民主党の岡田幹事長が9,10日の日程で沖縄を訪問している。懸案である普天間飛行場移設問題に外相として関わったことについて次のように発言したと報道されている。

 「普天間の危険性を除去するためには、日米合意しかなかった。本当に申し訳ないが、そいういう答えしかなかった。」

 菅政権閣僚と同様である。申し訳ないと陳謝しながらも、日米合意の履行を求めた。

 また、民主党県連議員との意見交換の際には

 「私が一番必要だと思うのは、沖縄の皆さんの声に耳を傾けることだ。何度か通ってしっかり現場を見たい」とも述べたという。

 この発言は正論である。沖縄が何を求めているのかをしっかりと見極めるべきである。それができれば辺野古移設以外の途を模索しなければならないことに気づくはずである。

 今年3月には2万人規模の原告団による第3次嘉手納爆音訴訟の提訴が予定されている。また、仲井真知事は普天間飛行場の県外移設を求めるアクションプログラムの策定や日米安保研究会発足等を提起したが、これらは沖縄が動き出したことを意味する。黙ったままでは事が進まないことに沖縄が気付き始めたということだ。

 これまでは、基地の現状発信に重点が置かれてきたが、今後は、様々な角度から沖縄が主張・告発していかなければならない。そして、今年がその年になることは間違いない。

 沖縄タイムスの報道  琉球新報の報道

 昨日(9日)の新聞報道によれば、沖縄県教育長は2011年度採用の県内小学校の本務教員を現在の2.2〜2.3倍に、中学校を3.4倍に増やすことを明らかにしたという。以下は沖縄タイムス紙(HMはこちらをクリック)からの抜粋である。

1. 採用数の変化

  2009年度 2011年度予定数
小学校   108人 約 240~250人
中学校    41人 約 140人 

2. 2010.5.1現在の状況

  教員総数 臨時教員数 臨時教員数の割合
小学校  5263人  1076人    20.4%
中学校 3352人   652人    19.5%

3. 全国との比較

 ①臨時教員の割合は全国1位

 ②本務教員の割合  全国平均 93.7%

              沖縄県     83.1%

  現在の臨時教員数の割合は小中ともに約20%、5人に1人が臨時教員ということになるが、教員総数の中には校長・教頭等のクラス・教科を担当しない管理職も含まれており、現場で児童・生徒の指導に当たる職員数に占める割合はもっと高くなることはたやすく予想できる。メンタル不全による休職者の数が増加していると指摘される現状においては当然の措置といえる。

 臨時教員の身分は極めて不安定である。単年度契約であること。夏季休業期間中は業務とはならず、給与が支給されない雇用状況の契約形態もあると聞く。当然に、次の採用試験を目指して日中は学校、夜は受験勉強に励む人も多い。

 このような状況が、全国学力テストにおける毎年最下位の一因ではないかとの指摘もある。

 確かに、十分な知識・能力を有していなければ教員として採用できず、そのために採用試験があるのだが、教員採用数の減少が教員の資質の問題ではなく、予算の削減等の行政の思惑によるものであるとするならば、真っ先に改善されなければならない。

 その意味において、今回の本務教員数の増加は児童・生徒へのより適切な指導へとつながるものと期待する。

 教育は社会資本形成の極めて基本的な部分を担う。十分な予算確保は行政の責務であると思う。

 正月特集号の1面トップで第3次嘉手納基地爆音訴訟の原告団が2万人を超える見込みであると報じた琉球新報の1月3日社説(琉球新報HMはこちらをクリック)で、今回の第3次嘉手納基地爆音訴訟を『現代の民衆蜂起だ。』と称し、裁判所所は『飛行差し止めに踏み込め』と指摘した。

 社説でも指摘されているとおり、嘉手納基地を含む沖縄の基地運用は、米国内はもちろん、諸外国に存在する米軍基地と比較しても米軍の恣意により、自由気ままに使用されていると指摘されている。特に、深夜に及ぶエンジン調整や離発着は、沖縄以外の基地ではまず考えられないという。

 異常な飛行実態に抗議をしても、岡田前外相を始めとする日本政府は「基地の運用は第1義的には米軍に任されており、制限等はできない」というのが常である。沖縄に住む人間の生命・身体よりも米軍の訓練が優先されるというのである。社説の内容は決して誇張されたものではなく、沖縄の実態を示したものである。

 菅直人首相は年頭会見で、沖縄への米軍基地が集中という現状について「政治家の一員として大変ざんきの絶えない思いをしている。不条理という言葉で言い尽くせるかどうか分からないが、そういう思いを持ち、全体としては沖縄の基地負担を引き下げる方向でできることをできるだけ迅速に進めていきたい」と述べたという。それなら、何故、普天間飛行場の辺野古移設を強引に進めようとするのか。その意図が分からない。

 これまでは、沖縄の現状を広く知らせるために情報発信してきたが、今年は、沖縄の基地負担軽減に向けて、沖縄が主張し、告発する年になるに違いない。

 沖縄タイムス紙による47都道府県知事に対する沖縄の基地負担に関するアンケートは2009年暮れにも実施されたが、その際の沖縄の米軍基地負担が過剰であるとの認識を示した知事は3割に留まった(詳細はこちらをクリック2009:12:13 47都道府県知事のうち3割が沖縄の基地負担は過剰であると評価。これって納得できますか?)。これに対して2010年暮れの同様のアンケートでは4割が過剰の基地負担との認識を示した。これは、昨年1年間の沖縄の取り組みが結果となって現われたと言える。

 しかし、まだ、半分以上の都道府県知事が沖縄の過剰な基地負担を認識していないという状況は、まだまだ、沖縄の過剰な基地負担の状況が認識されていないことを意味する。

 今後は、沖縄の過剰な基地負担の状況を発信する段階から、主張・告発する段階に入っていかなければならない。行政はもちろん、司法の場を通して沖縄の過剰な基地負担の現状を主張・告発していくことが重要となる。その意味において、今年は具体的行動提起の年になるに違いない。

 琉球新報は正月特集号の1面トップで第3次嘉手納基地爆音訴訟の原告団が2万人を超える見込みであると報じた。(琉球新報HMはこちらをクリック)第2次爆音訴訟の原告団数5540人の約4倍に達し、国内最大のマンモス訴訟になる見込みだ。

 民主党による政権奪取以降の動きは基地周辺住民に危機感を抱かせた。岡田前外相を中心とした勢力による普天間基地の嘉手納統合案の提起、そして、その後の辺野古回帰は、基地負担軽減という沖縄の要求を実現する意思のないことを明らかにした。そして、知事選において、県外移設を公約とした仲井間知事が当選した現在においても、菅政権は辺野古移設を沖縄に飲ませるべく、脅したり好かしたり、相も変わらず飴と鞭の政策を執っている。

 先の普天間基地爆音訴訟の控訴審判決において、福岡高裁那覇支部は「司法判断が3度も示されているのに、抜本的な対策を講じていない上、自ら定めた環境基準も達成していない」国の姿勢を厳しく非難した。

 以上の状況の中で第3次嘉手納基地爆音訴訟の原告数が2万人を超えるといのは重要だ。

 これまでは沖縄の現状について知事や県議会等が情報発信する段階から、主張・告発する段階に入ったと言える。黙っていたのでは何も進まない、それどころか現状が悪化することに沖縄が気付いたと言える。

 今年は沖縄が沖縄のために行動する年になるに違いない。 

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