辺住民の基地被害・危険性除去につながらない(いつ基地被害・危険性の除去が実現されるのか分からない)ことから、国交相の判断は誤りである、ということになる。

 以上のとおり、翁長知事の埋立承認取消しに対する、井上国交相の執行停止決定は違法だ。

 翁長知事は、あらゆる法的手段を通じて、井上国交相の判断の誤りを追及すべきだ。  

(1)・・本件申立てが・・執行停止をしなければならない場合に該当するか否かを検討する。

(2) 本件承認取り消しによって、申立人が行う本件事業の継続が不可能となるため、普天間飛行場周辺に居住する住民等が被る航空機による事故等に対する危険性及び騒音等の被害の継続や、米国との信頼関係や日米同盟に悪影響を及ぼす可能性があるという外交・防衛上の不利益が生じ、これらの重大な損害を避ける緊急の必要性があるとする申立人の主張は相当であると認められる。

 したがって、・・・効力を停止しなければならない場合に該当する。

(3) 他方、処分庁は、本件事業実施区域の環境が回復不可能な被害を被るとして、「公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれがあるとき」という要件に該当する旨、主張する。しかしながら、本要件は、申立人が処分によって被る損害と比較考量して、なお、公共の福祉を保護する必要があるかという見地から判断されるところ、申立人の前記(2)の損害が人の生命・身体に危険を及ぼすものを含むこと等が踏まえると、これと比べて処分庁の主張する環境への影響の防止が優先するものとは認められないlことから、本要件に該当しない。

井上国交相の執行停止決定は違法だ①〜沖縄防衛局(国)には行政不服審査法上の申立人適格なし。執行停止決定書からも明らか〜

2015-10-30

 10月27日、井上国交相は、「翁長知事の埋立承認取消し」の効力を停止した。

 沖縄防衛局(国)は行政不服審査法上の申立人となれるかについて、井上国交相は、決定書で以下のとおり判断を示したが、その判断は論理に飛躍があり、明らかに誤りだ。以下その理由について述べる。(末尾決定書当該部分抜粋を参照)

 決定書冒頭で、一般論として国は行政不服審査法の申立人たる資格はない、とする。正論だ。

 しかし「固有の資格」としての相手方ではなく「一般私人と同様の立場において処分の相手方となる場合」であれば、申立人の資格ありとする。行政不服審査法上、基本的には、国は申立人にはなれないが、「一般私人と同様の立場」であれば、例外として申立人になれるという判断だ。

 そして、「一般私人と同様の立場」の判断に際しては、「当該処分を定める法令の規定に基づき判断されるべき」であり、「当該機関・・が処分を受けるに至った目的や経緯と言った個別の事情に基づき判断されるべきものではない」とする。しかし、この点がまず誤りだ。

 行政不服審査法上、基本的には、国は行政不服審査法の申立人にはなれない。認められるのはあくまでも例外だ。しかも、国交相のいう「一般私人と同様の立場」という例外は条文にも規定されていない。法解釈によるものにほかならない。法令の規定のみで判断されるのであれば、一般原則に戻り、国は申立人にはなれないことになる。

 国の申立人資格を判断する際は、当該処分を定める法令の規定に基づくことはもちろんのこと、処分を受けるに至った目的や経緯と言った個別の事情も当然に判断材料されなければならない。例外を認めるか否かの判断だから当然だ。この点において井上国交相の判断は根本的に誤っている。

 さらに、国交相は、公有水面埋立法の「免許」「承認」の文言の違いについて論じて私人性を強調する。「免許」が必要なのは「私人」だけではない。「地方公共団体」も同じだ。国民でない地方公共団体は行政不服審査法上の申立人にはなれない。「免許」「承認」の文言の違いについて論じる意味はない。

 その上で、「国」は「私人」と同じ公有水面埋立法の審査を受けなければならないから「一般私人と同様の立場」とする。審査基準が同じなのは法の規定であり、それを根拠にして、行政不服審査法上の国の私人性という例外を導くのは論理の飛躍であり認められない。

 ちなみに、このような解釈が認められれば、国だけでなく地方公共団体にも申立人の地位が認められることになり、行政不服審査法の趣旨である「・・国民に対して広く行政庁に対する不服申立てのみちを開くことによつて、簡易迅速な手続による国民の権利利益の救済を図る」を損なうことになる。

 以上のとおり、国に行政不服審査法上の申立人としての地位を認めた判断は、明らかに誤りだ。したがって、井上国交相の執行停止決定は違法だ。

 翁長知事は、あらゆる法的手段を通じて、井上国交相の判断の誤りを追及すべきだ。         

(以下は決定書からの当該部分の抜粋)

 ・・一般に、国の機関又は地方公共団体・・はその機関に対する処分については、当該機関・・がその「固有の資格」において処分の相手方となる場合には、不服申立てをすることはできないが、一般私人と同様の立場において処分の相手方となる場合には、不服申立てをすることができると解されている。

 そして、当該機関・・がその「固有の資格」において処分の相手方となっているか否かは、当該処分を定める法令の規定に基づき判断されるべきものであって、当該機関・・が処分を受けるに至った目的や経緯と言った個別の事情に基づき判断されるべきものではない。

 そこで、法の規定をみると、法上、埋立てを行おうとする者は、私人又は地方公共団体においては都道府県知事の「免許」・・を、国においては都道府県知事の「承認」・・を受けなければならない。ここでいう「免許」及び「承認」は、その文言は異なるものの、いずれもそれを受けなければ適法に埋立てを行えないこと、また、同じ審査基準・・によって都道府県知事の審査を受けることに鑑みると、申立人が国の「固有の資格」において本件承認を受けたものと解することはできない。

 したがって、申立人は一般私人と同様の立場において処分の相手方となるものであるから、審査法に基づく不服申立てをすることができる・・。』

10月27日石井国交相は、翁長知事の埋立承認取消しについて、その執行を停止した。その判断は誤りだ!!!

2015-10-28

 10月27日石井国交相は、翁長知事の埋立承認取消しについて、その執行を停止を措置した。

 石井国交相は、承認取消しの理由について、以下の2点をあげている。

 ①翁長知事による承認取消しは、何ら瑕疵のない埋立承認を取り消す違法な処分であること

 ②本件承認取消しにより「普天間飛行場が抱える危険性の継続」、「米国との信頼関係に悪影響を及ぼすことによる外交・防衛上の重大な損害」など、著しく公益を害すること

 以下これに反論する。

 ①については、「何ら瑕疵のない埋立承認を取り消した」と指摘するならば、翁長知事が指摘する瑕疵の有効性について判断すべきだ。その理由は示されているのか。その判断は司法に委ねるべきだ。工事の進展は自然環境等に復元不可能は損害を与える。したがって、その間工事は止めるべきだ。

 ②については、著しく公益を害すると指摘するが、当該公益の内容が不明だ。日本の防衛、アジア太平表地域の防衛、東アジアの防衛等を指すのか。まったく不明だ。

 「普天間飛行場が抱える危険性の継続」を理由とするが、辺野古移設は普天間の危険を名護市辺野古に移すにすぎない。普天間飛行場が抱える危険性が名護市等やんばるの地域で継続するにすぎない。基地の県内たらい回しだ。沖縄の基地問題解決には何ら寄与しない。

 さらに、辺野古新基地は滑走路2本を有し、艦船が着艦できる軍港を有する、耐用年数200年の最大の軍事基地となる。オスプレイが100機、F35戦闘機等が常駐する軍事基地となるのだ。爆音等の基地被害は普天間飛行場の比ではない。

 「米国との信頼関係に悪影響を及ぼすことによる外交・防衛上の重大な損害」を理由とするが、これは国民騙しだ。米国は「辺野古は日本の国内問題だ」と再三再四指摘している。「世界一危険基地」を辺野古に移設できないと「米国との外交・防衛上の重大な損害」を発生させるのか。そんなことはない。これは真っ赤な嘘だ。

 石井国交相は、記者からの「審査請求の審査で違反と判断したのなら、審査結果を出せばいい。」との質問にまともに答えていない。当然だ。審査結果では、翁長知事の承認取消しを取り消すことなどできない。

 翁長知事は「国地方係争処理委員会(地方自治法250条の7)」に申し立てを行う。井上国交相は高裁への代執行を申立てるようだが、闘いは司法の場へと移る。

 工事を阻止する辺野古現場での闘いと、国地方係争処理委員会・司法の場での闘いが共存することになる。

 沖縄は、オール沖縄で翁長知事を支持し、辺野古新基地阻止に向けて闘う!!!

2015年10月27日石井国交相会見概要(クリックで同HMへ)

当該部分のみ転載 

・・・

 まず、閣議の関連で、辺野古沖の公有水面埋立承認の取消しに関する執行停止の決定及び閣議口頭了解についてであります。

沖縄県知事による辺野古沖の公有水面埋立承認の取消しについては、去る10月14日に、沖縄防衛局長より審査請求及び執行停止の申立てがございました。

 このうち、執行停止の申立てについて、沖縄防衛局長及び沖縄県知事の双方から提出された書面を審査した結果、承認取消しの効力を停止することとし、本日、沖縄防衛局及び沖縄県に執行停止の決定書を郵送いたしましたので、御報告いたします。

 執行停止の効力につきましては、決定書が沖縄防衛局に到達した時点から発生いたしますが、今朝、郵送しておりますので、明日10月28日には到達すると見込んでおります。

 行政不服審査法において、執行停止の決定をするに当たっては、審査庁は処分により生ずる重大な損害を避けるため緊急の必要性があるか否かを判断することとなっております。

 今回の決定に至った理由といたしましては、本件取消しにより、普天間飛行場の移設事業の継続が不可能となり、同飛行場周辺の住民等が被る危険性が継続するなどの重大な損害が生じ、これを避けるため緊急の必要性があると認められたことによるものであります。詳しくは、お手元の配布資料をご覧ください。

 また、本日の閣議において「普天間飛行場代替施設建設事業に係る公有水面埋立法に基づく埋立承認の取消しについて」が閣議口頭了解されました。

 この閣議口頭了解においては、翁長知事による承認取消しは、何ら瑕疵のない埋立承認を取り消す違法な処分である上、本件承認取消しにより「普天間飛行場が抱える危険性の継続」、「米国との信頼関係に悪影響を及ぼすことによる外交・防衛上の重大な損害」など、著しく公益を害することが確認されるとともに、その法令違反の是正を図るため、公有水面埋立法を所管する国土交通大臣において、代執行等の手続きに着手することが政府の一致した方針として了解されました。詳しくは、お手元の配布資料をご覧いただきたいと思います。

 今後、この閣議口頭了解を踏まえ、翁長知事が行った取消処分について、その法令違反の是正を図るため、地方自治法に基づき、代執行等の手続きに着手することといたします。

 まずは、私から翁長知事に対して、当該取消処分を取り消すよう「勧告」することとし、明日にも「勧告文書」を翁長知事に郵送いたします。詳細については、この後、事務方から説明をさせます。

・・・

10月28日付琉球新報記事からの転載

石井国交相の記者会見の内容【質疑応答】部分

−あえて代執行手続きを行う理由は何か。

「審査請求の審査で、取り消し処分は公有水面埋立法に照らして違法であると判断するに至った。前知事が行った埋立承認は適法になわれたものであるにもかかわらず、翁長知事の判断は違法と判断した」

−審査請求の審査で違反と判断したのなら、審査結果を出せばいい。

「本日の閣議で、代執行の手続きに着手することが政府の一致した方針で、口頭了解された。まずは代執行の手続きを優先する」

「普天間飛行場は世界一危険な基地」の正体②〜普天間飛行場閉鎖、辺野古新基地建設阻止、キャンプシュワーブ返還等、一つずつ沖縄の基地返還に向けた運動を〜

2015-10-26

 辺野古新基地建設の米国の意図、それは、世界一使い勝手が悪い普天間飛行場移設をきっかに、最大級の資産価値を持つ飛行場を手に入れようと企みだ。それも、建設費は日本の国費で、私たちの税金で賄うというのだから、米国として断る理由はない。普天間飛行場の危険性の除去など、米国は微塵も考えていない。

 普天間飛行場は、日本の航空法で飛行場とは認められない違法飛行場であり、かつ那覇空港・嘉手納飛行場に挟まれたその空域は歪(いびつ)で、米軍にとって極めて使い勝手が悪い。「世界一危険な飛行場」の真相は、米軍にとって「世界一使い勝手の悪い飛行場」のことだ。騙されてはならないのだ。

 普天間が移設されれば宜野湾の空は静かになるのか。

 普天間飛行場と嘉手納飛行場の距離は10km。車でも20分。ヘリ等米軍機なら数分だ。普天間飛行場が撤去されると、嘉手納飛行場空域が宜野湾地域にかかる。現状の米軍機の訓練は提供空域など無視して行われている。日米合同委員会合意による騒音防止協定も無視が日常茶飯事。この状況で宜野湾市上空が静かになることなど有り得ない。 

  これまでの沖縄防衛局との基地被害等除去を求める抗議要請行動において、防衛局担当者はこう言う。沖縄防衛局の仕事は米軍への基地提供であって、周辺住民の生活環境保全などは仕事ではないと。

 辺野古新基地建設阻止。沖縄の未来を見据えるとき、米軍基地を一つずつ除去していかなければならない。県内たらい回しなどもってのほかだ。

 普天間飛行場閉鎖、辺野古新基地建設阻止、そして、キャンプシュワーブの返還等、一つずつ、沖縄の基地返還に向けた運動を展開していかなければならない。

日米両政府による沖縄の不沈空母化に歯止めをかけよう!〜普天間基地移設の目的は基地の整理縮小ではなかった〜

2015-10-23

 現在、沖縄県本島内ある滑走路の数は何本か?ご存知だろうか。

 以下のとおり4本であるが、そのうち1本(那覇のみ)が軍民共用(自衛隊使用)で、他3本は米軍が使用する軍事専用滑走路である。

1.沖縄における現在の軍事飛行場 合計4本
  ①那覇空港(自衛隊との共用軍事空港)滑走路1本(3000m)
  ②普天間飛行場(米海兵隊)滑走路1本(2800m)
  ③嘉手納飛行場(米空軍等)滑走路2本(各4000m級)

 この状況の中で、普天間基地の代替施設として辺野古に新基地を造ろうとしているのだが、仮にこれが完成すると以下のようになる。

2.辺野古新基地が完成(普天間飛行場は閉鎖と仮定) 合計6本
 ①那覇空港(自衛隊との共用軍事空港)滑走路1本(3000m)と現在 建築中の滑走路1本(2800m) 合計2本
 ②嘉手納飛行場(米空軍等)滑走路2本(各4000m)
 ③辺野古新基地滑走路2本(1800m)

 以上のとおり合計6本のうち2本(那覇のみ)が軍民共用で自衛隊が使用、他4本は米軍が使用する軍事専用滑走路となる。

  いつのまにか、米軍専用滑走路が1本増えている。しかも、建設費用は私たちの税金で賄われる。この理不尽さはなんだろうか。

   普天間基地の辺野古移設は、実は沖縄の基地負担の軽減や基地の整理縮小ではなく、米軍のための辺野古新基地建設にすぎないのである。

  現在、嘉手納・普天間爆音訴訟等で、電話や会話が中断される聴取妨害等の生活環境破壊、睡眠妨害等の健康破壊、さらに脳血管障害や心疾患等の疾病リスクが指摘されている。これ以上爆音被害が増大すれば付近住民の爆音被害は増大する一方だ。

 加えて、観光立県を目指す沖縄にとって、6本もの軍事滑走路を有する飛行場が3つも存在するだけでなく、F15,F16,F35,オスプレイ等々が沖縄中の空を飛び交うのである。観光イメージの凋落は決定的だ。

 先の大戦で、本土防衛の捨石として、地上戦を経験し20万人の県民が殺された歴史の延長線上で、さらに、沖縄をして集団的自衛権の発信基地として、浮沈空母化しようとする、日米両政府の思惑が透けて見えてくるのは私だけだろうか。

 沖縄は戦争を憎み、恨み、二度と沖縄を戦場にしない誓を立てた。

 それゆえ、現在(いま)沖縄がなすべきは、沖縄をして集団的自衛権の発信基地として、浮沈空母化しようとする企みを叩き潰すことであり、そのためには、まず辺野古新基地建設を阻止する必要がある。

「普天間飛行場は世界一危険な基地」の正体①〜嘉手納飛行場と比較すると?〜

2015-10-23

 「普天間飛行場は世界一危険な基地」の正体。

 極東最大の基地、嘉手納基地のとの比較によって、その正体を明らかにしたい。

    普天間飛行場 嘉手納飛行場 備考
復帰後の米軍航空機関連事故等 15件 449件 H26.12.末現在沖縄県データ
米軍機等離発着回数

不明

オスプレイ以外の航空機の離発着回数は調査していない(H27.10.1沖縄防衛局電話回答)

47,078回

(H25.4.1~26.3.30 目視調査時間帯06:00~18:00 沖縄防衛局)

日本政府はデータもなしに危険性を公言していた
基地面積 4,806千㎡ 19,855千㎡  H26.12.末現在沖縄県データ
施設使用米軍

米海兵隊(沖縄県資料より)

四軍:米空軍,米海軍,米海兵隊,米陸軍(嘉手納町資料より)

 
設置施設等

飛行場,キャンプ瑞慶覧,陸軍貯油施設

(宜野湾市HMより) 

飛行場,弾薬庫,陸軍貯油施設

(嘉手納町HMより)

 
攻撃目標となる危険性  ①2014.1.10「新外交イニシアティブ(ND)シンポジウム“普天間基地返還と辺野古移設を改めて考える”」

柳澤協二氏「沖縄は中国のミサイル射程圏内にあり、沖縄の米海兵隊は3発のミサイルで全滅する、と言われている。海兵隊は抑止力とは呼べない。(H25防衛白書掲載された中国(北京)を中心とした弾道ミサイル射程図参照 本HM記事(01/12)普天間基地返還と辺野古移設を改めて考える NDシンポジウムに参加しました

②翁長知事国連演説後の記者会見(2015.9.21)

アメリカの国防次官補までやったジョセフ・ナイさん、マイク・モチヅキさん、アーミテージさんという日本に大きな影響力を持つ人たちは、3〜4年ほど前まで中国に沖縄は近すぎるので、ミサイルが発達し、一発で沖縄は沈んでしまう

7  米軍機の飛行状況   那覇市新都心地区上空での米軍機・オスプレイ等の飛行。南風原町等島尻地区での米軍機の飛行。現に、南風原市の住民から嘉手納町役場へ爆音苦情が入っている。今や、沖縄全体が米軍の訓練場と化している。

 2013年3月7日付沖縄タイムスの記事は衝撃的だ。文科省は教室内の騒音基準について、「教室内の等価騒音レベルは、窓を閉じているときは・・50dB・・以下、窓を開けているときは55dB 以下であることが望ましい。」としているが、同記事よれば、「軍用機が原因で基準値を超えたのは久辺小、天顔小、屋良小、普天間第二小、当山小、天久小、西崎特別支援学校の7校。最も高かったのは、屋良小の67デシベルだった」という。

 67デシベルは普通の会話や電話のベルに相当する、先生の声は聞き取れない。上記7校を市町村毎に分けると、久辺小(名護市)、天顔小(うるま市)、屋良小(嘉手納町)、普天間第二小(宜野湾市)、当山小(浦添市)、天久小(那覇市)、西崎特別支援学校(糸満市)となる。名護市から糸満市まで、北の端から南の端まで、沖縄には静かな教育環境は保障されていない。

「普天間飛行場は世界一危険」の根拠  ラムズフェルド国防長官(2003年当時)が「普天間は世界一危険な飛行場だ」と発言し、それ以降、日本政府はもちろん、大手マスコミ報道も、国民・県民を洗脳するかのように喧伝している。検証したマスコミ等は県内2紙を含めてわずかだろう。 
米国にとって、普天間飛行場は世界一使い勝手が悪い飛行場

 沖縄には那覇空港(軍民共用)、普天間飛行場(米海兵隊)、嘉手納飛行場(米空軍等)があるが、普天間飛行場の管制空域は那覇・嘉手納の管制空域に複雑に入り組んでおり、極めて使い勝手が悪く、危険な状況だ。  

 2004年8月13日に発生した沖縄国際大学への米軍ヘリの墜落事故からの教訓、在沖米軍基地が維持できなくなる事態への懸念、からも普天間飛行場は、「米軍にとって世界一危険で、使い勝手の悪い飛行場」なのだ。

10 資産価値($M)

1,154.7 

7,508.6

 

沖縄が基地で潤っているという指摘は間違い(データと写真より)〜沖縄県HMより〜

2015-10-16

 「駐留軍用地跡地利用に伴う経済波及効果等に関する検討調査(平成27年1月沖縄県)」によれば、軍用地返還後の経済効果は以下のとおりだ。

 沖縄が基地経済で潤っているという指摘は当たらない。写真(沖縄の米軍基地・平成25年3月沖縄県発行)を見れば一目瞭然だ。

 沖縄の土地は県民が有効活用すべきなのだ。

 うちなー(沖縄)のくとぅ(こと)や うちなーんちゅが決める、ということだ。

 

整備による直接

経済効果(施設・基盤整備)

活動による経済効果

(返還前:地代、軍雇用者所得、米軍等へサービス提供等、基地交付金等)

(返還後:卸・小売業、飲食業、サービス業の売上、不動産賃貸額等)

  返還後 返還前 返還後

直接経済

効果の倍率

那覇新都心地区

【写真クリック】牧港住宅地区(新都心地区)跡地利用

3,060億円 52億円 1634億円 32倍

桑江・北前地区

【写真クリック】ハンビー飛行場(美浜地区)跡地利用

498億円 3億円 336億円 108倍

翁長知事の埋立承認取消しに対する、国の不服審査請求は違法だ!!!

2015-10-15

 翁長知事の埋立承認取消しに対する、国の行政不服審査法上の不服審査請求が違法であることは明白だ。

 10月13日、翁長健志知事は、前知事の辺野古埋立承認を取り消した。これにより、沖縄防衛局の辺野古埋立事業は、その法的裏付けを失い、違法事業となった。 

 これに対して、行政不服審査法を根拠に、国は埋立事業を管轄する国土交通大臣に対して、審査請求と執行停止を申立てた。

 国のこの手続きは以下の2点で違法である。

 まず一つは、行政不服審査法は国民を保護するために制定された法律であり、国・地方公共団体等が申立人となることは想定されていない。

 同法1条はその趣旨について次のように規定している。

第一条  この法律は、行政庁の違法又は不当な処分その他公権力の行使に当たる行為に関し、国民に対して広く行政庁に対する不服申立てのみちを開くことによつて、簡易迅速な手続による国民の権利利益の救済を図るとともに、行政の適正な運営を確保することを目的とする。

 法の趣旨は「簡易迅速な手続による国民の権利利益の救済」であり、今回のように国と地方自治体が利害対立する場合を想定していない。したがって、今回の国の手法は法の趣旨を逸脱した違法申立てであると言わざるを得ない。

 二つ目は、審査庁(国交大臣)と申立人(防衛大臣)が内閣の一員であるという点だ。同一の内閣総理大臣に任命された大臣であり、申立人(防衛大臣)と処分庁(沖縄県)の意見を聞いて適正な判断が下されることは期待できない。つまり、国交大臣と防衛大臣は組織的に一体だから、まともな判断は期待できないのだ。

 通常、このような場合が想定されているのであれば、司法、裁判所の手を借りて手続きを進めるのが公平ということになる。

 このように考えると、一つ目の問題提起のとおり、そもそも国・地方公共団体等が申立人となることは想定されていないのである。

 それでも、ごり押し、強行しようとする国の姿勢は、もはや法治国家とは言い難く、強く非難されなければならない。

オール沖縄は、全力で翁長知事を支えます!〜「承認取り消しが相当と判断した」 翁長沖縄知事の記者会見全文(10月13日付沖縄タイムスより)〜

2015-10-15

 10月13日、翁長健志知事は、前知事の辺野古埋立承認を取り消した。これにより、沖縄防衛局の辺野古埋立事業は、その法的裏付けを失い、違法事業となった。 

   辺野古埋立阻止運動はあらたな展開をむかえることになる。

 同日の記者会見で、私が注目した翁長知事の発言は以下のとおりだ。

 これだけの覚悟を持ち、沖縄の未来を語ることのできる翁長氏が知事になったことは沖縄の仕合せである。 オール沖縄は、全力で翁長知事を支えます!!!!!

「・・承認取り消しが相当であると判断し、本日付けで、沖縄防衛局長に対し、公有水面埋立承認取消通知書を発出したところであります。  今後も、辺野古に新基地は造らせないという公約の実現に向け、全力で取り組む考えであります。」

「(これまでの国との協議について)・・思い返してもなかなか沖縄の考え方、思い、今日までのいろんなこと、ご理解をいただけるようなものがなかったような感じがします。 これから、裁判を意識してのことが始まっていくが、いろんな場面、場面で私どもの考え方を申し上げて、多くの国民や県民、ご理解をいただけるような、そういう努力をきょうから改めて出発していくという気持ちです 」

「(仲井真前知事の埋立承認について)・・県外移設を公約をして当選をされました知事が埋め立て承認をしてしまいました。それについて、私自身からするとそのこと自体が、容認できなかったわけです。・・」

「集中協議の頃から、ある意味で溝が埋まるようなものが全くないという状況でした。」

(今後予想される裁判等の意義について)

「今回、承認の取り消しに至るわけでありますが、・・沖縄県の歴史的な流れ、・・戦後の70年のあり方、そして現在の0・6%に74%という沖縄の過重な基地負担・・、こういったことが・・多くの県民や国民の前で議論・されるところに一つは意義があると思います。」

「・・地方自治体がこのようなところまで国にある意味では追い詰められると。私たちからすると日米両政府というのは大変大きな権力をもっておりますし、法律的な意味合いから言っても大変ある意味で大きな権力を相手にしているなというような感じをしています。」

「・・基地問題はある意味では沖縄が中心的な課題を背負っている・・、これから日本の国の全体として地方自治のあり方が本当に一県、あるいはある地域に対してこういったこと等が起きた時の日本の将来のあり方・・について、・・多くの国民に見ていただけるのではないかと思っております。」

「・・一義的に沖縄の基地問題、歴史等と含めてのことでありますが、日本の民主主義というそういったものに対して国民全体が考えていただけるような、そういうものになればいいのかなと思っております。」

(沖縄防衛局の国交大臣への不服申立について)

「・・質問なので、お答えしたいと思いますが、私人として国がそういう訴えをするということは、私たちからすると非常に無情ですね。それはできないだろうという風には思っています。それから、国が同じ国の中でそういったものに判断を下すというのも、今いう国と地方自治という意味からしても、いろんな意味合いからしても、多くの方々が疑問に思うことではないかなという風に思ってます・・」

 (世論調査等でも国民意識が変化しているが、本土に何を求めるか)

「・・この数十年といってもいいですが、0・6%の面積に74%という過重な負担を沖縄は負わされて参りました。なおかつ、戦後の二十数年、ある意味で日本国から切り離されて、日本人でもなくアメリカ人でもなく法的なもの、ある意味で守られるものも何もないような過ごした時期もありました。そういった中で何を沖縄は果たしてきたかといいますと、よく私がやっているのは自負もあるし無念さもあるというのは、日本の戦後の平和、あるいは高度経済成長、そういったこと等を、安全保障とともに沖縄が保障をしてきたというような部分は大変だというふうに思っております。
 その中で沖縄県民の人権や自由や平等、そういったものが、民主主義という意味でも大変この、認められるようなことがなかった・・ことがあります。
 これはひとえに、沖縄一県に抑止力を含め基地の問題が閉じ込められて、本土の方々にご理解をいただけなかった・・、私は昨年の選挙では日本国民全体で日本の安全保障は考えてもらいたいということを強く訴えました。
 そして一県だけに安全保障を押しつける・・こと・・が、日本の安全保障にとっては大変心もとない、・・日本全体で安全保障を考えるという気概がなければ、・・他の国からも理解されない・・、尊敬されないだろうという話もしてきたわけです。
 そういう最中、大変国民の理解も得にくいところであったんですが、この一年間、今日報道のみなさまおいでですので、多くの方々がいろんな角度からこの問題を県民や国民に掲示をしていただきましたところ、世論調査のほとんどで、まずは辺野古には基地を造ってはいけないというような本土の方々の理解が進んで参りました。
 パーセンテージはまちまちでありますけど、ほぼ10%近くそういった方々が増えたというのは、この1年間で私どもが主張してきたことがご理解いただくような入り口に入ってきたなと・・いうことでは、大変心強い感じがしています。
 ・・これからも、・・きょうの記者会見もそうですが、いろんな場所でお知らせをして、・・ともに、沖縄問題もさることながら、地方自治(の)・・あり方・・、・・日本の国の民主主義、あるいは中央集権みたいな格好に最近なってきてまいりましたので、こういったこと等の危険性、日常から非日常に紙一重で変わる一瞬のこの、変わらないことで止めきれるかどうか、変わってしまってから・・は私は過去の歴史からいうと大変厳しいものになろうかと思いますので、そういうことも含めてみんなで議論していけるような、そういったものにこの沖縄の基地問題が提示できればありがたいと思っています。」

「・・普天間飛行場の原点は戦後、県民が収容所に入れられている間に強制接収されたものであります。それ以外の基地もすべて強制接収されたわけで、沖縄県民自ら差し出した基地は一つもありません・・。 ・・普天間の危険性除去をする時に、辺野古に移すということは、自分で土地を奪っておきながら、代わりのものを沖縄に差し出せというような理不尽な話が通るかというのが一つ大きなものがあります。もう一つは辺野古という、大浦湾という美しいサンゴ礁の海、ジュゴン、ウミガメがいるようなところをこうも簡単に埋めていいのかということも含めて国民の皆さん方にご理解いただきたいなと思っています。」

「・・よく私たちは日本政府と対立していると言われるんですが、意見を言うことそのものが対立と見られるところに、日本の民主主義の貧弱さがあると思いますね。他の都道府県で国に物を申した時には、対立とか独立とか言われないのに沖縄ではそれも言われる。  そういうことからすると、私が去年の選挙でオール沖縄、イデオロギーよりもアイデンティティ・・より多くの人が100%自分の考え方を主張する・・よりも、一定の水準・・一つの目的・・、そういうもので心を一つにしてやっていこうという・・ものが今日の翁長県政のベースになっている・・、・・政府のやることに対して、私も色んな思いはございます。思いますが、就任された中から改めて沖縄の将来を目指して、一つ一つ頑張っていくということで多くの県民、国民にも理解を得ていきたいと思っています。」

(法廷闘争になると思われるが)

「・・政府を相手にするわけですからそう簡単でない・・。・・工事を再開して埋め立てを場合によってはどういう状況で進めるかどうか分かりませんが、そういうことがあったとしても新辺野古基地は造れないだろうと私は思っています。
 今回、国連でも訴えをさせていただきましたけども、世界のメディアも注目していただくような状況になっている・・。国内で10ポイント程度、基地を造っちゃいかんという考え方に変わってきた・・、これからはあそこの現場は本当に戦争を体験したといいますか、それに近い世代があんな遠いところに不自由なところに毎日、1年以上も通っているわけですから、そういったところで理不尽な工事をすることの難しさは大変だと思います。
 それから沖縄県と名護市も決意を持ってこのことについて当たっていますので、そういった諸々を考えましたら、もし10年間、あれは10年間でできると言ってますけれども、10年間できるまで普天間をそのままにしておくこと自体が固定化ではあるんですよね。とんでもない話なんです。
 ・・順調に造った場合には普天間の危険性は除去しているというような話でありますが、そうではなくて普通にいっても10年間は固定化するという話。これを防ぐという意味では、5年間の運用停止を前知事に約束をして5年間で空を飛ぶものがないようなものの状態にするということが普天間の危険性の除去ということだと思いますので、それすらもアメリカ政府から反対されて、なおかついま一歩も動かないということからしますと、この多くの国民や県民の皆さんにご理解頂きたいのは、10年間そのままにするというのは固定化でないのかどうかですね、これもよく考えて頂きたい。
 万が一、15年に延びたら15年間固定化であります。・・」

「それができるようなことがあれば、200年間沖縄に国有地として、私たちの手の及ばないところで縦横無尽に161ヘクタールを中心としたキャンプ・シュワブの基地が永久的に沖縄に国の権限として出てくるようなところがあるわけですから、普天間の固定化を避けるというのも重要な意味がありますけれども、もう一つ向こうに200年に渡って県民の意思とは関係なくそこに大きな基地が出来上がってきて、自由自在に使われるようになる。 いま中国の脅威が取りざたされていますけれども、200年間、そういった脅威は取り除かれないという認識でやっているのかどうか、今日までの70年の基地の在り方についてどのように反省しているのかですね。」

「日本国民全体で考えることのできなかったことについて、どのように考えているのか。私は、中谷防衛大臣と話をした時に、こういうことでお詫びの言葉もありました。「今はまだ整ってないから、沖縄が受けるしかないんですよ、よろしくお願いします」という話もされていたが、私はこう申し上げた。おそらく20、30年後の防衛大臣も同じような話しをしていると思いますよ、とそのように話をさせていただいたんです。ですから、こういったことを踏まえると沖縄の置かれているものがよくご理解いただけるのではないかなと、そう思っています。」

(知事が移設を阻止するための手段を講じると、必ずと東京では移設が進まなくなる、固定化だ、翁長知事に責任がある、と喧伝される。責任論や責任の所在についてどう考えるか。)

「私はまさしくそれが日本の政治の堕落だと言っているんですよね。私に外交権があるわけじゃあるまいしね、沖縄県知事は当選したら内政といいますか、教育や福祉や環境は捨てておいて年中上京して、他の市町村や知事に、頼むから受けてちょうだいよ、沖縄は大変なんだよと言って歩くのが沖縄県知事の責務になるのかどうかですね。
 こういったことを踏まえて考えますと、日本政府からこういう話をするのは、まさしく日本の政治の堕落である上になおかつ自分の意思で日本の政治を動かしているかどうかことさえ日本政府には試される。日米地位協定、日米安保も含めて、基地の提供について日本政府が自主的に物事を判断しながらアジアのリーダーになろうとしているのか、世界のリーダーになろうとしているのか。
 あるいは日米安保というものが、自由と平等と人権と民主主義というものを共通してもっている国々が連帯するような、そういったものを作り上げようとしているわけですから、自国の県民にさえそういったことさえできないような政府が、私は日米安保、もっと品格のあるものにしてもらいたいと思っているので、大変残念なことであります。」
「私も日本国民の一人として、・・品格のある民主主義国家として成熟した日本になって初めて、アジア、世界に日本が飛び出て行ける、沖縄の役割も日本とアジアの架け橋としてアジアの中心にある沖縄の特性を生かして、平和の緩衝地帯というようなことも数十年後には考えながら沖縄の未来を語りたいにも関わらず、ただの領土として、基地の要塞としてしか見ないようなものの中でアジアの展開があるのかどうか、日本の展開があるのかどうかということは今のような沖縄がこれを邪魔するからできないんだというような姑息な、あれだけの権力を持って姑息な言葉を流すというのは、やはり日本の政治の堕落だと言わざるを得ないと思っています。」

(来年の宜野湾市長選、参院選、県議選への辺野古埋立取消しが与える影響について)

「・・これから節目節目でいろんなことが起きると思いますので、事の本質が県民にもご理解頂けると思いますし国民の皆さんあるいは世界の方々にご理解頂けると思いますので、私は一つ一つの選挙の節目節目で、そういったようなものがチェックされていくのではないかと思っています。」

「承認取り消しが相当と判断した」 翁長沖縄知事の記者会見全文(10月13日沖縄タイムスより)

 沖縄県の翁長雄志知事は13日、前県政が出した名護市辺野古の埋め立て承認を取り消した。翁長知事は「今後も辺野古に新基地は造らせないという公約実現に向け、全力で取り組む」と述べた。記者会見でのやり取りは次の通り。
 翁長雄志知事(以下、知事) 本日、普天間飛行場代替施設建設事業に係る公有水面埋立承認を取り消しました。
 県は、去る7月16日、埋立承認の法律的な瑕疵を検証する第三者委員会の検証結果報告を受け、関係部局において内容等を精査したところ、承認には取り消しうべき瑕疵(かし)があるものと認められたことから、承認取り消しに向けた意見聴取及び聴聞の手続きを行ったところであります。
 聴聞手続きにおいて、沖縄防衛局長から、陳述書が提出されたところですが、聴聞の主宰者からの調書、報告書の内容についても十分に参酌(さんしゃく)して、予定される不利益処分について検討しました。
 その結果、承認取り消しが相当であると判断し、本日付けで、沖縄防衛局長に対し、公有水面埋立承認取消通知書を発出したところであります。
 今後も、辺野古に新基地は造らせないという公約の実現に向け、全力で取り組む考えであります。

 記者 先月14日に取り消しの方針を表明してから約1カ月。きょう正式に承認を取り消して率直な感想を。
 
 知事 知事就任から約10カ月というところでしょうかね。今日までいろんな形でこの問題は、多くの県民や国民の目に見ていただきながら、今日まできたような感じがしております。
 なかなか前半、交渉すらできなかったですが、4月ごろから閣僚との意見交換ができるようになって、なおかつ1カ月間集中協議ということで、いろんな閣僚と議論をすることもありました。なかなか意見が一致せずに、その集中協議が終わったら工事を再開するということでしたので、取り消しの手続きを開始して、本日、承認に対して取り消しを行ったところです。
 思い返してもなかなか沖縄の考え方、思い、今日までのいろんなこと、ご理解をいただけるようなものがなかったような感じがします。
 これから、裁判を意識してのことが始まっていくが、いろんな場面、場面で私どもの考え方を申し上げて、多くの国民や県民、ご理解をいただけるような、そういう努力をきょうから改めて出発していくという気持ちです。

 記者 承認の取り消しにいたった理由は。

 知事 県外移設を公約をして当選をされました知事が埋め立て承認をしてしまいました。それについて、私自身からするとそのこと自体が、容認できなかったわけです。法律的な瑕疵があるのではないか。それを客観的、中立的に判断をしていただいて、どのように判断をしていただけるか、ということで、第三者委員会で、環境面から3人、法律的な側面から3人の6人の委員の皆様方に、今年の1月26日ですか、お願いをしました。
 そして7月16日に法律的な瑕疵があったということが報告されました。大変詳しく説明がございました。それを検証した結果、法律的な瑕疵があると県としても判断したわけでありまして、そういったことをベースにしながらですね、このような形で取り消しに至ったと思っています。

 記者 知事が取り消したことによって、政府が対抗措置を取ると思うが、県として、どういう対応で臨むか。

 知事 法的な対応措置というのは、いくつか考えられるわけでありまして、その意味でいうと、それぞれ一つ一つ想定をしながら、説明をすることは今この場所ではふさわしくないと思います。
 私どもが正しいと思っていることを、どういう場所になるか分かりませんが、しっかりと主張をして法律的な意味でも政治的な意味でも、県民や国民の皆様方がご理解いただけるようなことを、しっかりと主張をしていきたいと思っています。

 記者 先月、取り消しを表明して、意見聴取や聴聞など沖縄防衛局に対する手続きをとってきたが、防衛局が意見聴取にも聴聞にも応じず陳述書を出すという対応だった。防衛局の対応についてどう思うか。

 知事 集中協議の頃から、ある意味で溝が埋まるようなものが全くないという状況でした。その1カ月間の集中協議の中でも私どもの方がいろんな思いを話をさせていただいたわけですが、議論がちょっとかみ合ったのは防衛大臣との抑止力の問題だけで、それ以外は閣僚側から意見や反論はありませんでした。
 沖縄県民に寄り添って県民の心を大切にしながら、問題を解決していきたいというような気持ちが、集中協議の中にもなかったわけです。今回、取り消しの手続きの中で意見の聴取、聴聞の期日を設けてやったわけですが、応じてもらえなかった。まあ陳述書は出してもらいましたけど、聴聞には応じてもらえなかったということから考えますと、沖縄防衛局の姿勢というよりも、内閣の姿勢として沖縄県民に寄り添ってこの問題を解決していきたいというものが、大変薄いのではないかというような気持ちがあります。私どももあらためて、いろんな協議の中から意見を申し上げたいと思いますし、広く県民、国民、場合によってはアメリカの方にも、あるいは国際社会にも訴える中で、この問題を解決していければいいと思っています。

 記者 承認取り消しという行為自体が、どのような歴史的な意義があるか。防衛局の方では私人と同じ立場での不服審査が有力といわれているが、政府のこの問題に対する向き合い方についてどう考えるか。

 知事 今回、承認の取り消しに至るわけでありますが、これはあ沖縄県の歴史的な流れ、あるいは戦後の70年のあり方、そして現在の0・6%に74%という沖縄の過重な基地負担ですね、過重な基地負担、こういったことがですね、まずしっかりと多くの県民や国民の前で議論がされるところに一つは意義があると思います。
 もう一つは日本国全体からしても、地方自治体がこのようなところまで国にある意味では追い詰められると。私たちからすると日米両政府というのは大変大きな権力をもっておりますし、法律的な意味合いから言っても大変ある意味で大きな権力を相手にしているなというような感じをしています。
 そういたしますと、基地問題はある意味では沖縄が中心的な課題を背負っているわけでありますが、これから日本の国の全体として地方自治のあり方が本当に一県、あるいはある地域に対してこういったこと等が起きた時の日本の将来のあり方というものについて、このものと今回のものは多くの国民に見ていただけるのではないかと思っております。
 そういう意味からすると一義的に沖縄の基地問題、歴史等と含めてのことでありますが、日本の民主主義というそういったものに対して国民全体が考えていただけるような、そういうものになればいいのかなと思っております。
 それから法律的な面は私が答えると、間違ってもいけないですが、一つ今日までよく言われていることの今の質問なので、お答えしたいと思いますが、私人として国がそういう訴えをするということは、私たちからすると非常に無情ですね。それはできないだろうという風には思っています。
 それから、国が同じ国の中でそういったものに判断を下すというのも、今いう国と地方自治という意味からしても、いろんな意味合いからしても、多くの方々が疑問に思うことではないかなという風に思ってますので、これはこの辺り言わせてもらって、あとまた詳しいことがありましたら、またお聞きをしてからにしたいと思います。

 記者 今回の知事の重い決断の背景に日米安保と負担のあり方について、知事の強い思いがあると思う。知事の10カ月の様々な行動の中で本土でも辺野古の埋立に関する世論調査、だいぶ数字に変化が現れている。きょうの重要なタイミングで、特に本土の多くの国民に日米安保と負担のあり方について、どう行動してほしいか。

 知事 さきほど来、あるいはこの1年といってもいいですし、この数十年といってもいいですが、0・6%の面積に74%という過重な負担を沖縄は負わされて参りました。
 なおかつ、戦後の二十数年、ある意味で日本国から切り離されて、日本人でもなくアメリカ人でもなく法的なもの、ある意味で守られるものも何もないような過ごした時期もありました。そういった中で何を沖縄は果たしてきたかといいますと、よく私がやっているのは自負もあるし無念さもあるというのは、日本の戦後の平和、あるいは高度経済成長、そういったこと等を、安全保障とともに沖縄が保障をしてきたというような部分は大変だというふうに思っております。
 その中で沖縄県民の人権や自由や平等、そういったものが、民主主義という意味でも大変この、認められるようなことがなかったということがあります。
 これはひとえに、沖縄一県に抑止力を含め基地の問題が閉じ込められて、本土の方々にご理解をいただけなかったというようなことがあったと思いますので、私は昨年の選挙では日本国民全体で日本の安全保障は考えてもらいたいということを強く訴えました。
 そして一県だけに安全保障を押しつけるということそのものが、日本の安全保障にとっては大変心もとない、やっぱり日本全体で安全保障を考えるという気概がなければ、日本という国がおそらく他の国からも理解されないだろうと、尊敬されないだろうという話もしてきたわけです。
 そういう最中、大変国民の理解も得にくいところであったんですが、この一年間、今日報道のみなさまおいでですので、多くの方々がいろんな角度からこの問題を県民や国民に掲示をしていただきましたところ、世論調査のほとんどで、まずは辺野古には基地を造ってはいけないというような本土の方々の理解が進んで参りました。
 パーセンテージはまちまちでありますけど、ほぼ10%近くそういった方々が増えたというのは、この1年間で私どもが主張してきたことがご理解いただくような入り口に入ってきたなというようなことでは、大変心強い感じがしています。
 ですからこれからも、そういったものをいろんな、きょうの記者会見もそうですが、いろんな場所でお知らせをして、そしてともに、沖縄問題もさることながら、地方自治というあり方ですね、そして日本の国の民主主義、あるいは中央集権みたいな格好に最近なってきてまいりましたので、こういったこと等の危険性、日常から非日常に紙一重で変わる一瞬のこの、変わらないことで止めきれるかどうか、変わってしまってからのものは私は過去の歴史からいうと大変厳しいものになろうかと思いますので、そういうことも含めてみんなで議論していけるような、そういったものにこの沖縄の基地問題が提示できればありがたいと思っています。

 記者 辺野古の埋め立てを認めないということは、普天間を日本国全体でどうしてほしいという思いか。

 知事 普天間をどうするかということであります。私は菅官房長官ともそうでありますが、一つには普天間飛行場の原点は戦後、県民が収容所に入れられている間に強制接収されたものであります。それ以外の基地もすべて強制接収されたわけで、沖縄県民自ら差し出した基地は一つもありませんよという話をさせていただいています。
 まず一義的には普天間の危険性除去をする時に、辺野古に移すということは、自分で土地を奪っておきながら、代わりのものを沖縄に差し出せというような理不尽な話が通るかというのが一つ大きなものがあります。もう一つは辺野古という、大浦湾という美しいサンゴ礁の海、ジュゴン、ウミガメがいるようなところをこうも簡単に埋めていいのかということも含めて国民の皆さん方にご理解いただきたいなと思っています。

 記者 県民に寄り添うことを狙って沖縄担当相に島尻安伊子参院議員を就任させた。島尻大臣は最初の記者会見で「辺野古が唯一の選択肢で何としても進めなければならない」と述べた。これについてどう思うか。

 知事 沖縄問題は大変、言葉遣いに気をつかうところでありまして、一昨年の前知事の承認についても口を枯らして話をするようなものも大変、はばかられるものがございます。島尻安伊子参院議員が今回、沖縄担当大臣になりましたけども、県民にとってもいろんな思いがあろうかと思います。
 沖縄県は、ある意味で基地問題も含めできるだけ多くの方々を包含(ほうがん)して、よく私たちは日本政府と対立していると言われるんですが、意見を言うことそのものが対立と見られるところに、日本の民主主義の貧弱さがあると思いますね。他の都道府県で国に物を申した時には、対立とか独立とか言われないのに沖縄ではそれも言われる。
 そういうことからすると、私が去年の選挙でオール沖縄、イデオロギーよりもアイデンティティということで、より多くの人が100%自分の考え方を主張するというよりも、一定の水準と言いますか一つの目的と言いますか、そういうもので心を一つにしてやっていこうというようなものが今日の翁長県政のベースになっているわけでありますけども、そういうことからしましても、政府のやることに対して、私も色んな思いはございます。思いますが、就任された中から改めて沖縄の将来を目指して、一つ一つ頑張っていくということで多くの県民、国民にも理解を得ていきたいと思っています。

 記者 法廷闘争になるが、結論が出るまでに長い時間がかかる間に工事が進み既成事実化も進む。あらゆる手段を使って造らせないという思いと、法廷闘争の限界をどう考えているか。

 知事 法廷闘争についても、政府を相手にするわけですからそう簡単でないということだけはよく分かります。そしてある意味で、工事を再開して埋め立てを場合によってはどういう状況で進めるかどうか分かりませんが、そういうことがあったとしても新辺野古基地は造れないだろうと私は思っています。
 今回、国連でも訴えをさせていただきましたけども、世界のメディアも注目していただくような状況になっているわけです。国内で10ポイント程度、基地を造っちゃいかんという考え方に変わってきたところがありますが、これからはあそこの現場は本当に戦争を体験したといいますか、それに近い世代があんな遠いところに不自由なところに毎日、1年以上も通っているわけですから、そういったところで理不尽な工事をすることの難しさは大変だと思います。
 それから沖縄県と名護市も決意を持ってこのことについて当たっていますので、そういった諸々を考えましたら、もし10年間、あれは10年間でできると言ってますけれども、10年間できるまで普天間をそのままにしておくこと自体が固定化ではあるんですよね。とんでもない話なんです。
 あそこに順調に造った場合には普天間の危険性は除去しているというような話でありますが、そうではなくて普通にいっても10年間は固定化するという話。これを防ぐという意味では、5年間の運用停止を前知事に約束をして5年間で空を飛ぶものがないようなものの状態にするということが普天間の危険性の除去ということだと思いますので、それすらもアメリカ政府から反対されて、なおかついま一歩も動かないということからしますと、この多くの国民や県民の皆さんにご理解頂きたいのは、10年間そのままにするというのは固定化でないのかどうかですね、これもよく考えて頂きたい。
 万が一、15年に延びたら15年間固定化であります。それができるようなことがあれば、200年間沖縄に国有地として、私たちの手の及ばないところで縦横無尽に161ヘクタールを中心としたキャンプ・シュワブの基地が永久的に沖縄に国の権限として出てくるようなところがあるわけですから、普天間の固定化を避けるというのも重要な意味がありますけれども、もう一つ向こうに200年に渡って県民の意思とは関係なくそこに大きな基地が出来上がってきて、自由自在に使われるようになる。
 いま中国の脅威が取りざたされていますけれども、200年間、そういった脅威は取り除かれないという認識でやっているのかどうか、今日までの70年の基地の在り方についてどのように反省しているのかですね。
 日本国民全体で考えることのできなかったことについて、どのように考えているのか。私は、中谷防衛大臣と話をした時に、こういうことでお詫びの言葉もありました。「今はまだ整ってないから、沖縄が受けるしかないんですよ、よろしくお願いします」という話もされていたが、私はこう申し上げた。おそらく20、30年後の防衛大臣も同じような話しをしていると思いますよ、とそのように話をさせていただいたんです。ですから、こういったことを踏まえると沖縄の置かれているものがよくご理解いただけるのではないかなと、そう思っています。

 記者 知事が移設を阻止するための手段を講じると、必ずと東京では移設が進まなくなる、固定化だ、翁長知事に責任がある、と喧伝される。責任論や責任の所在についてどう考えるか。

 知事 私はまさしくそれが日本の政治の堕落だと言っているんですよね。私に外交権があるわけじゃあるまいしね、沖縄県知事は当選したら内政といいますか、教育や福祉や環境は捨てておいて年中上京して、他の市町村や知事に、頼むから受けてちょうだいよ、沖縄は大変なんだよと言って歩くのが沖縄県知事の責務になるのかどうかですね。
 こういったことを踏まえて考えますと、日本政府からこういう話をするのは、まさしく日本の政治の堕落である上になおかつ自分の意思で日本の政治を動かしているかどうかことさえ日本政府には試される。日米地位協定、日米安保も含めて、基地の提供について日本政府が自主的に物事を判断しながらアジアのリーダーになろうとしているのか、世界のリーダーになろうとしているのか。
 あるいは日米安保というものが、自由と平等と人権と民主主義というものを共通してもっている国々が連帯するような、そういったものを作り上げようとしているわけですから、自国の県民にさえそういったことさえできないような政府が、私は日米安保、もっと品格のあるものにしてもらいたいと思っているので、大変残念なことであります。
 私も日本国民の一人として、その意味からすると品格のある民主主義国家として成熟した日本になって初めて、アジア、世界に日本が飛び出て行ける、沖縄の役割も日本とアジアの架け橋としてアジアの中心にある沖縄の特性を生かして、平和の緩衝地帯というようなことも数十年後には考えながら沖縄の未来を語りたいにも関わらず、ただの領土として、基地の要塞としてしか見ないようなものの中でアジアの展開があるのかどうか、日本の展開があるのかどうかということは今のような沖縄がこれを邪魔するからできないんだというような姑息な、あれだけの権力を持って姑息な言葉を流すというのは、やはり日本の政治の堕落だと言わざるを得ないと思っています。

 記者 来年は宜野湾市長選、参院選、県議選と普天間問題が争点になりそうな選挙が続く。取り消しが与える影響の考えを伺いたい。

 知事 今回の取り消しというよりは、これから節目節目でいろんなことが起きると思いますので、事の本質が県民にもご理解頂けると思いますし国民の皆さんあるいは世界の方々にご理解頂けると思いますので、私は一つ一つの選挙の節目節目で、そういったようなものがチェックされていくのではないかと思っています。

沖縄県・名護市の頭越しに実際されようとしている、辺野古3区への現ナマ注入を許してはならない

2015-09-26

 中谷防相は、辺野古問題に関して、名護市辺野古、久志、豊原の3区に対し、直接振興費と称して現金注入することを検討していると発表した。

 中谷防相は次のように述べている。

「・・普天間飛行場の辺野古への移設にあたり・・、大きな御負担をおかけすることとなる久辺3区の皆様には、今後、区民の生活環境の保全、また、生活の向上、地域の振興に対しできるだけの配慮を行っていく考えでございます。」

 辺野古新基地建設阻止を掲げる沖縄県、名護市の頭越しに事をすすめようとする防衛省の姿勢は、地方自治を否定するものであり、断じて許されない。

 中谷防相の言う「大きな御負担をおかけすることとなる久辺3区」との指摘には間違っている。辺野古新基地から派生する基地被害は、当該3区だけではなく、名護市全体に及ぶものであり、東村高江のヘリパッド、嘉手納米軍基地ともあいまって、沖縄全体に被害が及ぶことは明らかだ。

 さらに、嘉手納米軍基地での自衛隊機よる訓練が行われている状況等を加味すれば、沖縄全体を日米の集団的自衛権の発進基地にしようとしている目論見は明らかだ。

 だからこそ、オール沖縄による辺野古新基地建設阻止の闘いが展開されているのだ。

 沖縄県・名護市の頭越しに実際されようとしている、辺野古3区への現ナマ注入を許してはならない。

平成27年9月25日防衛大臣会見概要より抜粋(クリックで同HMへ)

Q:辺野古問題なのですけれども、名護市の辺野古、久志、豊原の3区に、いわゆる久辺3区に、防衛省・政府が、名護市や沖縄県を越えて、直接、防衛省・内閣府所管の振興費を交付するというお話があるのですけれども、検討状況を含め、事実関係を。

A:名護市の久辺3区ですね。これにつきましては、私も現地で御意見を聞いたわけでございます。昨年の9月に、政府に対して、区長から普天間飛行場代替施設建設に関する諸要望が提出をされておりまして、この内容につきましては、まだ決まったものではありませんけれども、当省としては、御要望はもとより、その他の地域振興に関わる各種要望につきまして、可能な限り実現を図るとの観点から、密接な意見交換を行っておりまして、今年の5月、久辺3区の区長と国の現地関係機関による懇談会を開催するなど、現在、関係機関において地元要望について何ができるのか検討しております。いずれにしましても、普天間飛行場の辺野古への移設にあたりまして、大きな御負担をおかけすることとなる久辺3区の皆様には、今後、区民の生活環境の保全、また、生活の向上、地域の振興に対しできるだけの配慮を行っていく考えでございます。

Q:関連して、国が辺野古に反対している翁長県政、稲嶺進名護市政を通さずに、振興策を直接久辺3区に落とすとなると、沖縄の地元からは、「国の地方自治権への不当な介入だ」という批判の声も上がっているのですけれども、大臣、こういったことに対して、地方自治への介入だというふうに思われますか。

A:昨年9月に、地元の久辺3区から政府に要望が提出をされました。その他の地域振興に関わる要望についても、可能な限り実現を図りたいという観点から、意見交換を行っておりまして、今年5月から懇談会を開催をしてきておりまして、必要に応じて、地元の自治体とも相談しながら関係機関において、地元要望について、何ができるか検討しております。先だって、沖縄を訪問した際に、稲嶺市長さんにもお会いをして懇談した時に、地元の久辺3区からこのような御要望が上がっておりますということで、市側にもその内容についてはお話をしておりますが、政府として、今後とも関係機関において、地元の要望について何ができるのか、この検討は行っていきたいと思っております。

Q:政府による地方自治への介入だというふうには思われていないという認識でよろしいですか。

A:国として、可能な部分においては、検討・支援は行っていきたいということでございます。

沖縄は、翁長知事を支え、翁長知事とともに闘いを強化していく!!!〜翁長知事国連での記者会見全文(9.24付沖縄タイムスより転載)〜

2015-09-25

 9月24日付沖縄タイムスに、国連での日程を終えた翁長知事の記者会見全文が掲載された。

 翁長知事の演説を受けて「基地は人権問題ではない」と発言した嘉治大使。その発言は、翁長知事が演説で指摘した「自国民の自由、平等、人権、民主主義、そういったものを守れない国」日本のあるがままの姿を世界にさらけ出した。

 それを受けての記者会見。翁長知事の怒りとともに、日本政府への絶望が伝わってくる。

 現状の基地被害はもちろんのこと、返還後も環境浄化のためには15年以上を要するとの指摘は、(これまで指摘されなかったものだが)仮に現状の爆音被害等が無くなっても、基地被害は未来永劫続く可能性を示唆している。

「中国に沖縄は近すぎるので、ミサイルが発達し、一発で沖縄は沈んでしまう。」との指摘は、「沖縄捨石論」が戦後70年を経ても健在であり、沖縄の戦後は終わっていないことを示す。

戦争法案(政府は安保法案と称す)の成立について

「今回の安保法制・・・。沖縄は特に抑止力の最先端になっているので、沖縄の基地機能の強化、あるいは米軍と自衛隊の共同訓練を含めると、安保法案の成立に沖縄は緊迫感、緊張した気持ちを持っている。」

「法案の中身の充実というか、在り方は沖縄に一番現れてくると思う。新辺野古基地建設もそうだが、それ以外のやり方を見ていてもその法案を支えるのに、一番沖縄が役割を果たすだろうと思っている。」

 この指摘は正しい。辺野古だけでなく、嘉手納米軍基地・自衛隊基地等のすべての沖縄の基地が日米の集団的自衛権の発進基地となる。

 沖縄は、過去の歴史を踏まえ、再び戦場となることを永遠に拒否する。そのために辺野古新基地建設を阻止するのであり、辺野古新基地建設阻止を拒否する自己決定権の確立を求めているのだ。

 翁長知事の指摘を、沖縄は肝に銘じなければならない。

 記者会見の翁長知事の怒りは、さらに熱を帯びる。

「日本本土の人からよく質問を受けるが、私が『辺野古に基地を造らせない』という話をすると、『あなたは日米安保体制に反対なの』と言われる。『いや賛成ですよ』『賛成ならなぜ辺野古に反対するの』と言われる。私は質問を返す。『日本国民全体は反対なんですか』『いや賛成ですよ』『なぜ米軍基地をあなた方の所に置かないんですか』と」 

「日米地位協定はいわゆる日米合同委員会でいろんな基準を決めるが、それに日本政府が口をはさめる状況がまったくない。沖縄のあれだけの基地に夜10時以降飛んではいけないということも何の役にも立たない。オスプレイの音がすごいが、市街地の上を飛んではいけないということもほとんど守られない。夜間飛行もそう。そういったことの違反を見つけて、私たちが防衛局や沖縄大使に報告しても米国に伝えますというだけで当事者の能力に欠ける。そこに住む私たちが日本政府に守られている感じがまったくしない。ドイツの米国との地位協定は、ドイツの法律が優先するようにできている。環境問題でもドイツが止めろと言えば止めるようになっている。イタリアは午後1〜4時まで昼寝の習慣があり、その時間には飛行機を飛ばしてはいけないということもイタリア政府の言うことを聞いて、米国は約束を守る。沖縄では基地をやりたい放題で使っている。この状況を知らず、人権とは関係ないというのは非常に残念だ」 

「私からすると、沖縄からすると私たちの国である日本が米国にものが言えないのか、あるいは日本政府が引き留めているのか、外から分からないような仕組みになっている。いずれにしても沖縄はたらい回しだ。」

「米国にはこう話している。辺野古ができたら米軍基地になる。基地を使う米国は当事者。それ以外に沖縄本島の18%が基地で、市町村では9割近くをとられている所もある。米国は県民から見たらまさしく当事者。」

「日本政府にはなぜ日本国全体で抑止力、安全保障体制を考えないのか。他の所は知事や市町村が反対すれば、あそこは反対している、と言い、あっちも駄目だったとなる。沖縄は全市町村長、全市町村議会議長、県議会の全部が反対して、東京行動した。それには一顧だにしない。これが自己決定権とどう関連するかを皆さんで考えてほしい」

「これから工事再開して、今のようなやり方であの美しい海を米軍基地を造るために埋めていく。私は本土の政治家によく言う。日本の安全保障のためなら十和田湖や松島湾や、琵琶湖も埋めますか、と。誰も返事をする人がいません。」

「その工事を続行する様子をぜひ皆さまがそれぞれの関係する所に映像を送り、それがいいのか、といって皆さま方の価値観で多くの人にこういう状況を見てもらい、その中でこの問題の判断を世界中の人に求めたい」

 そして、翁長知事は、辺野古新基地建設阻止を闘う沖縄県民へのメッセージを語る。

「それはまさしく、基地があるが故の汚染、日常的に周辺にいる市民や県民に大変な生存権まで脅かしているのが本当は基地。」

「国連で話をした。それを踏まえて知事として初めてやったので、今後どうするかということだが、最初に言いたいのはこうして世界の人々に私が語ったのは県民にとって、大変勇気と自信と誇りを持つことになっただろうと私は思う。」

 沖縄は、翁長知事を支え、翁長知事とともに闘いを強化していく!!! 

(9月24日沖縄タイムスより転載)

翁長知事国連での記者会見全文

国連人権理事会での主要日程を終えた沖縄県の翁長雄志知事は22日スイス・ジュネーブの国連欧州本部で記者会見をした。記者団とのやり取りは次の通り。

−辺野古の新基地を現実的にどのように止めるか。

「本当に辺野古の埋め立てを止められるのか、ということだが、私はそれを止めるために昨年の知事選で当選した。前知事が選挙の4年前の公約は県外移設で当選したにもかかわらず、3年目に国と交渉してコロっと変わってしまった。前知事の考え方は県民の意思とは違う。結果的に承認されたのでそれを覆すために昨年の一連の選挙で私たちが全部当選した。それを受けて第三者委員会で埋め立て承認が法律的に間違いないかと専門家の検証委員会を作った。その結果、ことしの7月に環境、法律の専門の6人が前知事の承認には瑕疵(かし)があると報告があった。それを元手にまずは法律的に造らせないための法的な闘争が始まっている。これから10年間工事が続く。その間に県知事と名護市長の許可を得なければいけない工事がいくつかある。県民は戦後27年間、米軍の施政権下で無国籍人として大変な抑圧を受け、それを一つ一つ人権獲得するためにみんなで力を合わせてきた歴史がある。辺野古にはあの戦争のことを知っている人、その話を聞いている人、高齢者の方がこの1年間、毎日百人単位で座り込みをしている。賛同する人も増えている。疲れる、朝から晩まできつい作業を少しも衰えることなくこんにちまで続け、これからも続ける。それを排除する県警、海保の様子を、皆さんが世界へ報道することによって、あの美しいサンゴ礁が埋め立てられるような過程があるとすれば、世界に発信して、見つめていただきたい」

−米軍基地の在り方をどう考えるか。

「戦後、ソビエト連邦があった時、中国がまさしく共産主義だったときには、その冷戦構造の抑止力として沖縄の米軍基地があった。いまはソビエトはロシアに代わり、中国も前のような共産主義の社会ではどうやらないようだ。その中で沖縄の基地をあらためて今の中国の脅威に対しての抑止力として考えている。アメリカの国防次官補までやったジョセフ・ナイさん、マイク・モチヅキさん、アーミテージさんという日本に大きな影響力を持つ人たちは、3〜4年ほど前まで中国に沖縄は近すぎるので、ミサイルが発達し、一発で沖縄は沈んでしまう。むしろ沖縄より後ろのオーストラリア、ハワイ、グアム、本国に海兵隊などは移し、何かがあるときにはそこから来ることが現実的な抑止力ではないか、と大きな発信をしていた。基地の在り方だけで言えば、ジョセフ・ナイさんなどが言っていることが正しいと思う。米軍は後ろに下がって何かがあればご一緒すると、こういったものがあるべきではないかと思っている。それ以外にもたくさんあるが、時間がないので基地の在り方だけを話した」 

■なぜ日本全体で安全保障を考えないのか  

−日米同盟における米軍のプレゼンスをどう考えるか。

「こんにちまで、日本国は米軍の占領下の中で憲法を改正して、9条で軍隊を持たないことになっている。安倍晋三首相がそれを取り除き、集団的自衛権、米軍と詳しい言い方はしていないが、一緒に有事の時には行動を共にするというような話をしている。なぜそうなるかというと、中国に対しての意識がどうやら日本政府には強くある。ですから米軍にはいつもそばにいてもらいたいというのが、事の本質だと思うが、いずれにしても一緒に安全保障体制を築いていくということだと思う。抑止力を含め、日本の安全保障は日本国民全体で考えてほしい。沖縄県の一県の面積がたった0.6%に米軍の73.8%を置くことそのものが根本的な間違いではないかと私は思っている」

−安保法制の成立をめぐる安倍政権のやり方をどう思っているか。

「今回の安保法制は日本国民全体が危機感を持っている。沖縄は特に抑止力の最先端になっているので、沖縄の基地機能の強化、あるいは米軍と自衛隊の共同訓練を含めると、安保法案の成立に沖縄は緊迫感、緊張した気持ちを持っている。法案の通し方だが、ニュースで見て分かる通り、手続き的に強引な、ある意味で憲法にそぐわないやり方で法が成立した。ですから手続き上も、集団的自衛権の在り方も多くの国民、約6割が反対、約3割が賛成という状況。法案の中身の充実というか、在り方は沖縄に一番現れてくると思う。新辺野古基地建設もそうだが、それ以外のやり方を見ていてもその法案を支えるのに、一番沖縄が役割を果たすだろうと思っている。沖縄の辺野古基地を造ることについても日本の世論調査では造らない方がいいという国民が10ポイントほど多いことを考えるとこれからご一緒できる部分はあると思う」

−中国を脅威と感じていないのか。

「先ほどは舌足らずだった。中谷元・防衛相と話した時に、確かに中国の危険があり、スクランブルの数が増えて、だから沖縄に基地を置くとあった。その時中東のホルムズ海峡もシーレーンを含め、危ないので、そのためにも沖縄に基地を置く。中国の南西諸島との関係でも沖縄が必要。みんなそういう形で沖縄の重要性が増してきたという話だった。私はその時になぜ日本国民全体で防衛する、日本の安全保障を考えるという機運が盛り上がらないのかと言った。一県に日本の抑止力を集中させ、九州以北はまったく関係ないような考え方をすること自体が、日本の安全保障を全体で考えていない。それに沖縄を領土としか考えていないのではないかという気持ちを持つ。日本本土の人からよく質問を受けるが、私が『辺野古に基地を造らせない』という話をすると、『あなたは日米安保体制に反対なの』と言われる。『いや賛成ですよ』『賛成ならなぜ辺野古に反対するの』と言われる。私は質問を返す。『日本国民全体は反対なんですか』『いや賛成ですよ』『なぜ米軍基地をあなた方の所に置かないんですか』と」  

■沖縄では基地をやりたい放題で使っている

−知事の発言後に日本政府代表部から反論があった。

「基地問題、安全保障の問題と人権の関係について、私たちは27年間、日本人でもない、米国人でもない環境に日本政府から米軍の施政権下に置かれた。その中で暴行事件や、宮森小学校にジェット機が墜落したり、米兵が車でひき逃げしても無罪になって帰国するというような27年間を見てきた。そして、ダイオキシンやPCBなど基地がある故の環境問題が恐ろしいほどある。私たちの調査権も及ばない。日米地位協定でそうなっている。そういったものが県民から見え、私たちの人権、自己決定権がまさしくないがしろにされているのは、一番基地の存在が大きい。日米地位協定はいわゆる日米合同委員会でいろんな基準を決めるが、それに日本政府が口をはさめる状況がまったくない。沖縄のあれだけの基地に夜10時以降飛んではいけないということも何の役にも立たない。オスプレイの音がすごいが、市街地の上を飛んではいけないということもほとんど守られない。夜間飛行もそう。そういったことの違反を見つけて、私たちが防衛局や沖縄大使に報告しても米国に伝えますというだけで当事者の能力に欠ける。そこに住む私たちが日本政府に守られている感じがまったくしない。ドイツの米国との地位協定は、ドイツの法律が優先するようにできている。環境問題でもドイツが止めろと言えば止めるようになっている。イタリアは午後1〜4時まで昼寝の習慣があり、その時間には飛行機を飛ばしてはいけないということもイタリア政府の言うことを聞いて、米国は約束を守る。沖縄では基地をやりたい放題で使っている。この状況を知らず、人権とは関係ないというのは非常に残念だ」

■米国にものが言えないのか、日本政府が引き留めているのか

−演説の自己評価、国際社会に期待することは。

「人権問題とはまさしく基地のあることによって起こりうると話したが、このことについて、日本、米国にどのように伝えるか。私は6月にワシントンDCへ行って、マケイン上院議員をはじめ、国務省、国防総省、上院議員5人、下院議員2人と会った。いろいろ話をした。米国はその時に話を聞いてくれるが、その後に日本の国内問題だから、辺野古の問題は日本政府に話をしなさいと言う。日本政府に話をすると、米国が嫌だと言っている、辺野古がほしいと言っているとそういう話をする。私からすると、沖縄からすると私たちの国である日本が米国にものが言えないのか、あるいは日本政府が引き留めているのか、外から分からないような仕組みになっている。いずれにしても沖縄はたらい回しだ。米国にはこう話している。辺野古ができたら米軍基地になる。基地を使う米国は当事者。それ以外に沖縄本島の18%が基地で、市町村では9割近くをとられている所もある。米国は県民から見たらまさしく当事者。米国にはそのような話をする。それから日本政府にはなぜ日本国全体で抑止力、安全保障体制を考えないのか。他の所は知事や市町村が反対すれば、あそこは反対している、と言い、あっちも駄目だったとなる。沖縄は全市町村長、全市町村議会議長、県議会の全部が反対して、東京行動した。それには一顧だにしない。これが自己決定権とどう関連するかを皆さんで考えてほしい」

−同じような苦悩を抱える世界の地域との連携を考えているか。

「まさしくこの質問の内容があるからこそ、国連人権理事会が置かれていると思う。その中でそういった方々が話をしながら世界的に対処していると思うが、沖縄が抱えている問題は世界中からそれを探してネットワークをつくるというのは私たちの力では足りないところがある。国連で話したことは、これからもそれぞれ情報交換しながらいい形でつながっていけばありがたい。私たちは私たちの規模で頑張りながら、世界を見据えていきたい」

−国際社会への働き掛けを続けるか。

「シンポジウムで詳しく話したが、それを見てやはり理不尽と思えばぜひ私たちに協力してほしい。報道で美しい大浦湾、基地問題がクローズアップされているが、環境問題でも世界的な人類の生き方からしても重要な位置を占める。沖縄の中でもランク1に属している美しいサンゴ礁、絶滅危惧種のジュゴンが生息し、ウミガメ、海藻があれだけの面積だと埋め立てられる。なおかつ埋め立てるのに10トンダンプが数万台、短い距離を入れ代わり立ち代わり土を運んでいく。沖縄県で需要をまかなえるのは2〜3割。それ以外は日本本土から持ってくる。外来種、アルゼンチンアリなどという大変厳しいものがあるんですけど、そういった土で埋め立てられたら沖縄の独特の小動物を含め、それに大きな影響を与える。国際社会から見てもらう以上に発することは、これから工事再開して、今のようなやり方であの美しい海を米軍基地を造るために埋めていく。私は本土の政治家によく言う。日本の安全保障のためなら十和田湖や松島湾や、琵琶湖も埋めますか、と。誰も返事をする人がいません。その工事を続行する様子をぜひ皆さまがそれぞれの関係する所に映像を送り、それがいいのか、といって皆さま方の価値観で多くの人にこういう状況を見てもらい、その中でこの問題の判断を世界中の人に求めたい」

−ジュネーブに事務所を置く考えは。

「多くの方々によく知ってもらいたい。それを強化するために事務所を置く必要があるかという質問だが、ことしはワシントンDCに事務所を置いている。米国に沖縄の情報を与えることでワシントンDCに常駐職員3人がいて、意見交換しながらやっている。経済的な意味から言ってもシンガポール、香港、上海、台北、北京など経済的な側面から沖縄の事務所を置いている。今回、国連の人権理事会で参加できる道を開いてくれたのは沖縄のNGOが国連との関わりを持ってきたからだ。ですから、沖縄の事務所がなくても彼らが私をサポートして、演説もできたように、記者会見もできた。こういうチャンネルも大変大切になってくる。これからも連携しながらいい形でさらに訴えることができればいい。いろんなグループともつながっていけばいいなと思う」  

■自分たちの運命を決めることができなかった

−基地問題は人権問題だという考え方は以前からあったのか。帰国後に辺野古問題でやることは。

「辺野古、民意が中心だったが、人権というような形で訴えているのはどういうことかということだが、沖縄県は戦後60年ほど前には日本から切り離されてアメリカの施政権下に置かれた。そういう意味では自己決定権というのは大変ないがしろにされてきた。自分の考え方で自分たちの運命を決めることができなかった。160ヘクタール埋め立てられるというのは戦後自分から提供した土地はない。戦後強制接収されたので、地主の多くが住民であり、市町村である。160ヘクタールを国が埋め立てると、国有地になる。沖縄県民が意見を申し上げられない基地が初めてできることになる。なおかつ基地というのは私は19年前のまさしく辺野古をどうするんだという時に米国のカリフォルニアからサンフランシスコに行って、米国が基地を閉じた所、閉鎖した所を見てきた。四つ、五つ見た米国の閉鎖した土地はどのように元通りに戻すかというと、表面の土を1〜2メートル削り取っていく。どこへ持って行くのか知りませんが。そして、基地のど真ん中に40メートル四方ぐらいの水を浄化する機械がある。そして基地の地下水を全部くみ上げきれいなものにしてまた地下に戻すという作業を15年間やっている。ですから、今の沖縄の基地も将来返されてもそれだけの浄化をしないと街づくりに使えない。それはまさしく、基地があるが故の汚染、日常的に周辺にいる市民や県民に大変な生存権まで脅かしているのが本当は基地。この話は日本の国会議員も私が話をしても初めて聞くような状況だった。国連で話をした。それを踏まえて知事として初めてやったので、今後どうするかということだが、最初に言いたいのはこうして世界の人々に私が語ったのは県民にとって、大変勇気と自信と誇りを持つことになっただろうと私は思う。そして国内で言うと全国知事会の一員なのでそこで訴えていくということも重要だと思っている。これからも日本政府との交渉もさることながら、ワシントンDCには事務所もあるので定期的に意見交換し、前へ進めることもしたい。国連でも縁があって可能であれば、定期的に来て、意見交換したい」

翁長知事 国連人権委員会で演説〜嘉治大使の反論は、翁長知事が指摘する「自国民の自由、平等、人権、民主主義、そういったものを守れない国」日本の姿をさらけ出した〜

2015-09-23

 9月21日翁長知事が、沖縄の基地問題が人権であること、そして、辺野古新基地建設阻止の決意を国連人権委員会で発言し、沖縄の民意を世界へ発信した。

 翁長知事の演説に対し、国連人代表の嘉治大使は「基地問題は人権問題ではない」と発言し、翁長知事を発言した。人権侵害している側は常に、人権侵害の実態に対し無関心であり、人権侵害されている側の痛みを理解しようとしない。日本政府が嘉治大使のような態度を取る限り、沖縄の基地問題の解決はあり得ない。嘉治大使は沖縄に対して、最低の態度を示し、沖縄の怒りにさらに油を注ぐと同時に、翁長知事が指摘する「自国民の自由、平等、人権、民主主義、そういったものを守れない国」日本の姿をさらけ出す結果となった。

 日本政府は、直ちに辺野古新基地建設を止めよ!!!

(9月22日付沖縄タイムスより転載)
沖縄県の翁長雄志知事は21日午後(日本時間22日未明)、スイス・ジュネーブの国連人権理事会で名護市辺野古への米軍基地建設に反対する声明を発表した。声明は次の通り。

翁長知事、沖縄の苦難の歩み切々と 国連でシンポ

 ありがとうございます、議長。
 私は、日本国沖縄県の知事、翁長雄志です。
 沖縄の人々の自己決定権がないがしろにされている辺野古の状況を、世界中から関心を持って見てください。沖縄県内の米軍基地は、第二次世界大戦後、米軍に強制接収されて出来た基地です。沖縄が自ら望んで土地を提供したものではありません。沖縄は日本国土の0.6%の面積しかありませんが、在日米軍専用施設の73.8%が存在しています。戦後70年間、いまだ米軍基地から派生する事件・事故や環境問題が県民生活に大きな影響を与え続けています。このように沖縄の人々は自己決定権や人権をないがしろにされています。
 自国民の自由、平等、人権、民主主義、そういったものを守れない国が、どうして世界の国々とその価値観を共有できるのでしょうか。
 日本政府は、昨年、沖縄で行われた全ての選挙で示された民意を一顧だにせず、美しい海を埋め立てて辺野古新基地建設作業を強行しようとしています。
 私は、あらゆる手段を使って新基地建設を止める覚悟です。
 今日はこのような説明の場が頂けたことを感謝しております。ありがとうございました。

普天間問題、私たちと議論を 知事、米四軍調整官に要望〜9月18日付琉球新報より〜

2015-09-20

 9月18日、翁長知事は、着任あいさつで県庁を訪れたローレンス四軍調整官に対し、辺野古問題について、当事者として私たちと議論をしてもらいたいと述べた。

 9月初旬の米軍トップの相次ぐ表敬訪問の際にも、同旨の内容を伝えた。

 ぶれる事なく、沖縄の民意実現に邁進する翁長知事を支えよう!!! 

(9月18日付琉球新報より)

  在沖米軍のトップを務める在沖米四軍調整官のローレンス・ニコルソン中将(第3海兵遠征軍司令官)が18日午後、着任あいさつで県庁に翁長雄志知事を訪ねた。翁長知事は「赴任中、沖縄の文化に触れてほしい」と歓迎しつつ「昨年の知事選で普天間飛行場の県外移設と辺野古新基地阻止を掲げて当選した。『私たちは当事者ではない。日本の国内問題だ』と言わず、私たちとこの問題を議論してもらいたい」と求めた。
 ニコルソン中将は「普天間移設問題に関して、日米両政府が協議していて、軍人の私が決定権を持つものではない」と述べた上で「われわれは沖縄に仕事で来ている。もし若い兵士が正しく行動していない場合は直ちに排除したい」と語った。8月に起きた米軍ヘリうるま沖墜落事故について、ニコルソン中将は「遺憾の意を表したい」と述べた。【琉球新報電子版】

米国バークレー市議会が辺野古反対決議 新基地断念を要求(9月17日付琉球新報より)

2015-09-20

 9月15日(日本時間16日)、米国カリフォルニア州バークレー市議会は、全米で初めて「米軍普天間飛行場に伴う名護市辺野古への新基地建設に反対し、県民と連帯する決議案」を全会一致で可決した。沖縄の民意に、米国内市議会が応えた形だ。

 9月21、22日の翁長知事の国連演説。その内容に世界がどう反応するのか。注目だ。

(9月17日付琉球新報より転載)

【ワシントン=問山栄恵本紙特派員】米カリフォルニア州のバークレー市議会は15日夜(日本時間16日午前)の本会議で、米軍普天間飛行場に伴う名護市辺野古への新基地建設に反対し、県民と連帯する決議案を全会一致で可決した。辺野古移設に反対する決議が米地方議会で可決されたのは初めて。
 決議文では米軍基地が沖縄本島の面積の約18%を占めることや騒音、墜落事故、米兵の事件事故の発生など、米軍基地が集中する沖縄の現状を指摘した。県知事選で辺野古移設に反対する翁長雄志氏が当選したことや琉球新報の世論調査で80・2%が移設に反対していることも明記されている。
 その上で(1)米国防総省が米国家歴史保存法(米文化財保護法=NHPA)を順守すること(2)米国海洋哺乳類委員会による再調査―など4点を要求し、米政府が辺野古への新基地建設を諦めるよう求めている。
 決議文はオバマ米大統領らに送付する。
 決議はバークレー市の「平和と正義の委員会」のダイアナ・ボンさんが5月4日、同委員会に提案していた。決議案には6人が賛成し、3人が棄権した。
 提案したボンさんは「沖縄の人々を支援する決議案が可決されてうれしい。米国の方針に違いが出ることを望みたいが、少なくとも決議案可決で沖縄の人々の移設反対の闘いへの関心を高めることに役立つだろう」と語った。

9月20日NHK日曜討論 辺野古問題に関する各党の議論を抜粋〜民主党に若干の変化?〜

2015-09-20

 9月20日NHK日曜討論での辺野古問題に関する各党の発言を抜粋した。 

 戦争法案(安全保障法案)への対する国民の姿勢が示された直後の日曜討論。辺野古問題への各党の姿勢の変化に興味があった。唯一、民主党が若干スタンスを変え、議論し結論を出す言ってきた。これは、国内政治の中における、沖縄の民意(辺野古新基地建設阻止・オスプレイ配備撤回等)への姿勢が変わる兆しを示している。もちろん油断はできない。沖縄は何度ども騙されてきたのだから。

 米国でもかつてのジャパンハンドラー達の発言にも変化が見えているし、米国報道の扱いも変わってきた。さらには、バークレー市議会が全米で初めて辺野古反対を決議した。

 9月21、22日の翁長知事の国連演説への世界の反応によっては、辺野古新基地阻止への支援が拡がるに違いない。沖縄の民意実現のために、オール沖縄は翁長知事を支え続ける!!!

(すでにツィッターでも流したものだが、各党コ見解と私の感想を掲載した)

党名 辺野古問題に関する各党見解 私の感想
共産党

 翁長知事支持。

 辺野古新基地は中止すべし。

共に、がんばりましょう。
自民党

 辺野古推進。

 沖縄のみなさんの意見を聞くことが大事。これからも協議は続けるべき。

 自民党稲田氏が辺野古推進を発言中、背景画像はオスプレイの住民地域上空飛行。普天間基地が世界一危険という同氏の主張を援護。意図的だな。最低NHK!

 だったら工事は中止しろよ。NHKも沖縄の民意のことを話しているのだから画像背景に辺野古反対集会の映像や翁長知事の映像を流すべきだろが。

 

次世代の党 辺野古推進。暫定的に、将来的には撤去。  何が暫定的に、だ。また沖縄を騙そうとする企み。翁長知事の「話くわっちー(話のごちそう)」にすぎない。沖縄は騙されない。
公明党

(島田氏から暫定的とは問われ)暫定的とはどういう意味か承知してない。

 辺野古推進。粘り強く説明していく。嘉手納基地以南の基地返還を進める。

アホ公明だな!!!
民主党

 現在民主党の中で沖縄の変化等を踏まえて議論して結論をだそうとしている。

 米国では卵理論が出ている。基地が集中しすぎるとバンとやられたときに全部がダメになるというもの。米国の議論もみながら結論を出す。

 (工事)再開をすべきではない。

 日本の民主主義を守るために立ち上がれ民主党!!!
維新の党

 辺野古推進。

 ひたすら丁寧にやるしかない。普天間の問題は普天間基地の近くにある小学校の子ども達のための移設問題ではなく、日本の安全保障のための問題と認識すべき。仮に墜落事故が怒れば沖縄全体の基地撤去運動につながり、日米関係が壊滅することにつながりかねない。沖縄のためにではなく日本の安全保障のために沖縄にお願いしていくという姿勢が決定に欠けている。

 沖縄「捨石論」「要石論」これが嫌だと言っていることが、なぜ理解できないのか。
社民党  翁長知事支持。世界一危険な普天間を県内移設するというのは本末転倒だ。 共に、がんばりましょう。

【出席者】(NHKHMより転載)

稲田朋美,辻元清美,石井啓一,井坂信彦,小池晃,和田政宗,吉川元,【司会】島田敏男,【司会】中川緑

翁長知事、埋立承認取消しを表明〜記者会見に見る翁長知事の決意!!!〜

2015-09-15

 翁長知事は、9月14日、仲井真前知事の埋立承認の取消し手続きに入ったと発表した。9月28日の沖縄防衛局長の聴聞を経て、埋立承認は正式に取り消される。

 埋立承認取消発表の際の記者会見で、翁長知事は、取消しに至る経緯やその決意について語った。

 ぶれることなく、沖縄の民意の実現に向けた邁進する翁長知事を、オール沖縄が支える!!!

(1)1ヶ月の協議の評価については、

「・・5回の集中協議の中では、私は考え方をほとんど申し上げたが、返ってくる言葉はほとんど少なくて、残念ながら私の意見を聞いて考えを取り入れようというものは見えてこなかった・・。」

「そういう・・中・、最終日の集中協議の中で、私の方で工事を再開するんですかと申し上げると、そのつもりですという話があったので、その時点で取り消しの決意を固めた・・。」

「・・・私が言葉を尽くしても聞く耳を持たないのか、本当にそういう感受性がないのか、それについては分析しようがないですが、いずれにせよ、ご理解いただけないということだけは4回目で感じた・・。」

「1カ月間で沖縄県民に寄り添うとか、県民の考え方を聞きたいという話も事前にはあったが、そういうことがほとんど感じられなかった中での工事の再開ですので、私からすると今日までの沖縄の置かれてきた歴史を含め、いきさつ、あるいは現状を踏まえると、・・日本という国が、本当にどうなるのかという感じがしています。」 「私は5回目の会議の中で、安倍総理にはこういう話をしました。 私たちがアメリカに行って、ワシントンDCに行きましても、話は聞いてくれても、最後は国内問題だからと、日本政府に言いなさいとなります。そして、日本政府に申し上げると、アメリカが嫌だと言っていると。こういうものが過去の歴史で何回もありました。私はそれを紹介したのちに、沖縄が米軍の施政権下におかれているときに、沖縄の自治は神話だと高等弁務官から言われましたが、日本の独立は神話だと言われないようにしてください、ということを総理に申し上げたわけです。 」

 「・・私はその1カ月間の協議の中で沖縄の置かれている歴史等々を説明しました。・・復帰をしても基地が(日本の面積の)0・6%に(在日米軍専用施設の)74%とというようなことも、まったく動かないような形できておりまして、むしろ1950年代で海兵隊がアメリカ本国から日本本土に行ったものが、沖縄に配置されて沖縄の海兵隊が、いわゆる75%を占めるようになった・・。
 こういったこと等をいくら話しても、原点も含め、日本国民全体で日本の安全保障を考える気概も何もない。こういったこと等の中で、沖縄の置かれている立場を、どのように訴えても、このような形になってくる。
 そうすると私は「魂の飢餓感」という言葉を使わせてもらったが、それがご理解をいただけないというようなものと同時に、こういった一つ一つの施策というのは、おそらく一緒になっているのだろうと・・」

「・・アメリカも・・、まさしく当事者にならざるを得ないということも含めて、私は・・取り消しをし、国連でも人権委員会でその状況をお話をし、本当に自由と平等と人権と民主主義の価値観を共有する国と連帯して、世界を平和に導きたい、というような日米安保体制というものが、自国の国民にさえ自由、平等、人権、あるいは民主主義というようなものが保障できないのに、なぜ他の国々とそれを共有できるのか、ということも含めて、これは海外にも発するべきだろうという気持ちです。 」

(2)前任者の仲井真氏に対して
「承認によって今日の事態が生じているわけでありますから、今思い返しても大変残念であり、無念な出来事だったと思っております。
 やっぱり沖縄県民の心・・は、昨年の一連の名護市長選挙、知事選挙、4区にわたる衆院選挙、ぜんぶ、新辺野古(基地)は造らせないと(訴えて)圧勝したこと考えますと、あの承認が今、官邸の錦の御旗になっているようなことを思うと、胸がかきむしられるような気持ちでございますけれど、同じウチナーンチュ(沖縄の人)がやることでありますので、これに対して一緒になって反省の中から、私たちは強く、これからの沖縄の未来を背負う子や孫に責任を取れるような、そして沖縄県を古里として持って誇りに思えるような、そこにしっかりと地に足を立てて古里を思い、万国津梁の精神のアジア、世界の架け橋となって、将来の子や孫がやっていけるような、そういったものをこれからの一連の作業の中で取り戻していきたいと思っています。 」

(3)普天間飛行場の固定化について
「今のご質問は、まさしく菅官房長官との原点の違いなんですね。橋本・モンデール会談、これが原点であると話しております。普天間の危険性の除去ですね。
 私が戦後の強制接収で沖縄の基地はすべて奪われていった、自ら差し出した基地はないんだというようなものが原点であるというのは、普天間の危険性の除去という意味で一緒ではありますが、奪われて、基地の代替地として、沖縄側が用意しろ、代替案はあるのか、そこしかないんだという話は、まさしく沖縄の戦後、原点の話がかみ合わなかったということになります。
 県民も原点を持っていると思うので、知事選でも宜野湾市の票が、私の方が3000票多かった。衆院選挙でも6000票多かった。宜野湾市民からすると、基地の固定化は本当にやめてもらいたい、という気持ちであろうと思うんですけれども、なおかつ私たちに勝利させたというのは、それを沖縄県民が同じように受け入れることは、これはまた本当に苦しくてできない、という表れだったと思うんですね。
 その部分においては、県民は理解して頂けると思いますし、なおかつ新辺野古基地ができないことが世界一危険だと言われている普天間基地、本当に固定化できるのかということを私は総理にも会議の時に申し上げましたが、返事はありませんでした。
 本当に新辺野古基地ができなかった場合、普天間を固定化できるのかということは、政府からまだ言葉は頂戴していません。あの普天間基地を20年も30年もやるかどうかについては、僕は日本の政治の堕落だと思っているので、この辺のところは国民にも判断して頂きたいなと思っています。 」

(4)普天間の5年以内の運用停止について
「前知事が承認に踏み込んだ時に、4項目の要請がありました。その中で、一番大事なものが普天間の5年以内の運用停止・・。去年の11月に私が当選して、去年の2月が起点でありますから、その2月から10月までに、仲井真さんが勝ったかもしれませんので、この選挙は。その意味からすると、10カ月で(日本政府が)何をされたか検証する必要があると思います。その間は、アメリカの高官から発せられる言葉は、そんなことは日本政府から聞いたこともない、と。私たちも考えていない、という言葉が発せられたんです。
 その意味では、前知事が総理と官房長官が保証したことが担保であるという話をして、承認に踏み切ったわけですが、私が戦後の沖縄の基地問題の中で、いろんな壁がある時に、基地の解決あるいは振興策等々、大変いい話をして、その壁を乗り越えたらまた元通り、というのは何十回も経験してきていますから、私はこれを話クヮッチー(話のごちそう)、それを難しい課題が見えてきた時には、そういう話をして、それを乗り越えた後、知らんふりをする、というのがこれまでの流れです。
 ですから日本の政治が、本当に安全保障というようなものをしっかり考える中で動いてきたかということになりますと、あるいは日本を取り戻すという中で動いてきたかというと、今日に至るも、まだ私はそういうのはできていないと思っています。 」

(5)工事を止める手法について

「私が去年の12月に当選して、官邸の方とお会いをしようとしても、まったく会ってもらえませんでした。いろいろ、周辺から意見がございましたが、私があの時ずっと言ってきたのは、今のあるがままを見て、県民も国民も考えてもらいたい、というようなことを私はじっと3月まで言い続けてきたわけであります。
 ですから、これからの政府の出方、防衛局の出方、こういったものもある一種、私たちは暴力でもってそれを止めることはあるわけはないわけですから、権力としての法律含め、工事再開に向けてどういう風にしていくか分かりませんが、これもあるがままを全国民に、県民に見てもらう。
 そして、それを今回は世界の人に見てもらいたいという気持ちで私は国連の人権委員会にも出て行くわけですし、ワシントンDCにも行って話をさせていただきました。この状況はすべての人が見る中で、民主主義国・日本、民主主義国・アメリカとして本当にこの状況に、みんなの理解を得られるのかどうか、あるがままを見るということも、日本の政治の在り方を問うという意味でも大切なことではないかなと思っています。 」

(6)実際に止めることができるのか
「私は今日までも辺野古基地は造らさない、造れない、この2つの話をさせていただきながら今日まできておりますので、新辺野古基地ができないことの責任は日本政府、アメリカ政府にもあるというようなものであります。
 あるいは、(辺野古新基地が)できますと国有地に変わります。私たちは今日まで自ら差し出した基地はないと話しながら、それが今沖縄にある全基地の7割方を民間の人や行政が持っているからこそ、私たちは沖縄のあるべき姿を問うことになれるわけです。ところがあそこ160ヘクタール埋め立てましたら全部国有地になってしまい、100年間も200年間も、今の政府の姿勢が変わらなければ、まさしく沖縄は基地の要塞としてこれからもどういう形であっても、受けざるを得なくなる。
 こういったことを含めますと、今までの銃剣とブルドーザーで基地を接収したこともありますが、まさしく今回は海上での銃剣とブルドーザーで基地を造っていくと。日本政府自らやっていくということになりますと、これからの安保法制も議論されているわけですが、本当の意味での日本のあるべき姿は、この辺りからも見えてくるのではないかなという意味では、大変危惧(きぐ)をしているところであります。 」

「(楽観できる状況ではない?との問いに)楽観も、悲観もそういうこともまったく白紙の中で、沖縄のあるべき姿、日本のあるべき姿、この問題を通じて、国民に問いたい、世界に問いたいということです。 」

「辺野古に基地を造らせない第一歩」翁長知事の記者会見全文
(9月14日沖縄タイムスHMより転載) 
  沖縄県の翁長雄志知事が14日午前、県庁で記者会見し、前知事が出した名護市辺野古の埋め立て承認を取り消すことを表明した。会見での記者団とのやりとりは次の通り。

【翁長雄志知事 冒頭】
 本日、辺野古新基地建設にかかる公有水面埋立承認の取り消しに向けて、事業者への意見聴取の手続きを開始しました。
 県は、去る7月16日、埋め立て承認の法律的な瑕疵を検証する第三者委員会の検証結果報告を受け、関係部局において内容等を精査してきたところであります。その結果、承認には取り消しうるべき瑕疵があるものと認められました。
 国に対する承認の取り消しについては、行政手続法は適用されないと解されますが、今回の不利益処分については行政手続法の趣旨に鑑み、意見聴取を行うことが適当と判断しました
 そのため、本日付で沖縄防衛局長に意見聴取にかかる通知書を発出したところです。なお、意見聴取日は平成27年9月28日としております。
 私は今後もあらゆる手法を駆使して、辺野古に新基地は造らせないという公約の実現に向け、全力で取り組む考えであります。
【翁長知事と記者団の質疑】
■承認取り消しの決め手
記者)知事が就任以来、承認の取り消し撤回も視野にあらゆる手段を使って移設計画を阻止すると言ってきた。集中協議を経て、今回承認取り消しに踏み切るに至った決め手、このタイミングの判断の理由は。
知事)8月10日から9月9日まで、集中的に協議をするということで工事を止めて、そして会議が始まったわけであります。
 私はその中で沖縄県の今日までの置かれている立場、あるいは歴史、あるいは県民の心、それから基地の形成されてきた、いろんな形での状況、あるいは沖縄県の振興策のあるべき姿というか現状を説明し、ご理解を得るよう努力したが、残念ながら、5回の集中協議の中では、私は考え方をほとんど申し上げたが、返ってくる言葉はほとんど少なくて、残念ながら私の意見を聞いて考えを取り入れようというものは見えてこなかったような感じがします。
 そういう状況の中で、最終日の集中協議の中で、私の方で工事を再開するんですかと申し上げると、そのつもりですという話があったので、その時点で取り消しの決意を固めたところです。
 なぜこの時期かというと、事務的な調整含め、相手があることですから、そういうものを見ながら、一日二日というようなことではないと思ったので、私なりに今日の日を設定して、報告させてもらっているところです。

記者)知事として政府との話し合いでは移設計画を止めることはできないと判断したのか。
知事)4回目の会議の時に、菅官房長官と話をした時に、私のいろんな歴史、県民の心を話をして、それについてのお考えはありませんかと申し上げたが、その時に何とおっしゃったかと言いますと、私は戦後生まれで、なかなかそういうことが分かりにくいと。
 そういう中で、橋本・モンデール会談がベースにあるということ。それから、梶山(静六)先生の、この思いは一緒か何かそばにいるときに考えることがあったので、そういうのは持っているつもりですが、やはり原点はそういうことですと。
 そういう中に、私が言葉を尽くしても聞く耳を持たないのか、本当にそういう感受性がないのか、それについては分析しようがないですが、いずれにせよ、ご理解いただけないということだけは4回目で感じた次第です。

記者)ボーリング調査が終わり次第、政府は埋め立て工事を着工すると思うが、取り消しは着工前を意識したか。着工を止めることができるとお考えか。
知事)私がずっと今日まで申し上げてきたのは、いろんな時点時点で県民の声もありましたし、識者の声もございました。そういう中で私は横目で工事の進行状況、政府の言動、出方をにらみながら、あらゆる手段を駆使して阻止したいと、ずっと申し上げてきました。
 そういう中で、おととい着工を開始したということでありますので、それまでは数日間の、やはり相手がいることですから、そういったものの配慮とか、いろんなことを考えましたが、おとといで着工しましたので、その意味からいうと週明けにはやりますということをその日に申し上げたのは、今日の日を選んだのは事前にみなさんには示したわけであります。

記者)埋め立て工事を今回の取り消しで止められるとお考えか。
知事)私はありとあらゆる手段を講じて辺野古に基地は造らせないという、そういった意味での第一歩です。
 これはまた当然のことながら、相手があることですので、どういう形で物事が進んでいくかは見えません。見えませんので、今は私たちからすると法律的な瑕疵があると、故に取り消しをする方向で手続きを開始したいというところでございます。

■法廷闘争の見通し

記者)今後、取り消しがされた場合、国側の対抗措置が考えられる。法廷闘争を含めこの先の見通しは。法廷闘争になった場合の勝算はあるか。
知事)今後のそういった法律的な展開は、今日までそういう意味合いでご相談した竹下弁護士はじめ、担当の弁護士のみなさんがおいでですので、今の法律的な問題は竹下先生にお願いしたいと思います。
竹下弁護士)今、取り消しに向けて意見聴取を始めたばかりなので、その先のことについて、今とやかく言うことが適当かどうかはともかくとして、取り消しをした後で、国がどういう方法をとってくるかということについては、それなりに検討して、それに対する県側の主張等は現段階で一応のまとめはしています。
 これがどういう方向で行われるかは、国がどういう対抗策を持ってくるのかということに関わってくる問題ですので、今この場ですべて話すのは控えさせていただきたい。

記者)法廷闘争の話だが、国と県の間で法的措置が応酬されることが予想される状況についての印象を。
知事)1カ月間の議論が残念ながら、私としては意を尽くしたつもりですが、議論にならなかったというようなことを受けての工事再開ですので、その意味では残念至極と。
 1カ月間で沖縄県民に寄り添うとか、県民の考え方を聞きたいという話も事前にはあったが、そういうことがほとんど感じられなかった中での工事の再開ですので、私からすると今日までの沖縄の置かれてきた歴史を含め、いきさつ、あるいは現状を踏まえると、大変日本という国が、本当にどうなるのかという感じがしています。
 私は5回目の会議の中で、安倍総理にはこういう話をしました。
 私たちがアメリカに行って、ワシントンDCに行きましても、話は聞いてくれても、最後は国内問題だからと、日本政府に言いなさいとなります。
 そして、日本政府に申し上げると、アメリカが嫌だと言っていると。こういうものが過去の歴史で何回もありました。
 私はそれを紹介したのちに、沖縄が米軍の施政権下におかれているときに、沖縄の自治は神話だと高等弁務官から言われましたが、日本の独立は神話だと言われないようにしてください、ということを総理に申し上げたわけです。

記者)実際に取り消す時期は、知事として見通しは。
竹下弁護士)今、意見聴取手続きにはそれなりの時間が必要だと考えていますので、もちろん国の方が、この意見聴取手続きに対してどのように応じてくるかで対応が変わってくると思いますが、常識的には3週間から1カ月ぐらいを考えています。

■沖縄と日本の構造的な問題
記者)都道府県知事が国の事業を取り消すのは極めて異例。知事は国連での演説も予定しているが、これも異例だと思う。逆に言うと、知事がここまでせざるを得ない状況になってしまっている沖縄と日本の構造的な問題はどこにあるか。
知事)ですから、私はその1カ月間の協議の中で沖縄の置かれている歴史等々を説明しました。その置かれている歴史の中で戦後の70年があったわけで、その中の27年間という特別な時間もありました。そして、復帰をしても基地が(日本の面積の)0・6%に(在日米軍専用施設の)74%とというようなことも、まったく動かないような形できておりまして、むしろ1950年代で海兵隊がアメリカ本国から日本本土に行ったものが、沖縄に配置されて沖縄の海兵隊が、いわゆる75%を占めるようになったわけです。
 こういったこと等をいくら話しても、原点も含め、日本国民全体で日本の安全保障を考える気概も何もない。こういったこと等の中で、沖縄の置かれている立場を、どのように訴えても、このような形になってくる。
 そうすると私は「魂の飢餓感」という言葉を使わせてもらったが、それがご理解をいただけないというようなものと同時に、こういった一つ一つの施策というのは、おそらく一緒になっているのだろうと思いますし、またアメリカも当事者ではないと話をしているが、まさしく当事者にならざるを得ないということも含めて、私はこのことを取り消しをし、国連でも人権委員会でその状況をお話をし、本当に自由と平等と人権と民主主義の価値観を共有する国と連帯して、世界を平和に導きたい、というような日米安保体制というものが、自国の国民にさえ自由、平等、人権、あるいは民主主義というようなものが保障できないのに、なぜ他の国々とそれを共有できるのか、ということも含めて、これは海外にも発するべきだろうという気持ちです。

記者)19日に出発して国連演説するが、今日の取り消し表明を含め、訴えたい概要を紹介してほしい。
知事)まだ詰めていない段階なので、いま申し上げたことの内容が主になると思いますが、それに向けて調整中です。

記者)3週間から1カ月かかる見通しの意見聴取が終わらない限り、取り消しの決断を出さないですか。それとは別に作業の進捗(しんちょく)を見て先に取り消し決断することもあるか。
知事) 今日までもそうでしたが、横目で政府の出方もにらみながら判断していくと話をさせてもらいました。ですから、今の件も予測不能のこれからの出来事でありますので、それを見ながらということになりますが法律的な意味からすると、竹下先生に話をしていただいて、私が横目でにらむというようなものが、どの時点でどうなっていくかというのは、その都度判断していきたいと思っています。

■前任者の仲井真氏に対して
記者)2年前の12月に前任者の仲井真知事が同じ知事の立場で埋め立て承認された。いまの時点で前任者の仲井真さんに何をおっしゃりたいか。
知事)承認によって今日の事態が生じているわけでありますから、今思い返しても大変残念であり、無念な出来事だったと思っております。
 やっぱり沖縄県民の心というものは、昨年の一連の名護市長選挙、知事選挙、4区にわたる衆院選挙、ぜんぶ、新辺野古(基地)は造らせないと(訴えて)圧勝したこと考えますと、あの承認が今、官邸の錦の御旗になっているようなことを思うと、胸がかきむしられるような気持ちでございますけれど、同じウチナーンチュ(沖縄の人)がやることでありますので、これに対して一緒になって反省の中から、私たちは強く、これからの沖縄の未来を背負う子や孫に責任を取れるような、そして沖縄県を古里として持って誇りに思えるような、そこにしっかりと地に足を立てて古里を思い、万国津梁の精神のアジア、世界の架け橋となって、将来の子や孫がやっていけるような、そういったものをこれからの一連の作業の中で取り戻していきたいと思っています。

■普天間飛行場の固定化について
記者)普天間飛行場周辺の宜野湾市民からは2022年度には普天間が返ってくる期待があります。一方、翁長知事の決断は政府との合意に基づく返還の道を閉ざすことになりますが、移設が進まなくなることを残念に感じる市民・県民に県知事としてどう理解を求めていく考えか。
知事)今のご質問は、まさしく菅官房長官との原点の違いなんですね。橋本・モンデール会談、これが原点であると話しております。普天間の危険性の除去ですね。
 私が戦後の強制接収で沖縄の基地はすべて奪われていった、自ら差し出した基地はないんだというようなものが原点であるというのは、普天間の危険性の除去という意味で一緒ではありますが、奪われて、基地の代替地として、沖縄側が用意しろ、代替案はあるのか、そこしかないんだという話は、まさしく沖縄の戦後、原点の話がかみ合わなかったということになります。
 県民も原点を持っていると思うので、知事選でも宜野湾市の票が、私の方が3000票多かった。衆院選挙でも6000票多かった。宜野湾市民からすると、基地の固定化は本当にやめてもらいたい、という気持ちであろうと思うんですけれども、なおかつ私たちに勝利させたというのは、それを沖縄県民が同じように受け入れることは、これはまた本当に苦しくてできない、という表れだったと思うんですね。
 その部分においては、県民は理解して頂けると思いますし、なおかつ新辺野古基地ができないことが世界一危険だと言われている普天間基地、本当に固定化できるのかということを私は総理にも会議の時に申し上げましたが、返事はありませんでした。
 本当に新辺野古基地ができなかった場合、普天間を固定化できるのかということは、政府からまだ言葉は頂戴していません。あの普天間基地を20年も30年もやるかどうかについては、僕は日本の政治の堕落だと思っているので、この辺のところは国民にも判断して頂きたいなと思っています。

■沖縄の負担軽減について
記者)知事として負担軽減にどう取り組んでいきたいか、所感を聞かせてほしい。
知事)前知事が承認に踏み込んだ時に、4項目の要請がありました。その中で、一番大事なものが普天間の5年以内の運用停止、これが一番大きかったと思います。
 去年の11月に私が当選して、去年の2月が起点でありますから、その2月から10月までに、仲井真さんが勝ったかもしれませんので、この選挙は。その意味からすると、10カ月で(日本政府が)何をされたか検証する必要があると思います。その間は、アメリカの高官から発せられる言葉は、そんなことは日本政府から聞いたこともない、と。私たちも考えていない、という言葉が発せられたんです。
 その意味では、前知事が総理と官房長官が保証したことが担保であるという話をして、承認に踏み切ったわけですが、私が戦後の沖縄の基地問題の中で、いろんな壁がある時に、基地の解決あるいは振興策等々、大変いい話をして、その壁を乗り越えたらまた元通り、というのは何十回も経験してきていますから、私はこれを話クヮッチー(話のごちそう)、それを難しい課題が見えてきた時には、そういう話をして、それを乗り越えた後、知らんふりをする、というのがこれまでの流れです。
 ですから日本の政治が、本当に安全保障というようなものをしっかり考える中で動いてきたかということになりますと、あるいは日本を取り戻すという中で動いてきたかというと、今日に至るも、まだ私はそういうのはできていないと思っています。

■工事を止める手法について
記者)意見聴取の手続きが3週間から1カ月かかる中で、防衛局は本体工事に向けた事前協議も再開しようとしています。埋め立て承認の取り消しとは別に、事前協議を通して工事を止める、あるいは潜水調査を踏まえて岩礁破砕の手続きで工事を止める手法なども考えているか。
知事)横目で見ていくからこそ、今の質問にも直接、答えられないわけでありますけれども、私が去年の12月に当選して、官邸の方とお会いをしようとしても、まったく会ってもらえませんでした。いろいろ、周辺から意見がございましたが、私があの時ずっと言ってきたのは、今のあるがままを見て、県民も国民も考えてもらいたい、というようなことを私はじっと3月まで言い続けてきたわけであります。
 ですから、これからの政府の出方、防衛局の出方、こういったものもある一種、私たちは暴力でもってそれを止めることはあるわけはないわけですから、権力としての法律含め、工事再開に向けてどういう風にしていくか分かりませんが、これもあるがままを全国民に、県民に見てもらう。
 そして、それを今回は世界の人に見てもらいたいという気持ちで私は国連の人権委員会にも出て行くわけですし、ワシントンDCにも行って話をさせていただきました。この状況はすべての人が見る中で、民主主義国・日本、民主主義国・アメリカとして本当にこの状況に、みんなの理解を得られるのかどうか、あるがままを見るということも、日本の政治の在り方を問うという意味でも大切なことではないかなと思っています。

■実際に止めることができるのか
記者)承認取り消しに対して、国の対抗措置が考えられるが、実際に辺野古での工事を止めることができるかについてどういう認識を持っているか。
知事)私は今日までも辺野古基地は造らさない、造れない、この2つの話をさせていただきながら今日まできておりますので、新辺野古基地ができないことの責任は日本政府、アメリカ政府にもあるというようなものであります。
 あるいは、(辺野古新基地が)できますと国有地に変わります。私たちは今日まで自ら差し出した基地はないと話しながら、それが今沖縄にある全基地の7割方を民間の人や行政が持っているからこそ、私たちは沖縄のあるべき姿を問うことになれるわけです。ところがあそこ160ヘクタール埋め立てましたら全部国有地になってしまい、100年間も200年間も、今の政府の姿勢が変わらなければ、まさしく沖縄は基地の要塞としてこれからもどういう形であっても、受けざるを得なくなる。
 こういったことを含めますと、今までの銃剣とブルドーザーで基地を接収したこともありますが、まさしく今回は海上での銃剣とブルドーザーで基地を造っていくと。日本政府自らやっていくということになりますと、これからの安保法制も議論されているわけですが、本当の意味での日本のあるべき姿は、この辺りからも見えてくるのではないかなという意味では、大変危惧(きぐ)をしているところであります。

記者)埋め立て承認によって工事が止めることができるかどうかについての知事の認識を教えてほしい。
知事)まさしく法律的な問題で、法律的なものを判断することは現時点で言及することは差し控えたいと思います。

記者)まだ楽観できる状況ではないと思っているか。
知事)楽観も、悲観もそういうこともまったく白紙の中で、沖縄のあるべき姿、日本のあるべき姿、この問題を通じて、国民に問いたい、世界に問いたいということです。

記者)一部で県民投票という話もありましたが、念頭にあるか。
知事)いろんな方々がいろんなご提言をするので、少なくとも私から発想したことではまったくありませんので。ただ、いろんな方々がいろんな話をされているということについて、私がどうだ、ああだという風にはいきませんので。

記者)今後選択肢としてはありえるか。
知事)そういう断定的なものはすべての分野において言いませんが、この件は私が発想したことではございません。

翁長知事、仲井真前知事の埋立承認の取消しを表明〜辺野古工事強硬の実態は日本政府による銃剣とブルドーザーによる基地建設だ。絶対に阻止する!!!〜

2015-09-14

 今日、9月14日午前10時の記者会見。翁長知事は、仲井真前知事の埋立承認の取消し手続きに入ったことを表明した。

 翁長知事は、埋立承認の取り消し手続きに関して、9月28日に事業者である沖縄防衛局からの聴聞手続きをとることを発表。翁長知事は、これにより、これまで知事が表明してきた「あらゆる手段を使って阻止する」の第一歩が始まったと表明した。

 さらに、辺野古の工事強硬について、これまでの沖縄の米軍基地は、米軍の銃剣とブルトーザーによって強奪されたが、辺野古については「まさしく今回は海上での銃剣とブルドーザーで基地を造っていくと。日本政府自らやっていくということになります(本日付沖縄タイムスHMより抜粋)」と政府の暴力により造られようとしている実態を厳しく非難した。

 ぶれることなく、沖縄の民意の実現に向けて邁進する翁長知事を、オール沖縄が支え続ける。

翁長知事、(埋立承認取消し)私の決意は固まっている(9月12日付琉球新報より)

2015-09-12

 翁長知事は、9月11日夕方の記者会見で、仲井真前知事が行った埋立承認を取り消すことについて、「私の決意は決まっている」「週明けには私の考え方を報告したい」と表明した。(9月12日付琉球新報より)

 沖縄の、辺野古新基地建設阻止に向けたあらたな闘いが始まる。

 オール沖縄はぶれずに突き進む翁長知事を全力で支える。

以下は同紙からの転載だ。

知事一問一答

−きょうは埋め立て承認に関する調整も進められたと思う。

「今日までの政府の対応、記者会見、あるいは集中協議などの中でのやりとりなどを考えると、私の腹は固まっている。今、細部にわたって調整をしているところなので、週明けにもその考え方を報告したいと思っている」

−きょうで県の潜水調査が終わった。明日以降、国は作業を再開する構えだが、時期については週明けか。

「週明けにもやろうと思っている」

−工事再開にかかわらず表明か。

「そういうのとは別にして、週明けには私の考え方を報告したい」

−週明けは具体的には月曜日とか。

「普通、日本語としてはどうなんでしょうか」

−できるだけ早く表明したい?

「いや、もうとにかく、私の決意は決まっている。週明け」

決裂した県と政府の5回目の辺野古集中協議。辺野古案提起は沖縄県の責任?安慶名副知事の指摘に安倍首相以下閣僚は沈黙した!!!

2015-09-08

  沖縄タイムスHM(9月7日付)に掲載された『5回目の辺野古協議 翁長知事一問一答』によれば、安慶田副知事からこれまでにない問題提起がなされ、安倍首相以下閣僚らは沈黙したという。

 その指摘は、「辺野古が唯一の解決策」とする政府見解への疑問だ。以下は、5回目の辺野古協議 翁長知事一問一答(9月7日付沖縄タイムスHM)の内容をまとめた。

 以下の内容と見ると、辺野古案を提起したのは日米両政府ではなく沖縄県となる。そもそも、辺野古移設という案は日米両政府からは提起されなかった。

 県を言いくるめ辺野古移設案を提起させ、それを閣議決定した後に、どさくさの内に沖縄県民に知らされないままに廃案にしながらも、同案が現在も生きているかのように既成事実を積み上げていく。日本政府自らに責任が及ばないように画策されたみごとな筋書きだ。

 しかし、もう騙されない。ぶれない翁長知事を沖縄が、心ある日本人が、心ある世界が支えている。

 工事再開阻止あるのみだ!!! 

①政府が辺野古移設の原点と主張する19年前のモンデール・橋本会談では、普天間の危険性除去については合意されているが、普天間を辺野古に移すという話はされていない。

②辺野古移設の話が初めて出たのは小渕総理の時。稲嶺県知事が初めて軍民共同使用、15年の期限時期として出したとき。

③これを受けて、政府は平成11年12月28日に閣議決定した。

④しかし小泉内閣のとき、平成18年5月30日に、この案を廃案にすることを閣議決定した。

⑤そうすると、日本政府には普天間飛行場の辺野古移設案はなかったことになる。

⑥政府のいうように、普天間飛行場の辺野古移設は、仲井真県知事が埋立承認したことが唯一の根拠だとすれば、県政が変わり、第三者委員会が検証した結果、埋め立てには瑕疵があるという報告書が提出され、唯一の根拠も失われた。

⑦以上のことから、沖縄県は、辺野古案が唯一という政府の考え方には間違っている、と認識している。

⑧この指摘に、出席閣僚からの反論はなかった。

翁長知事、安慶田副知事が在沖米軍トップに対し、沖縄の民意を伝え楔を打った〜9月4、5日付琉球新報より〜

2015-09-06

 翁長知事、安慶田副知事は、相次いで県庁を訪れた在沖米軍トップ等に対し、辺野古新基地建設反対の沖縄の民意を伝え、米軍に楔を打ち込んだ。沖縄の民意は間違いなく米国政府に届いている。

 3日に県庁に就任就任あいさつに訪れたホアキン・マレヴェット米海兵隊太平洋基地司令官に対しては、安慶田副知事が「県民の多くは辺野古基地に反対し、普天間飛行場の県外移設を望んでいる。」と沖縄の民意を伝え、4日に離任あいさつに訪れた在沖米軍トップのウィスラー四軍調整官に対しては翁長知事が辺野古問題について「辺野古の行く末によっては米国も当事者となる」と述べた。

以下は琉球新報からの抜粋だ。

(9月4日付琉球新報より抜粋)

 ・・・安慶田副知事は「県民の多くは辺野古基地に反対し、普天間飛行場の県外移設を望んでいる。海兵隊と良き隣人として付き合いたいが、辺野古基地建設を強行すれば海兵隊と県民は感情的に対立し、関係がこじれる」とくぎを刺した。

・・・・安慶田氏は強く新基地建設の見直しを求めた意図について「状況を知ってもらうためだ。就任早々厳しいかとも思ったが、やむを得ない」と話した。

 安慶田氏は会談で「米軍により戦後70年、日本の安全が保障されたことは評価する。だが国土面積の0.6%にすぎない沖縄に74%の在日米軍基地が集中するのは過剰だ」と強調した。

(9月5日付琉球新報より抜粋)

・・・翁長知事は・・、米軍普天間飛行場の辺野古移設計画について「過去に2度お会いし、県外移設を求める歴史的な意味などを話した」と振り返った。その上で「現在、日本政府と集中協議をしており、次が最後になる。米国は日本の国内問題というが、辺野古の行く末によっては米国も当事者となる」と述べ、県民の怒りの矛先が基地に向かう可能性に言及した。

 翁長氏は沖縄の過重な基地負担は「差別と言っていい状況だと理解願いたい」などと述べ「後任の方にも以前話した内容を伝えてほしい」と要望した。

 ウィスラー氏は「後任とは電話で数回話したが、沖縄の現状の複雑さを伝えている」と説明した。・・・

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1960年(昭和35年)11月21日生まれ
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辺野古新基地建設阻止、高江ヘリパッド建設阻止行動(キャンプシュワーブ・高江等)(57)
名護市辺野古海域の埋立は人類に対する犯罪だ。美しい辺野古の海を守りましょう!!!(11)
普天間飛行場の辺野古移設阻止(127)
許すなオスプレイ配備(183)
許すなオスプレイ配備2(50)
沖縄の米軍基地(23)
夜間爆音被害の実態 嘉手納・普天間両米軍基地(26)
第4次、第3次嘉手納基地爆音差止訴訟等訴訟、爆音関連(281)
嘉手納米軍基地の爆音(115)
嘉手納町役場から入手した爆音データより(17)
米軍機(オスプレイ等)事故(56)
普天間基地の爆音の最新情報(16)

電子書籍

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