今年2月に実施された宜野湾市長選挙。安里前市長の辞任を受けて2月5日公示、12日投票で実施されたが、普天間飛行場の辺野古移設を目指す政府の動きともあいまって熾烈な選挙戦が行われた。
そんな中、1月31日の衆議院予算委員会で、共産党の赤嶺議員が、沖縄防衛局が、同局職員の宜野湾市に選挙権を有する親族(家族、いとこ、親戚)がいる者の状況について調査をしたうえ、該当職員に対して局長講話を行っていたと指摘した。赤嶺議員の指摘を受けて、防衛省の内部調査が実施された。真部沖縄防衛局長はリストの作成、講話実施について認め、当該行為の違法性及び自らの進退についてまで言及したが、防衛省の処分は訓戒にとどまった。詳細当HM記事真部沖縄防衛局長の講話問題、訓戒処分にを参照)
今回の那覇地検の不起訴処分は、沖縄弁護士会の弁護士23人の告発を受けての判断であるが納得できるのもではない。那覇地検の不起訴判断の理由について、今日(31日)付琉球新報は次のように伝えている。以下は同紙からの抜粋である。
・・真部局長を自衛隊法違反の疑いで那覇地検に告発していた事案で、那覇地検は30日、「真部局長の講話は政治的行為に当たらない」として不起訴処分(嫌疑不十分)とした。・・ 那覇地検は嫌疑不十分の理由として「特定の立候補予定者への投票を依頼したということは認められない。自衛隊法で禁じた政治的行為に当てはまらない」と判断したという。・・ |
真部局長講話(詳細は当HM記事沖縄防衛局の宜野湾市長選関与問題 真部局長講話の要旨参照)の内容は以下のようにまとめられる。
①まず、伊波・佐喜眞両候補の普天間飛行場移設に関する公約を説明
②次に、沖縄防衛局の取り組んでいる普天間飛行場の辺野古移設計画の経緯・原状に言及
③そして、今回の宜野湾市長選挙への投票権を有する職員のみならず、親戚縁者にも投票を勧めるよう促した
以上の内容からすれば、真部局長が何のために講話を開催したのかは一目瞭然である。まさか、辺野古移設阻止を訴える候補者への投票を目的としたとは考えられない。それまでの伊波・佐喜眞両候補の主張を見比べれば少なくとも伊波候補の当選を阻止したい意図は明白である。
告発を取りまとめた仲山弁護士は「納得いかない。検察審査会への申し立てを検討する」と発言している。
次は舞台を検察審査会に移し、市民の公正な判断を仰ぐことになる。
以下にこの問題の経緯についてまとめてみた。検察の不起訴が妥当か否か、考えていただければ幸いだ。