2020年3月17日午後9時8分嘉手納米軍基地。嘉手納町住民地域上空で、爆音と排気ガスを撒き散らし違反飛行を繰り返す米軍ヘリ2機。

 危険極まりない、生活環境破壊、人権侵害だ!米軍は沖縄から出て行け!

 昨日(17日)仲井真知事と会談した一川防相が、普天間飛行場の名護市辺野古への移設に向けた環境影響評価(アセスメント)の最終段階である評価書について、年内にも県に提出する意向を伝えたことに対して、県内からは反発の声が拡がっている。更に、評価書にはオスプレイ配備に向けても記載することを、唐突に明らかにした。

 県内移設を認めない沖縄の民意に応えるどころか、オスプレイ配備をももくろむ民主党政権の姿勢は強く非難されなければならない。

 更なる基地負担を強要する姿勢を示しながらも、辺野古移設が沖縄の基地負担軽減につながると強弁するのは何を意味するのか。正気の沙汰とは思えない。

名護市長「政府は米国追従」と批判(沖縄タイムス)

普天間アセス オスプレイも記載(同)

防衛相に普天間の危険訴える(同)

「自衛隊と米軍違う」防衛相発言を批判(同)

評価書、年内提出を伝達 辺野古アセスで防衛相(琉球新報)

在日米軍再編:普天間移設 辺野古アセス、年内提出へ 米に「進展」アピール(毎日新聞)

一川防衛相、沖縄知事と会談 普天間移設先の環境評価書の年内提出を表明 知事「県民は怒り」(産経ニュース)

 オスプレイ配備について、「沖縄防衛局は6日、米海兵隊が垂直離着陸輸送機MV22オスプレイを2012年から普天間飛行場に配備すると、県や宜野湾市、名護市、金武町など関係自治体に正式に伝えた。」と報道されている。

 先月13日の大臣会見で、北澤防相は「アメリカ政府から正式にオスプレイ配備の話が来ているということもありません。しかしアメリカ政府の様々な文書の中にもそれは見受けられる・・。米軍全体の中ではそれが粛々と行われておりますので、米側から正式に聞かれれば十分検討しなければいけないということです。」と述べていたものの、県・関係自治体への事前通知もなく、しかも防衛省からではなく、出先機関の沖縄防衛局から伝えられたことは、この問題についての日本政府の姿勢が伺われる。

 「オスプレイは配備中のヘリコプターに代わる「単なる機種更新」(日米外交筋)との位置づけで、協議対象ではないと判断している。 」との日本政府の姿勢はこれまでも報道されたが、今回の対応は、正にこのことを示している。

 米本国においても騒音被害による苦情が相次ぎ飛行が禁止され、未亡人製造機とも揶揄される極めて危険なオスプレイを、沖縄に配備しようというのだ。

 沖縄の民意でオスプレイ配備を阻止しなければならない。

【報道】

オスプレイ配備:市民に反発と懸念(沖縄タイムス) 

オスプレイ、普天間配備を伝達 国、県へ正式に(琉球新報)

【本HM記事】

防衛副大臣、オスプレイの沖縄配備について言及

悪名高きオスプレイ、来年にも普天間配備の報道

悪名高きオスプレイ、来年にも普天間配備の報道②

悪名高きオスプレイ、来年にも普天間配備の報道③〜事故映像をアップ〜

 6月4日付琉球新報に掲載された佐藤優氏のウチナー評論「原口前総務相の発言〜基地の差別性に理解を示す〜」は極めて興味深い。以下はその引用(抜粋)である。

 5月31日、・・原口一博氏が代表を務める政策集団「日本維新・Vデモクラッツ」の設立総会・・。原口氏は演説の中で、鳩山由紀夫前首相が米国との関係を見直したことは正しかったとした上で普天間問題に関し、「沖縄の人々はこれを差別と受け止めている。それを踏まえて問題解決をしなくてはならない」と述べた。・・原口氏は沖縄米軍基地問題と構造的差別の問題について、真剣に研究し始めている。・・菅首相が・・辞意を示唆し・・、民主党に関しては・・若い世代の政治家に・・権力が移行する・・。いまのうちに沖縄が総力をあげて、これら若い世代の政治家への働きかけを強めることが重要だ。

 民主党の閣僚経験者の中から、沖縄差別の認識が示されたことは重要だ。

 戦前、戦後、そして現在に至るまで、沖縄への基地負担の押し付けが、沖縄への差別意識に根ざしていることは明らかであり、ことあるごとに仲井真知事も説明しているとおりである。米軍人や軍属による事件・事故・犯罪等についての対応や騒音防止協定があるにもかかわらず地域住民の生活環境を無視した演習が繰り返される実態(米本国や諸外国の米軍基地では夜間・深夜の演習は行われていない)は、この差別意識に基づくものとしかいいようがない。

 沖縄の基地問題の深層に巣くう沖縄差別について、原口前総務相自らが認め、「それを踏まえて問題解決をしなくてはならない」と指摘していることは極めて重要だ。

 また、佐藤氏は同評論で、「辺野古移設の強硬に歯止めをかけている」政治家として原口氏と前原誠司前外相をあげているが、前原氏は政権奪取前には米国との交渉を示唆していたが、現在は辺野古移設論者としての立場を堅持しているかのように見える。

 いずれにしても、沖縄の基地問題の解決には佐藤氏が指摘するように、沖縄からの積極的な行動が必要である。これまでの運動の成果で、辺野古移設期限が撤回され、辺野古移設は頓挫することになる。

 今後は、これまで以上に沖縄の声を発信することはもとより、佐藤氏ご指摘のとおり、沖縄応援団を築き、拡大していくことが重要だ。

 オスプレイの配備については、これまでも噂されてきたが、仲井真知事をはじめとして、県内からは再三の配備反対の意思が表明されてきた。にもかかわらず、来年12月に普天間飛行場に配備されることが決まり、その内容を北澤防相が知事に通告するという。極めて危険な機種を、世界一危険な基地とも言われる普天間飛行場に配備しようというのか。またもや沖縄に対する配慮は一切なく、米国の意のままに事が進められようとしている。

オスプレイの事故映像〜YOU TUBEから〜

 オスプレイの沖縄配備に関する日本政府の立場についての報道は以下のとおりだ。(5月30日付け沖縄タイムスより抜粋)

・・日本政府はオスプレイ配備を拒否する法的権限はないとの立場だ。・・日米安全保障条約に基づく事前協議制度があり、対象は「重要な変更」。オスプレイは配備中のヘリコプターに代わる「単なる機種更新」(日米外交筋)との位置づけで、協議対象ではないと判断している。

 地元感情を理由に配備見送りを米側に要請する道もあるが、防衛相幹部は「開発段階で墜落事故が相次いだとはいえ、米軍が実戦配備している装備を『危険だ』と拒むのは難しい」と指摘する。

・・政府は安全性を裏付ける情報の提供を米側に求め、沖縄の不安解消を図る見通しだが「万が一、墜落して住民を巻き込む惨事が起きれば、県内移設どころか『海兵隊は日本から出て行け』という騒動になりかねない」(政府筋)との懸念も出ている。・・・・・

 日本政府が守ろうとしているのは何か。結局はサンフランシスコ条約当時(日本の独立のために沖縄を切り離した時)と同じ認識に立っているのではないか、と思えてくる。

 オスプレイ配備が、日米両政府の事前協議の対象である「重要な変更」であるか否かの判断は誰がするのか。米国政府が判断するというのであれば、事前協議の対象となるわけがない。日本政府から危険性の高い機種がゆえに事前協議すべきであると申入れるべきである。単に、「安全性を裏付ける情報の提供を米側に求め」るだけで、基地周辺住民の身体・生命の安全を守るべき政府としての責任を果たしていると言えない。

 日本政府の毅然とした対応を求める。

 これまでもうわさが絶えなかったオスプレイの沖縄配備。昨年11月には安住防衛副大臣が「沖縄への配備を正式な場で伝えてきたのではない。しかし現実に海兵隊の動きを見れば十分想定し得る状況になっていることを念頭に、日米で協議している」と述べていた(詳細は本HM記事防衛副大臣、オスプレイの沖縄配備について言及参照)。

 昨年7月に言い渡された普天間基地爆音訴訟控訴審判決で、福岡高裁那覇支部は、「過去の嘉手納基地爆音訴訟で、これまで司法判断が3度も示されているのに、抜本的な対策を講じていない上、自ら定めた環境基準も達成していない」として、国の姿勢を厳しく指摘したばかりである。その上に、危険この上ないオスプレイの配備を日本政府も追認しようとしている。

 この暴挙を決して許してはならない。

【報 道】

米、普天間にオスプレイ配備 伝達へ(沖縄タイムス)

米、オスプレー配備を伝達 来年普天間へ、反発必至(東京新聞)

米、オスプレー配備を伝達 来年普天間へ、反発必至(河北新報)

 台風2号が沖縄に接近していた昨日28日。仲井真知事と松本外相が会談した。仲井真知事が普天間飛行場の県外移設を求めたのに対して、松本外相は辺野古移設案の推進と6月下旬の2プラス2で代替施設の位置や工法を決める政府方針を県に伝えた。

 完全なすれ違いである。今月上旬の北澤防相との会談のように双方が興奮する場面は見られなかったようだが、松本外相は沖縄の声など聞こえないとばかりに、一方的に通告しただけのようだ。

 近日中にも内閣不信任案が提出される見込みのようであるが、不信任案が可決されれば、菅首相は衆議院を解散する可能性もある。6月下旬の2プラス2が予定通り開催されるのか。

 いずれにしても菅政権では沖縄の基地問題を解決することはできない。

 沖縄の基地問題が解決されるまで、沖縄は、沖縄の声を、上げつづけなければならない。

【松本外相との会談を伝える報道】

普天間代替「次の2+2で決める」と外相(沖縄タイムス)

知事・外相会談「予定調和」的な側面も(同)

知事・外相会談 「県外」の声無視 姿勢鮮明(琉球新報)

松本外相「現行計画を進める」(OTV)

知事、外務大臣会談 外務大臣「日米合意を踏まえる(QAB)

仲井真氏「辺野古案は不可能」 松本外相、沖縄訪れ会談(asahi.com)

日米合意を推進 普天間移設で外相(日本経済新聞)

「辺野古」工法6月決定へ…沖縄知事に外相伝達(読売新聞)

松本外相、2プラス2で位置決めたい=普天間移設、沖縄知事に伝達(時事ドットコム)

在日米軍再編:普天間移設 沖縄知事、改めて「県外へ」 松本外相に会談で(毎日JP)

クローズアップ2011:日米合意から1年 「普天間」続く迷走 「辺野古案」風前(同)

外相 辺野古移設へ理解求める(NHK)

 昨年5月28日の日米合意(普天間飛行場の辺野古移設決定)から1年が経過するのを受けて、前原前外相が琉球新報のインタビューに応じた。その中で、前外相は、辺野古移設案に実現の根拠について「根拠はない。誠心誠意お願いをするしかない。・・」と述べ、沖縄の翻意への期待を示す。更に打開策について「・・基地問題と百パーセント切り離し、沖縄県民に喜んでもらえる振興計画を作る・・」と述べている。基地問題と百パーセント切り離された振興策なら沖縄は喜んで受入れるだろうが、その受入れが辺野古受入れにつながることは100%ないから、振興策が打開策となる可能性はない。

 辺野古移設の日米合意の移設期限は撤回される見通しだ。(本HM記事:辺野古移設の日米合意 移設期限撤回に関する報道)この事実は、辺野古案がもともと実現不可能な計画だったことの証である。見直しは必至である。

 そのためには日本から解決策を提示しなければならない。政権奪取前にはあれだけ威勢のよかった民主党(本HM記事民主・前原氏 グアム協定「反対」「政権取ったら見直す」(平21.3.5琉球新報より)にはもどれないのか。今再び日本の政治家の資質・姿勢が問われている。

日米共同声明1年 前原前外相インタビュー(琉球新報 詳細はこちらをクリック)

 「硫黄鳥島へ訓練移転 鳥島射爆場、防衛省が検討(琉球新報)」というニュースが報道されている。沖縄の求める基地負担軽減の観点からの措置と説明されているが、沖縄が求めているのは訓練の完全移転であって、県内離島の硫黄鳥島への訓練の移転では何の解決にもならない。事実、「久米島町の平良朝幸町長は本紙(琉球新報)取材に「政府の打診は何もなく寝耳に水の話。町有地を新たに提供するつもりは毛頭ない。検討が事実なら、とても不愉快だ」と拒否の姿勢を示した。」と報道されている。正にそのとおりである。

 米軍基地は沖縄に。普天間飛行場移設問題にも示される政府の姿勢が、ここでも明かになったかたちだ。

 5月7日に来沖し、仲井真知事と会談した北澤防相は「私みたいな頭の悪い者でもしばらくやっていたら理屈は分かるんですが」と述べた。今回の鳥島射爆場移転の提案を見ると、あなたのような頭の悪い人が防相をやっているから沖縄の基地問題が解決しないんだと指摘したくなる。

 基地問題の解決にあたっては、日本政府や閣僚が沖縄の基地負担軽減をなによりも優先する姿勢を保ち続けなければ解決にはつながらない、と当HM記事普天間飛行場移設に関する閣僚の覚悟の度合いで指摘したことがあるが、今回の提案にその思いを更に強くした。

 昨日(5月24日)夕方、普天間飛行場移設地に名乗りを上げている国頭村安波地区で区民総会が開催された。総会には約100人が参加し、移設案を推進する上原前村長や比嘉勝秀元県議が案について説明した。採決は持ち越され結論は出なかったが、区民から計画に反対する声が多数上がった、という。

【報道】

「普天間」意見割れ採決延期 安波区民総会(琉球新報)

安波区採決持ち越し 読み外れ、事実上頓挫(同)

安波区、普天間代替の結論先送り(沖縄タイムス) 

普天間移設誘致 結論出ず、国頭村の区民総会紛糾(読売新聞)

普天間受け入れ、結論出ず=沖縄・国頭村が住民集会(時事ドットコム)

 普天間飛行場移設に関し、国頭村安波地区から、沖縄自動車道の延伸等を条件とした移設受入れ案が提示されたという。この問題について、昨日(24日)地元安波区で区民総会が開催されされた。報道によれば、案についての賛否の結論は出なかったという。

 現存する沖縄の米軍基地は銃剣により収奪され、その後の様々な沖縄の人々の運動の中で現在の形になってきた。地代など支払わずに米軍使用が続いた時代から、形式的には賃貸契約書を交わして、地代を日本政府が支払っている。契約を拒否しても強制収容される運命にあり、その意味において契約に同意しようが、しまいが米軍基地が残ることになる。

 これと比較すると、今回の安波地区の提案は多く異なる。米軍基地の誘致である。沖縄の基地の歴史を大きく変えることになるのではないかとの懸念を持つのは、私だけではないだろう。

【報道】

安波案」区民の意見集約へ(QAB)

国頭各区長は地元で対応検討(NHK)

安波区 2500メートル滑走路想定(沖縄タイムス)

普天間代替:揺れる安波区、対立懸念も(同)

普天間移設 宮城馨国頭村長に聞く(同)

安波区 普天間基地の移設誘致で区民総会(RBC)

 亡霊のごとく蘇った普天間飛行場の嘉手納統合案。

 再三にわたる抗議の声を無視した今回の提案は許されません。更なる爆音被害の増大につながる嘉手納統合案を阻止しなければなりません。

 嘉手納町議会主催の6.12嘉手納統合案粉砕をめざす住民集会により、住民の意思を明確に表示しなければなりません。町内外を問わず、多くの基地周辺住民のみなさんの参加を呼びかけます。

【報 道】

嘉手納町 統合案反対集会 来月開催へ(OTV)

嘉手納統合案 来月、抗議の住民集会開催へ(QAB) 

嘉手納統合案反対 集会へ参加呼び掛け(沖縄タイムス)

嘉手納統合案反対し集会へ 地元議会など来月12日に(東京新聞)

 キャンベル米国務次官補の発言が波紋を呼んでいる。レビン軍事委員長らの、辺野古移設見直し提案については、「日米両政府高官は既定路線を見直す考えがない姿勢を鮮明にした。」と報道されているが、普天間飛行場の辺野古沿岸への移設期限についてどうするのかについては明らかにしていない。

 しかし、報道各社も報道内容は異なるものの、2014年期限が撤回される見通しであることを伝えている。期限の撤回が現行案の見直しへとつながっていくことは明らかである。

・・日米両政府は同委で移設期限を正式に撤回する方針。(東京新聞)

・・北沢俊美防衛相は同年までの移設を断念する考えを表明しており、同委で移設期限を正式に撤回するとみられる。(産経新聞)

・・北沢俊美防衛相が14年期限を困難と明言したことについては「2プラス2で取り上げられる」と述べるにとどめた。(沖縄タイムス)

 来日中のキャンベル米国務次官補は22日、「外務省の梅本和義北米局長や防衛省の高見沢将林防衛政策局長らと都内で会談し、米軍普天間飛行場を名護市辺野古に移設するとした現行計画を推進する方針を確認した。」と報道されている。更に、レビン軍事委員長らの、辺野古移設見直し提案については、「日米両政府高官は既定路線を見直す考えがない姿勢を鮮明にした。」という。

 普天間飛行場移設に関しては、米国内でも議会と政府で意見の対立があるようだ。日本政府においても、北澤防相は、2014年までに米軍普天間飛行場を名護市辺野古に移設するとした日米合意の期限について『物理的にどうみても実効性がない』(本HM記事北沢防相、辺野古移設断念を正式に認める)としているが、枝野官房長官や前原前相は現行案推進を表明している。

 現行案推進と言いつつも、移設期限は撤回。普天間飛行場移設問題で日米両政府が混乱する中で、明確なのは沖縄の民意である。普天間飛行場の県外・国外移設、沖縄の基地負担の軽減の意思は一歩もゆるがない。

 この意思を更に明確に、日米両政府に示し続けなければならない。

【報道】

日米高官、辺野古推進を確認(沖縄タイムス)

米国務次官補 現行案見直さず(NHK)

普天間、辺野古移設を確認 米国務次官補が表明(琉球新報)

普天間の辺野古移設確認 米国務次官補が表明(東京新聞)                    〜移設期限は日米安全保障協議委員会(2プラス2)で正式に撤回する方針〜   

 【琉球新報電子版】(記事はこちらをクリック)によれば、北沢防相は20日の記者会見で、2014年までに米軍普天間飛行場を名護市辺野古に移設するとした日米合意の期限について『物理的にどうみても実効性がない』と述べ、同年まで移設断念を正式に認めた、という。

 辺野古移設不可のメッセージについては、これまで米上院議員や米政府元高官らが盛んに発信してきたが、防相発言で、その現実を日本政府も認めたことになる。これで、辺野古移設案は無くなった、と同時に普天間飛行場そのものをどうするのかについての議論が必要になってくる。

 同飛行場が危険な存在であることは、メア氏以外の日米両政府関係者は、間違いなく認めるところである。それならば、この問題をどう解決するかである。議論すべき内容は明白だ。

 嘉手納統合案、キャンプシュワーブ陸上案、国頭村安波案、いずれも実効性はない。これもまた明白だ。

 仲井真知事は、現在の状況について、微妙な言い回しながら、「県内移設はない」と明言している。

 問題は、沖縄県と菅政権の信頼関係がほとんど失われている(報道を見る限りは)という状況だ。4日前にも、前原前外相は名護市の稲嶺市長に対して、辺野古案の推進を求め、門前払いされたばかりである。菅政権、いや民主党政権自体が信頼を失っている状況でどう関係修復を図り、議論を進めていくのか。

 すでに準備は進められていると思うが、どのような案が提示されるのか。注目である。

 普天間飛行場移設先の辺野古案が不可能となったことを受けて取りざたされている嘉手納統合案について、嘉手納町議会は6月12日安保の見える丘(道の駅かでな近く)で、嘉手納町民集会を開催することを決めた。同案はこれまで二度に渡って提起されては潰れていったものである。

 3月の嘉手納町議会における當山町長の施政方針の中でも、国の責務について次のよに指摘している。

 「嘉手納米軍基地が日米安保条約に基づき提供されているものである以上・・町民の(基地)負担の除去、軽減を図ることは・・国の当然の責務であ(る)。」

 5.16沖縄タイムス紙面に普天間移設問題で、米上院軍事委員会のレビン委員長に対し、「現実的な案」として嘉手納統合案、国頭村安波への移設、キャンプ・シュワーブ陸上案を提示した下地氏のインタビュー記事が掲載されたが、多くの認識違いと誤りがあるので、指摘しておきたい。(詳細は普天間移設3案:下地幹郎幹事長に聞く こちらをクリック)

氏は言う。「・・3案は確実に普天間の危険性を除去できる現実的な案・・、イデオロギーでは基地問題の解決はできない」 

 そもそも普天間飛行場移設問題は、イデオロギーを問うているのではない。2009年8月民主党政権誕生以降の動きの中で明らかになった沖縄差別の歴史、その実態が問題である。改めるべきは沖縄蔑視の歴史観ともいうべき日米両政府の深層に巣くう考え方であり、それこそが問題の根本である。そこに至ることなく、安易に現実的解決を求めるのは、沖縄にとって極めて危険な発想だ。更に言えば、沖縄内部でのイデオロギー対立をあおり、それを利用したのは誰だったのか。

 氏は続ける。「騒音防止協定が守られないのは、そこに戦闘機がいるからだ。だからこそ・・『嘉手納の戦闘機2個中隊のうち、1個中隊24機を移転・・』『出て行った後・・普天間・・を入れて』と言っている。これほど合理的な話はなく、これを否定するのは感情論だ。」

 「騒音防止協定が守られないのは、そこに戦闘機がいるから」ではない。米国にその気がないからに過ぎない。これは自明の理だ。日米地位協定の改正に手がつけられないのも根本は同じだ。嘉手納基地周辺住民にのしかかる基地被害の実態を無視して、嘉手納統合案への反対を感情論だと切り捨てる論議こそ、現実論に名を借りた日和見主義にすぎない。 

 氏続ける「・・米政府から辺野古の代替案に関するメッセージが必ず出てくる」

 沖縄が目指すはこのメッセージである。辺野古移設案の撤回がない限り、基地負担の軽減という沖縄の民意の実現はない。米国からの代替案の提示は、正に、交渉のテーブルに米国が付くことであり、それこそが沖縄が求めてきたものではなかったのか。「米政府から辺野古の代替案に関するメッセージが必ず出てくる」というのであれば、正に望むとおころであり、今度こそ沖縄の民意を、日米両政府に伝える役割を果たすことが沖縄選出議員役割ではないのか。

 下地氏の主張は、単に普天間飛行場移設問題に留まらず、今後の沖縄の基地問題解決の方向性を誤らせかねない危険性をはらんでおり、決して受け入れられるものではない。

 外国人からの献金問題で辞任した前原前外相が、昨日16日、名護市の稲嶺市長と面談した。前原氏は「辺野古に案が戻ってしまったことに対し、民主党の公認の一人として候補として、名護市長、市民のみなさんに心からお詫びを申し上げたい」と陳謝した。これに対し、稲嶺市長が、これ以上基地は受け入れられないという県民の声を受けとめて欲しい、と応じた。しかし、前原氏は、今後も話し合いを続けたいとして、あくまで日米合意を進めていくべきだとの考えを示した。

 会談後のインタビュ―で、前原氏は「沖縄全体としては負担軽減につながるのであり、御高配をいただければ」と述べた。会談後は辺野古受入派市議会議員との意見交換を行ったと報道されている。

【報道】 

 前原前外務大臣 名護市長に辺野古回帰を陳謝(QAB)

 辺野古移設に協力求める 前原前外相、名護市長と面談(沖縄タイムス)

 普天間混迷に危機感 前原氏、名護市長と会談(中國新聞)

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