埋立工事のための辺野古沿岸海域の漁業制限区域拡大は許されない〜沖縄防衛局田中企画部長発言から〜
6月16日に開催された県議会百条委員会で、沖縄防衛局の田中企画部長は、辺野古海域の漁業制限区域拡大が、埋立工事のためのであることを認めた。明らかに漁船操業制限法1条に定める設置目的に違反している。
以下は6.17付沖縄タイムスからの抜粋だ。
・・・防衛省が埋め立て工事海域で検討している漁業の制限強化の目的について、沖縄防衛局の田中・・企画部長は16日、「多数の工事関係船舶の往来が見込まれ、衝突などの不測の事態が起これば米軍運用を妨げかねない」と述べ、米軍使用との関連を強調した。 ・・・漁船操業制限法は米軍による水面使用の場合のみ定めており、防衛局の工事には適用できないと指摘した玉城義和氏‥の質問に答えた。 田中氏は、制限強化をめぐり農林水産省から13日、防衛省に「異議がない。損失の出る場合は適切な補償を」との回答があったことも明らかにした。一方、同法に基づく制限は主に「漁船が対象」とし、漁船以外の立ち入り制限は「米側と協議中」と述べるにとどめた。照屋大河氏・・・への答弁。 |
今回の田中氏の発言から、以下の問題点が判明した。
①漁船操業制限法第1条は、漁業制限区域の拡大について、「・・アメリカ合衆国の陸軍、空軍又は海軍が水面を使用する場合において」と規定している。今回の漁業制限区域拡大は、沖縄防衛局が実施主体の、埋立に伴う工事である。米軍が実施主体の工事ではない。したがって、前記要件には該当しない。
②「多数の工事関係船舶の往来が見込まれ、衝突などの不測の事態が起これば米軍運用を妨げかねない」との理由付けは意味不明である。多数の工事関係船舶の往来が、何故、衝突などの不測の事態が発生するといえるのか。そもそも、制限区域への立入り制限は「漁船が対象」であり、そうであれば、衝突などの不測の事態が発生するとはいえない。まったくもって、意味不明な理由づけだ。
③農林水産省からは、防衛省に「・・損失の出る場合は適切な補償を」との回答があったという。またもや、米軍のための出費だ。地元が反対する中で、強行に埋め立てを進めようとする日本政府。こんなつまらない出費を許していいのか。極めて疑問だ。