この事件は、社会保険事務所に勤務する国家公務員が休日に自宅周辺で、他人宅の郵便受けに赤旗を配布したことについて、国家公務員法違反(政治的行為)の罪に問われた事件である。
 国家公務員法違反(政治的行為)の罪とはどのような罪だろうか。
 国家公務員法102条は国家公務員の政治的行為を禁止している。政治的行為の具体的内容は人事院規則で定めるされ、人事院規則一四―七(政治的行為)には禁止される政治的行為が定められている。その6の七に「政党その他の政治的団体の機関紙たる新聞その他の刊行物を発行し、編集し、配布し又はこれらの行為を援助すること」が定められている。つまり、政党の機関紙を配布してはならないと規定されているのである。
 今回の事件では、被告は赤旗配布の事実については争わず、政治的行為を制限する規定自体の違憲性を争った。1審では罰金10万円、執行猶予2年の有罪判決を受けた。この判決について、東京高裁は原判決を破棄して無罪判決を言い渡した。
 判決要旨によれば、東京高裁は、「本件配布行為に罰則規定を適用することは、国家公務員の政治活動の自由に対する必要やむを得ない限度を超えた制約を加え、処罰の対象とするものと言わざるを得ないから、憲法違反との判断を免れず、被告は無罪だ。」とした。更に【付言】の中で、「わが国における国家公務員に対する政治的行為の禁止は一部とはいえ、過度に広範に過ぎる部分があり、憲法上問題がある。地方公務員法との整合性にも問題があるほか、禁止されていない政治的行為に規制目的を阻害する可能性が高いと考えられるものがあるなど、政治的行為の禁止は、法体系全体から見た場合、さまざまな矛盾がある。」とし、禁止規定そのものに憲法上の問題があると指摘している。
 国家公務員といえども、一般国民と同様思想信条の自由を有し、その制限は限定的なものでなければならないとの指摘でありもっともであると思う。

判決要旨を読みたい方はこちらをクリック

 栄子は野底山の入り口に立っていた。  客室乗務員に教えられたとおり、真新しい運動靴に履き替えた栄子は登り始めた。なんてことはない。途中綱を伝って登らなければならない場所はあるものの山歩きだ。たいしたことはない。少しずつ汗ばんできた。初夏の風が栄子の体に心地良い。

 しばらく登っていくと、後方から人の気配がした。誰だろう。こんな真昼間に山歩きをしているのは。自分のことはさておいて、不思議に思った栄子は後ろを振り返った。一人の少女が登って来る。少女は栄子の傍らを登って行く。

 こんにちは、栄子が声をかけた。

 少女は栄子の存在さえも気づかないかのように黙ったまま、傍らを通り過ぎて行く。変な子。15,6歳だろうか。かすりのような着物を来ている。裸足。まさか、栄子は目を疑った。声をかけているのに知らんぷりの裸足の少女。不思議に思いながら、栄子は少女の後に続いた。しかし、少女の足取りは速かった。山の坂道もなんのその少女はずんずん登っていく。やがてその後ろ姿は木々の間に消えていった。  頂上はまだかしら。登り始めてから40分くらい経つのに頂上はまだ見えない。栄子はリュックからペットボトルを取り出し、一気に半分くらいを飲み干した。唇から水がこぼれた。こぼれた水が喉元を伝って流れおちる。喉を潤すと、これまで目に入らなかった周りの景色が目に飛び込んできた。こんなに緑に囲まれたのはいつ以来だろう。ほんとに久しぶり。大きく深呼吸をしてみるとなんだか元気が湧いてくるような気がした。さあ、あと少し。栄子が登り始めた時。あ〜という声が聞こえたような気がした。何。鳥の声。動物の鳴声。定かでない。

 登り始めて1時間は経ったころだろうか。頂上が見えてきた。
 やっと来た。ほんの小さな頂に立った。周りを見渡すと石垣島の風景がよく見える。
 マーペーにとって大きな壁となった於茂登山も目の前だ。その於茂登山に向かって横たわるひと固まりの岩。これがマーペー。栄子は岩に手を触れてみた。冷たい岩。本当にマーペーは岩になったのかしら。
 野底山から見える石垣の景色はいつまでも、栄子に優しい風を送っていた。

  普天間飛行場移設先について、政府はホワイトビーチ沖合埋立案を模索しているという。政府は、埋立反対を示したうるま市議会の幾人かの議員と接触したという。接触した議員の中には受入条件としての振興策が市の活性化につながるものであれば、賛成に回ることもあると述べたと報道されている。政府と議員らとの間でどのようなやりとりがなされたかは不明であるが、ここへ来て、政府が本気でホワイトビーチ沖合埋立を考えていることが明らかとなった。 
 海岸でシギとハマグリとが互いにかみつき、相手を離さず争っている間に、両方とも漁夫に捕らえられたという。漁夫の利である。互いに争うことはどちらの益にもならず、誰を利する結果となるのか。そこで必要なのは徹底した議論であり、冷静な判断である。町を二分する争いは絶対に避けなければならない。
 振興策の意味合いが変化していると指摘される。基地あるが故に遅れている社会資本整備を目的とするものから、基地受入れに対する恩恵へと変わってきているというのだ。宮本教授は「わいろ性を高めている」と指摘する。
 沖縄の民意の切り崩しの動きには注意が必要である。

  今日、3月28日、浦添市美術館で開催中の『ピカソとルートヴィヒ美術館所蔵20世紀美術の巨匠たち 』を見てきた。2月6日から開催され、今日が最終日。見に行きたいと思っていたが、なかなか時間が取れずにやっと最終日に行くことができた。

 美術館の開館は午前9時30分。開館前に到着したのだが、すでに50人程が列をなしていた。子供連れの家族が多い。私も列に交じって開館を待った。いよいよ入館である。

 私自身は絵画を見るのは好きだが、ルートヴィヒ美術館所蔵20世紀美術の巨匠と言われてもさっぱり分からない。知っているのはピカソだけ。小学生か中学生のころ、初めてピカソの絵を見たときの衝撃が忘れられなかった。前を向いているような、横向きのような顔の絵や、さまざまな物が組み合わさったような絵。何が書いてあるのかよくわからない。しかし、記憶にだけは確かに残ってしまったへんてこな絵。その後、ピカソの絵画解説書の中で、ピカソの絵を10人が模写すると10人が全く異なった絵を描くと記されていた。その理由はピカソの絵にはピカソが見たたくさんの情報、例えば顔の絵であれば正面、横顔、真上、真下から見た要素が巧みに描かれており、見る者にとっては何を見たかにより模写した絵が異なってくるというのだ。そのことが忘れられず、その原画が見られるとのことだったので、足を運んだのである。

 展示されたピカソの絵は8点。中でも気になったのは『読書する女の顔』である。正面を向いているような、横顔のような、下には本をめくる指が描かれいる。私が距離を置いて、眺めていると、私の左側の絵を見ている女性の横顔が、私と『読書する女の顔』の間にすっぽりとはまった。きれいな女性だった。その横顔と絵がみょうにはまったのでしばらく見とれてしまった。

 次におもしろかったのは、『剣を持つ銃士』を眺めていたときだった。大きな絵なので距離をおいて眺めていたら、3歳くらいの男の子が退屈そうに、『剣を持つ銃士』の前で体操のような動きをしたかと思ったら座り込んで、終いには寝そべってしまった。どんなときでも子供は自由である。20世紀美術の巨匠も、まさに、かたなしである。たしかに、よくわからない絵がたくさん並んでいるなかでは退屈だ。20世紀美術の巨匠の作品よりも、どんなときでも自由な子供のほうが勝っていると思った瞬間だった。

 『森の精』(ポール・デルヴォー作/ピカソではない)もおもしろかった。森の精だから、服をまとっていない。若い女精(こう表現することにする)の裸の絵だ。ただ、森の精だから妖艶なところはなく、体の線もまっすぐに描かれている。微塵の色気も感じさせない。ところが、陰毛が丁寧に描かれている。いく人かの女精が描かれているが、いずれも同様である。しばらく、眺めた後、視線をずらすと中学生くらいの娘を連れた中年の女性と目があった。私を見つめている。私も見つめ返すと、視線をそらして、行ってしまった。そうか、女の裸に見とれている私を変なおやじと思ったにちがいない。変なおやじには違いないが、妖艶さを微塵も感じない絵を見つめている私を変態扱いするほうがおかしいよな、と思った。

 40分ほど眺めたが、気づくと、館内は満員状態になっている。帰宅しようと駐車場に向かうと満車状態。最終日とあって、多くの人々が訪れてきたに違いない。

 いい知れぬ余韻浸りながらに、私は美術館を後にした。

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 普天間飛行場移設案の一つとして、政府は、ホワイトビーチ沖合いを埋め立て、3600m級滑走路2本と3000m走路1本の代替基地を建設する案を提起しているという。米軍基地だけでなく、那覇空港を共用する自衛隊基地も移転する計画だという。たしかに、沖縄県の中心地である那覇市から米軍港や自衛隊基地が移転すれば観光を中心とした産業育成に寄与することは間違いない。しかし、移転先が問題である。またもや県内。辺野古沿岸部埋立案へ反対の民意は、県内移設が問題だと言っているのであり、名護市以外の市町村ならどこでもいいとは言っていない。少なくとも県外、あたりまえのことである。

 嘉手納米空軍基地の広大さをご存じだろうか。4000m級滑走路を2本有し、極東における米軍の最重要基地と言われている。それと同様の規模の基地、いや、3600m級滑走路2本と3000m走路1本の代替基地を造るというのだから、嘉手納基地よりも広大な基地を県内の東海岸沿いに建設しようというのである。これが、完成すれば、これまで絶対に避けなければならないとされてきた基地の固定化が一気にすすむことになる。基地の島沖縄の完成である。

 このような計画は暴挙というしかない。正気の沙汰とは思えないのである。

 沖縄の基地負担の軽減を声高に言う民主党鳩山政権には期待できないのか。民意により政権を取った鳩山政権だが、民意を無視した政策の果てに待っているのは何か。早くも末期症状を呈しているのか。信頼を寄せていた政権に裏切られようとしているのか。鳩山政権の一挙手一投足に注視する必要がある。油断大敵である。

 3月26日、足利再審事件の菅谷さんに対し、宇都宮地裁は無罪判決を言い渡した後、合議体の裁判官3名が謝罪した。謝罪の言葉の中で、裁判長は、「菅家さんの真実の声に十分に耳を傾けられず、17年半もの長きにわたり自由を奪う結果となりましたことを、この事件の公判審理を担当した裁判官として、誠に申し訳なく思います。」と述べたという。
 裁判官は憲法によりその地位の独立が保障されている。憲法第76条3項には『すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。 』と規定されている。裁判官の職務は裁判官の良心に従って行われ、これに制限を加えることができるのは憲法と他の法律のみであるとされている。
 今回の宇都宮地裁裁判官3名の謝罪はその良心に従って行われたものであり、謝罪の言葉の中の「このような取り返しのつかない事態を思うにつけ、二度とこのようなことを起こしてはならないという思いを強くしています。」とのくだりは、担当裁判官の決意ではあるが、それだけにとどまらず、司法全体の覚悟を示したものと言えるのではないだろうか。
 菅谷さんを免罪に陥れた決め手はDNA鑑定と自白であったとされているが、再審ではそのいづれも誤りであったことが指摘されている。
 支援団体は、当時のDNA鑑定鑑定の精度の低さについて早くから指摘されていたにもかかわらず再審請求が認められなかったことについても問題点を指摘している。
 司法制度改革において、裁判の迅速化が求められる中で、誤った裁判における救済においても迅速化が求められることを、この事件の教訓として学ばなければならないと思う。裁判の過ちを救済できるのは裁判所のみなのだから。

  一般的な書式については、法務省のホ―ムページに掲載されています。掲載されている内容は不動産登記のみならず、商業登記や国籍関係手続、供託関係手続等についても掲載されています。説明書、記載例等も掲載されていますので、参考になります。ちなみに、当ホーム―ページのリンク集官公庁を見ていただくと他官公庁へもアクセスできますのでご利用ください。
  土地建物の売買契約における登記申請書書式については、こちらをクリック。 

    栄子が、快感の汗をシャワーで流していたときだった。突然、彼の携帯が鳴った。
 「誰?」と尋ねる栄子の声に、孝男は応えない。
 栄子がシャワーを終え、バスルームから出ると同時に、身支度を整えた孝男が飛び込んできた。
「行かなきゃ。」と孝男。
「どこへ?」と栄子。
「息子が高熱を出して病院に運ばれた。髄膜炎の疑いがあるって。」
「重いの。」
「分からない。とにかく行かなきゃ。」
「ごめん。後で連絡するよ。」
せわしそうに部屋を後にする孝男に、
「分かった。」と応える栄子。
 栄子にはそれだけが精いっぱいだった。

 それから孝男からは連絡が来なかった。待っても待っても来なかった。
 何度も電話をかけようと思ったけれどできなかった。明日は来るかもしれないと待っているうちに、掛けそびれてしまった。たまに、職場で見かけても、孝男は避けるかのように栄子を見てはくれなかった。
 子供の病気。情事の場所からの突然の帰宅。「ごめん。」と言い残して。子煩悩な人柄に安心し、この人なら幸せな家庭を築けると信頼していた。でも、彼の後姿を見送った後、栄子は、得体の知れない不安に駆られていた。
 そして、その予感は的中した。奥さんとは離婚しても子供とは別れられない彼に気づいた。

 そして一人旅。

 春の選抜が開幕した昨日、沖縄でも、第57回沖縄県春季高校野球大会が開幕しました。この大会で優勝したチームは、4月に開催される九州大会に、選抜に出場している嘉手納高校、興南高校とともに出場することになります。冬場のトレーニングで鍛えぬいた力と力がぶつかり、甲ゲームが期待されます。ちなみに、息子が所属する普天間高校は那覇西高校に6対5でサヨナラ勝ちしました。

 以下は開会式の様子です。

昨年優勝校中部商業  普天間高校 優勝旗返還   選手宣誓

 開幕直後の第2試合。嘉手納高校は花咲徳栄高校に0対4で惜敗。
 エース池原の投球が高めに浮いたところを、花咲徳栄の打者は逃さなかった。県大会打率4割の実力を見せつけた。制球力において、いつもの力を出し切れなかった池原。また、打ち取ったはずのフライが強風と黄砂の影響で落球の不運も重なった。
 かたや、花咲徳栄は外野と内野の際のフライをことごとく好捕。ファイプレーでピンチを広げることなく試合の主導権を握った。
 野球の女神は、最後まで嘉手納には微笑まなかった。嘉手納を応援している者にとってはそう思えた。
 野球の世界では、野球の神様を見方につけるのも実力のうちという言葉があるという。実力が拮抗し、レベルの高い闘いになればなるほど、際(きわ)、ぎりぎりのプレーの完成度の高さが要求される。そこで必要なのはプレーの丁寧さと集中力である。
 夏の甲子園の出場枠は1校。更に大きく育った嘉手納高校の姿を見ることに、多くの人が期待している。

 

 普天間飛行場移設をめぐる動きに、一定の結論が出されようとしている。しかし、その方向性は問題の基本である地元の同意、民意とは程遠い結論になろうとしている。
 昨年8月の衆議院選挙で、「少なくとも県外」との公約(マニフェストに書いてないから公約でないという詭弁は許されない)で政権を取った民主党。その後の対米交渉においても、現行の辺野古沿岸埋立案を断念させるために、沖縄の民意である沖縄の米軍基地の整理縮小、沖縄の基地負担軽減を掲げてきたはずである。ところが、現在まとまっているされるのは、①キャンプシュワーブ陸上案と②勝連沖埋立案である。米国政府は地元住民の同意が得られない案の交渉には応じられないとの姿勢を示しているという。沖縄の民意を盾に交渉を開始したはずが、今度は逆にその民意を盾に米国から反対の姿勢を示されるのはいかにも皮肉である。
 普天間飛行場移設先問題の根本は、普天間飛行場の危険性の除去である。ところが、その解決に、沖縄の経済問題とか、利益誘導とか、はたまた鉄軌道の導入とか、様々な振興策が取りざたされ問題解決の方向性を複雑にしている。沖縄経済の百年の計などと豪語する向きもあるが、普天間飛行場の危険性の除去は急務だ。百年の計など危険性を除去してから考えれば足りる。
 沖縄の取るべき道はただ一つ。外野からの様々な騒音に惑わされることなく、沖縄の民意を主張しつづけることである。
 沖縄の基地負担の軽減は、すなわち住民の身体・生命の危険性の除去である。正義は沖縄の民意にあり、である。

   不在者財産管理人が不動産を売却した後に不在者が出現した場合は、不在者財産管理人は管理している売却代金等の財産を、現状のまま不在者へ返還すればよいということになります。
 出現した不在者から売却の責任を追及されたらどうすればいいのか、という懸念があると思います。しかし、売却には裁判所の許可が必要です。これが責任回避のひとつの理由になると思います。
2010:03:10 不在者所有の不動産を,不在者財産管理人が売却することはできますか。のページで売却手続について説明したとおり、不在者財産管理人の権限は財産の管理・保存行為にかぎられ、その処分には裁判所の許可が必要です。管理さえきちんとやっていれば特に問題はないと思います。
 もちろん、管理財産を勝手に処分したりすると責任を追及されることになりかねませんので、ご注意ください。

 ヘルパーやケースワーカーだから遺言執行者になれないと結論づけることはできないと思います。少なくとも民法では欠格者とはなっていません。(なお、個々の法律や規則・倫理規定等での規制はあるのかもしれません。この辺は承知しておりません。)   ただ、ここで問題となるのは、遺言者とヘルパーやケースワーカーの関係です。その間の関係は、介護や医療福祉相談等の職務上の関係であり、仮に遺言等の相談を受けた場合は、その専門家等への橋渡しをするのが当然と考えれば、ヘルパーやケースワーカー等の職務を超えた関係に入ることは適切ではないと判断されるかもしれません。本来のサービス提供義務の範囲を超えた関係へ踏む込むことが適切がどうかの問題です。。

 ただ、これを一切否定すると、介護や医療福祉の世界に求められる人と人とのつながりを築くうえでの障害にもなりかねないので、この辺りの判断が難しいと思います。  職業倫理上の問題もからんで判断が難しいと思いますが、具体的な事例毎に判断するのが良いのかもしれません。
  

  遺言執行者は遺言の執行を行います。遺言書に記載された内容を現実化するための作業を行うことになります。

(1)遺言者執行者になれない者  未成年者及び破産者は、遺言執行者にはなれません(民法1009条)。したがって、遺言者が仮に遺言で、未成年者や破産者を指定したとしても、無効ということになります。

(2)遺言執行者の指定  遺言者は遺言で、遺言執行者を指定することもできますし、その指定を第三者に委託することもできます(民法1006条)。指定しなくても構いません。遺言執行者がいないときに、 必要があれば、相続人等の利害関係人が家庭裁判所に指定の申立てを行い、家庭裁判所に選任してもらえばよいのです(民法1010条)。

(3)遺言執行者の仕事  遺言執行者は、まず、相続財産の目録を作成して、相続人に交付する必要があります。 遺言を執行するにあたって、その内容を示すわけです。また、相続人の請求があるときは、その立会いをもって作成し、若しくは公証人に作成させなければなりません。                                                        (民法1011条)

(4)遺言執行者の権限  遺言執行者は、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有します(民法1012条1項)。相続人が遺言無効を主張する場合の被告になることもあります。

(5)遺言執行者の報酬(民法1018条1項) 遺言者が遺言で報酬を定めたときはそれに従います。定めてないときは、家庭裁判所に申し立てて定めてもらうことができます。

 情事の時の孝男は、特に優しかった。今まで、こんなに優しく、いたわるように抱いてくれた男(ひと)はいなかった。耳たぶから足の先まで、孝男は優しく愛撫してくれる。ゆっくりと。栄子の体だけでなく、こころまでもいたわるように、優しく唇をふれてくる。抗しがたい快感が栄子を包む。栄子は目を閉じたまま両足をぴたと閉じたままだ。溢れだす興奮はとどまることを知らない。いつの間にか、われを忘れた栄子は押し殺すように声を漏らす。
 いや〜、とつぶやく栄子。
 いやなの、と孝男。
 馬鹿。
 そのときだけ、栄子は頭を起して幼子をいたわるように言った後、静かに両足を開いた。
 たわいないやり取りが、2人の思いを確認するのには十分だった。

 情事でいったのは彼が初めてだった。 
 この人となら幸せになれるかもしれない、と思った。
 彼の優しはそれだけではなかった。妻の悪口は言っても、子供には優しかった。子供のことを語るときの優しさは格別だった。この人となら幸せな家庭が作れるかもしれない。

 栄子は本気でそう思った。

 普天間飛行場移設先の政府案決定期限が迫る中、マスコミ報道は、沖縄にとって気が重くなるものばかりだ。鳩山首相はオバマ大統領にも、駐日大使にも、辺野古沿岸部埋め立ての現行案でいくと言明していたとか、現在政府内で検討されているのはホワイトビーチ沖合埋立案であるとか。他にも検討されているとされるのは、すでに消えたはずのキャンプシュワーブ陸上案等である。いずれも、沖縄にとって、とうてい納得できるものではない。

 仲井真知事が県内移設に拘りを見せたのは、この辺りの政府の動きを懸念したからであろうかと推測する。一度振り上げたこぶしはなかなか下ろせなくなる。この点を懸念したのか。

 これらが事実とすれば、鳩山政権は最初から沖縄の基地負担軽減を考えていなかったことになる。正確に言えば、鳩山政権の考えていた基地負担軽減の意味するところと、沖縄が求める基地負担軽減との間にはかなりのかい離があったということか。

 沖縄の求める基地負担軽減策に本気で取り組む政治家はいないのか。

 昨日13日の土曜日、私の二男が通う普天間高校と甲子園出場を決めた嘉手納高校との練習試合が行われました。場所はリニューアルした嘉手納野球場です。嘉手納球場は湘南シーレックス(横浜ベイスターズの2軍)がキャンプをしていますが、昨年、本格球場仕様の黒土を入れ替えたばかりです。

 試合は7対1で嘉手納高校の貫録勝ちでした。嘉手納高校の試合運びをみると、自信に満ちた気迫を感じました。キャプテンの真謝君は甲子園の抽選のため不在、当然エースの池原君は温存し、3番センターでの活躍でした。

 一方普天間高校は気迫負けという感じです。体格的には決して見劣りはしないのですが、嘉手納2番手の山城君の投球にはまったくタイミングがあいません。山城君の投球は九州大会での活躍をばねとなって更に磨きがかかっている感じです。

 沖縄県の春季高校野球大会も選抜と同じで、21日に開幕するのですが、普天間高校も開会式直後の第2試合で那覇西高校と対戦します。嘉手納高校も開会式後の第2試合が決まっています。選抜と県大会と舞台は違いますが、同じ時間帯での試合です。どちらも初戦突破で勢いをつけてもらいたいものです。

普天間の先発津波君

私の息子トップでセンター

普天間の2番手比嘉君

 嘉手納池原君

嘉手納野原君

嘉手納1塁喜友名君

 この試合でキャッチャーを
していた嘉手納金城君

 公正証書が無効と判断された判例があります。内容は以下のとおりです。
【事 例】
 遺言者甲は重い内臓疾患で入院していたが、人が声をかければ返事をするが理解していたかどうかは疑わしい状況であった。その甲が認知する旨の遺言をしたいとの連絡を受けた公証人が病院に赴いた。公証人は、甲に対して、「子供のことで遺言するというのは本当か」と聞いたところ甲はうなづいた。続けて「乙を子として認めるという公正証書を作ってよいか。」と聞いたところ甲はうなづいた。更に「乙はあなたの子に間違いないか」と聞いたところ甲がうなづいたので、その旨の公正証書を作成した。この遺言に異を唱えた相続人が遺言無効確認訴訟を提起した。
【裁 判】
 一審裁判所は公正証書遺言を有効と判断しました。
 控訴審では、うなづくだけで、遺言の趣旨を把握できる程度の口述をしていないから、遺言の要件である口授(民法969条2号条文参照)はなされていないとして、遺言は無効であると判断されました。
 上告審では「遺言者が、公正証書によって遺言するにあたり、公証人の質問に対し言語をもって申術することなく単に肯定または否定の挙動に示したにすぎないときには、民法969条2号にいう口授があったものとはいえず、このことは遺言事項が子の認知に関するものであっても異なるものではないと解すべきである」として、遺言は無効と判断されました。

 この判例は、公正証書遺言については、口授が要件とされているので、公証人の質問に対して、単に肯定または否定の挙動に示したにすぎないときには、口授があったものとはいえず、遺言は無効と判断されることになるとしています。公正証書遺言をするにあたっても、遺言者が真意に基づいて遺言できる状況にあり、その内容を口授により示すことが必要になることを、この例は示しているといえるでしょう。
【民法962条】
(公正証書遺言)
第九百六十九条 公正証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。
一 証人二人以上の立会いがあること。

二 遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること。
三 公証人が、遺言者の口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせ、又は閲覧させること。
四 遺言者及び証人が、筆記の正確なことを承認した後、各自これに署名し、印を押すこと。ただし、遺言者が署名することができない場合は、公証人がその事由を付記して、署名に代えることができる。
五 公証人が、その証書は前各号に掲げる方式に従って作ったものである旨を付記して、これに署名し、印を押すこと。

 結論から申し上げると可能です。もちろん、売却代金は不在者のために保管しておくのが不在者財産管理人の務めですから、不在者が帰ってくるまで、あるいは不在者の死亡が確定し相続人に引き継ぐまで保管しておく義務があります。
具体的な売却手続は以下のとおりです。
①不在者財産管理人を選任した家庭裁判所へ不動産売却の許可の申立て(権限外行為の許可の申立て)を行います。
②申立てに際しては売買契約書(案)等の必要書類を添付します。
③許可決定が発布されると売却が可能になります。
④申立書式及び添付書類等(こちらをクリック:最高裁ホームページ)

 不在者財産管理人の仕事はその名称のとおり、不在者の財産を管理することにあります。その権限は保存行為と管理する財産の現状を変えない程度の利用行為等に限られます。したがって、売却は権限の範囲を超えているので、裁判所へ権限外行為の許可の申立てをする必要があるのです。
 権限外行為許可の申立は、公共工事(ダム建設や道路建設等)の際に所有者の所在が不明であるような場合に執られます。 
根拠法令(いずれも民法の規定です)
(管理人の権限)
第二十八条 管理人は、第百三条に規定する権限を超える行為を必要とするときは、
家庭裁判所の許可を得て、その行為をすることができる。不在者の生死が明らかでない場合において、その管理人が不在者が定めた権限を超える行為を必要とするときも、同様とする。
(権限の定めのない代理人の権限)
第百三条 権限の定めのない代理人は、次に掲げる行為のみをする権限を有する。
一 
保存行為
二 代理の目的である物又は権利の性質を変えない範囲内において、その
利用又は改良を目的とする行為

質問・相談等ございましたら、当事務所までご連絡ください。

   栄子の彼は会社の上司の孝男。いわゆる社内不倫。でも、栄子は本気だったし、孝男も妻と別れて結婚すると言ってくれた。部署が違うのでいっしょに仕事をしたことはない。社内食堂で声をかけられ、何度かデートするうちに引かれていった。
 「孝男さん。どうして私に声をかけたの。」
 「え。」
 虚をつかれたように孝男は声を詰まらせた。
 「実は、始めて栄子をみたときからピンときていたんだ。」
 「ピン、って何?」
 「直観みたいなものかな。この女(ひと)ならと思ったんだ。」
 「この人(ひと)ってどういう意味?」
 「運命の女って感じかな。」
 「孝男さん、奥さんいるじゃない。どうして私が運命なの。」
 「あいつとは弾みで結婚しちゃったんだよ。結婚するまでは優しく振舞っていたくせに、結婚する と同時に掌を返したように変わった。掃除はしないし、飯もまずい。朝は弱いからって俺が出勤するまで起きてもこない。最悪だよ。だから、俺、哲学者にでもなろうかと思ったくらいだよ。」
  孝男は悪戯っぽく笑った。
 「でも、子供さんいらっしゃるんでしょ。」
 「子どもがいるから我慢できるようなもの。子は鎹(かすがい)っていうだろ。子どもがいなけりゃ離婚だよ。」
 「そうなんだ。」
 他人の夫婦関係なんか別に興味がなかったけれど、こうして直に聞かされると興味というか、何か変な感じだけど、もっと聞きたくなる。
 「ここしばらくセックスレス。こんな状態で、栄子のような女に出会ったらいちころだよ。栄子は俺にとって特別だよ。」
  ほんとに特別なの。

 孝男の言葉を信じたいような、信じられないような。微妙に揺れ動く心の戸惑いの中で、でも、たしかに孝男に惹かれていく自分自身が、栄子は愛おしかった。

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登録番号  第08471847号
1960年(昭和35年)11月21日生まれ
家族:両親、妻、息子3人
プロフィールの詳細は代表者あいさつに掲載しました。よろしくお願いします。  

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名護市長選挙(2018年2月4日)(9)
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緑ヶ丘保育園・普天間第2小学校(宜野湾市在)への米軍ヘリ落下物事故(31)
うるま市伊計島、読谷村儀間、渡名喜島での米軍ヘリ不時着事故。さらに伊計島でのオスプレイのエンジンカバー落下事故。(8)
米軍ヘリ落下物事故、墜落、不時着等を受けての政府の対応(18)
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代執行訴訟、違法確認訴訟等これまでの経緯(翁長知事 辺野古新基地建設阻止)(257)
集団的自衛権行使は憲法違反。安保関連法案を廃案にせよ。(17)
辺野古新基地建設阻止、高江ヘリパッド建設阻止行動(キャンプシュワーブ・高江等)(57)
名護市辺野古海域の埋立は人類に対する犯罪だ。美しい辺野古の海を守りましょう!!!(11)
普天間飛行場の辺野古移設阻止(127)
許すなオスプレイ配備(183)
許すなオスプレイ配備2(50)
沖縄の米軍基地(23)
夜間爆音被害の実態 嘉手納・普天間両米軍基地(26)
第4次、第3次嘉手納基地爆音差止訴訟等訴訟、爆音関連(281)
嘉手納米軍基地の爆音(115)
嘉手納町役場から入手した爆音データより(17)
米軍機(オスプレイ等)事故(56)
普天間基地の爆音の最新情報(16)

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